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梅に鶯

『共通テスト対策(古文)』の【三】で、まだつぼみの梅に雪が積もった枝に、帝が手紙を結びつけるところがありました。そこに書かれていた和歌は

 鶯の古巣を出でて同じくはこの梅が枝にねぐら定めよ

授業中、「梅」と「鶯」はセットという話で、「花札の1月の札だって、『梅に鶯』だよ」と言ったクラスがあるのですが、その後、心配になって調べてみたところ、なんと、「梅に鶯」は2月の札でした。すいません。

なるほどね、調べてみると、

1月⋯松に鶴、2月⋯梅に鶯、3月⋯桜に幕、4月⋯藤にほととぎす、5月⋯菖蒲(あやめ)に八橋、6月⋯牡丹(ぼたん)に蝶、7月⋯萩に猪(いのしし)、8月⋯薄(すすき)に月、9月⋯菊に盃、10月⋯紅葉に鹿、11月⋯柳に小野道風(通称、雨)、12月⋯桐に鳳凰

うーん、一応は古典文学の季節感を表していますが、ビミョーなところもあるような。花札が生まれたのが江戸時代ということなので、平安時代の自然の感覚とは少しずれるところもあるのでしょうか。

私は、花札のデザインが好きで、「参考書の表紙を花札風にしたい」とお願いしたことがあるのですが、「賭け事なのでダメです」と断られてしまいました。さすが駿台文庫。