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10年

帰りのバスは眠ろうと思っていたら、いろんな人に会って、頭と心が満ちあふれていて、書く時間にしました。写真は、北大のイチョウ並木。見頃は過ぎていたけど、きれいでした。

連休終わりのバスターミナルは、たくさん人がいました。「釧路行きは赤の線へ~!」、「旭川、満席だったら次の便へ~!」と、係の方の声に続いて、人とバスが入れ替わっていきます。

みんなどこかへ帰るんだなぁ。誰かに会いに、何かをするために、札幌へ来て、いつもの場所へ帰っていくんだよなぁ、と思ったら、目の前の光景が少しだけ、いつもと違って見えました。

朝はほとんど初めて、タクシーの窓から札幌の街を見たら、初めて来た街みたいに見えたりして。人はいつでも、ちょっとしたことで、新しい気持ちになれるんだなぁと思います。

10年以上前に出会った友だちの、大切な日。久しぶりに会った人たちは、苗字が変わっていたり、赤ちゃんを連れていたり、それぞれの場所で、それぞれの生活を送っています。

いつの間にか人生に、「10年前」なんて単位ができていて、私たちはすっかり大人になりました。

高校を卒業して、みんな遠くの街へ行って、帰省の度に集まって、その頻度が増えたり減ったり。だけど会えばいつも、そこにあるのはずっと変わらない時間です。

同じ場所で、同じ時間を過ごした。一緒にその時間を思うだけで、懐かしくて幸せになれるのは、すごく素敵なことだと、大袈裟だけど、いつも思ってしまいます。

たとえばもっと、会う頻度が少なくなっていったとして。それは多分、その人の大切なものが、たくさんできていくからなんだろうなぁ。

一つひとつの「大切」が小さくなるわけじゃなくて、変わらないまま、増えていく。「大切」をいっぱい持てるようになるのが、年をとるってことだったらいいなと思います。

毎日毎日、思い出さなくても、時々会って、笑い合える記憶があるなら、それはすばらしいこと。10年前と、自分がそんなに変われたとは思わないけど、大切だと思えるものは、確かに増えました。

バスを降りて、Homecomings聞きながら、少し歩いたら、頭がすーっとしました。

なんだか幸せだなぁ。ぎゅっとしたり、しょんぼりしたり、するけど、身の丈以上の幸せをもらって暮らしていると思います。

大切な人たちの節目に、たくさんのことを思った週末でした。明日は朝から大事な仕事があるので、ちゃんとします。

おやすみなさい。

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