【ガルクラ】ガールズバンドクライ12話感想

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やっぱりきました挫折回
桃香さんに「箱入り娘」と言われた仁奈
家族に愛されて育ち正しいことを選択してきた
正しいことをしているから報われるべきという理想論が染み付いている

仁奈は川崎に出てから成功体験しかしていない
正論モンスターと言われるように正しいことだけをしてきて突破してきた
正しいことをしているから報われる
当然のことだと思っていたかも知れない

11話の感想で書いたダイダスの歌に込められたメッセージが今回の現実

ダイダスは自分にとって正しいことをしていても成功することは限らないことを知っている
桃香さんも知っている
だからこそ桃香さんは新曲の完成度に納得せずに何度も悩んでいた
ダイダス時代に正しいことをやっていたはずが登れなかった挫折の体験
それを仁奈が知ったときどうなるのかが怖くなっていたと思う

ダイダスからの対バンオファー

これはダイダスからのエールと言ってもいい
勝ち負けが決まった出来レースで勝つのはダイダスと確定している
しかし格上のダイダスと並んで同じ土俵に立てるということは新人バンドにとってメリットしかない
トゲトゲが負けたとしても客は失望したりしない
用意された生温かい試練の舞台

ただ一点だけ
仁奈が「負けた」という傷を受け入れることができるか
傷がついても綺麗なままでいられるか理想を目指して進めるかという挑戦状

視聴者との乖離

アニメ視聴者は仁奈の物語を追ってきてるしファンになっている
でもあの世界の人たちはそんなことを知らない
新人バンドがデビューしたときの反応としてはあれがリアルなんだろう

いままで仁奈を追いかけて成功体験を仁奈と共有してきた視聴者にとって仁奈の挫折は視聴者にとっての挫折とも言える
メタ視点を込めた考えで正直に言うと、このままエンタメに特化して挫折しないまま走りきったほうが正解のようにも思える
仁奈の成功体験を共有したまま突っ切ったほうが気持ちよく終われるはず
でもあえて挫折回を挟んできたのは「アニメが売れる」ことより「伝えたいメッセージ」を優先したと感じる
そういう選択好きです

仁奈はこのまま負けてしまうのか
それとも傷を背負っても噛みつき続けるという成長を見せてくれるのか

最終回が楽しみだ


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