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JTC営業資料あるある10選

JTCという言葉を初めて使いましたが、ジャパニーズトラディショナルカンパニーというやつらしいです。
わたくし自身50年以上続く"超"ゴリゴリの営業会社で営業資料に10年以上かかわり続けてきました。
今回はリアルな営業現場から、営業資料あるあるをお伝えします。

❶ない(ちゃんとした営業資料が)

JTCの営業は「営業資料なんか使うやつは3流だ!」と言っている人が3割います。営業資料を使わずにトークでお客さんの課題をヒアリングして、ちょろっとだけペライチ(1枚ものの資料)を見せて受注に至ることを是とします。
もちろん、WEB商談よりもリアル商談を優先しますし、「俺の客」の意識は強いです。
※ただし、意外とリアル商談の受注率はWEB商談より高いという結果もあるそうなので、間違いではない気はします。

❷作らない

JTCの営業は営業資料を自分で作りません。
「俺は作ってるぞ」という営業でも、基本的には企画部署や営業推進部署が作ってくれた営業資料を切ったり貼ったりして「俺流の営業資料」にしていることがほとんどです。自分で作るページは1~2ページ。しかも基本は文字だけ。
ただ、その文字の部分にはその人の営業哲学が込められており、自信があります。自らの営業の集大成を込めたページをだいたい3ページ目にもってきます。後半部分は97.6%(※1)切り貼りですが、一番最後の締めの部分だけは自分で考えたエモーショナルなメッセージを持ってきたりします。
※1 だいたいの感覚値調べ

❸自分が話しやすい順番に変える

JTCの営業は「作者の意図」をくみ取りません。
国語のテストなら間違いになるような「俺の鉄板営業流れ」に資料の流れを組み替えます。
なんなら、「3~4つの資料を組み合わせて後輩が作った資料を自分でちょっとアレンジした資料」とかを使っています。
資料に意味があるのではなく、商談に意味があるので資料はおまけなのです。
フォントがぐちゃぐちゃでも、メインカラーが途中で変わっても気にしません。
16:9と4:3のスライドを切り貼りした結果、バランスが崩れても気になりません。
写真のアスペクト比なんてそもそも考えたこともありません。
売れることが大事なのです。

❹良い資料は何年も使う

そんなJTC営業も、自分が認めた資料は愛用してくれます。
平気で5年~10年くらい同じ資料が現場の第一線で使われ続けます。
良い資料は営業の血肉となり、彼らの営業トークを構成する一部となります。「〇〇さんが作った資料ならめちゃ使う」という風に個人にファンがつくことすらあります。

逆に、9割くらいのリリースされた資料はぺらっと読まれて終わりになることが多いです。ただ春の夜の夢ごとし。

❺長い資料よりペライチが人気

JTC営業はとにかく1枚もの(ペライチ)にこだわります。
スライドを作成する人は「ワンスライド ワンメッセージ」という言葉を大事にしており、1ページに情報を詰め込まないようにする習性があり、真逆なのです。

JTC営業が1枚ものにこだわるのはシンプルだからです。
ペラペラめくるより、1枚で全部説明できるほうが気持ちよく話ができるのです。
プロジェクタ投影するようなプレゼン以外では、会話の中から話題を見つけ出して相手のストーリーに合わせて営業をすることを好むため、ストーリーに柔軟性を持たせられるペライチが好まれるのです。

❻アンケートとかデータとかを好む

営業の強い味方、それは数字です。
自分の話している内容に信ぴょう性を持たせるためにアンケートやデータを使うのです。

年次の低い営業はデータだけではなく細かい解説が入っているものを好みますが、ベテラン営業は一行程度でシンプルに「この数字は何を伝えているのか?」を書かれているものを好みます。

❼得意な人に作ってもらう

私は幼いころ広島で営業をしていたのですが、シーズン前にやることが「中国エリア版の提案書テンプレを作って先輩に配布すること」でした。

この資料作成担当はだいたい支社に1人は存在し、作ったからといって評価が上がるわけでもなく、改善要望だけを一身に受ける存在としてランチ代を餌にせこせこ作っている人種です。
ただ、パワポを作ることが好きでみんなに使ってもらってもらうのが好きなので、搾取されているというより、意外とWinWinだったりするのです。

❽部署や商材によってトンマナが異なる

JTCの特徴、それは縦割組織です。
縦割組織の影響は資料にも反映されており、同じ営業が扱う資料でも組織が異なる部署が発行している場合、デザインやフォント等が異なります。

営業現場は意外とそんなことは無視してツギハギすることが多いのですが、実は大変なのは資料を発行している部署です。
流石にこの部署がトンマナを合わせられないのは良くないという認識があるので、トンマナ合わせに無駄な工数を取られるのです。

❾作る前の情報収集に時間がかかる

パワポにcopilotが実装されて資料作成担当の人たちが思ったことは、
「楽になるかと思ったけど、情報集めに時間がかかってたんだな。そんなに仕事の時短になるわけじゃないわ、、、」ということでした。※うちの会社の作成担当4人調べ

なんなら、PPTを作ることで「あ、この情報が足りなかったから調べなきゃ」となることもあるため、結局のところ情報収集が一番大変なセクションであり、逆に言うとAIの出現によって「私、こんなに見切り発車で仕事してたんだ、、、」と気づく人が続出しています。

❿様々な社内ルールに縛られる

会社の成長と共に、様々な資料作成のルールが無限に増えていきます。
ロゴや税別表示などなど、適当に作っているものは恐ろしい量のフィードバックをもらってしまい、ほぼ全面作り替えになることすらあります。

ちゃんとチェックしてくれること自体はめちゃくちゃありがたいのですが、、、


以上が、「JTC営業資料あるある10選」でした。
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