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技術WR講座第9回~書籍の企画と執筆~

技術ライティング講座、本日最終回です。

最後のアイスブレイクのテーマは「こんな書籍を書きたい」。
「〇〇したい」という質問は、ちょっと人間としてのオリジナリティがないかににとって、ちょっとどんよりするやつ(めんどくさい奴。笑)

さ、気を取り直してがんばりまっしょい!
では本日のアジェンダです!

アジェンダ
1)なぜ書籍を書くのか
2)書籍の種類とつくり方
3)執筆の準備

なぜ書籍を書くのか

文章は書く場所によってサイズ感が異なります。Twitterだと140文字、Web記事だと数千文字、技術同人誌なら数万文字、書籍になると10万文字以上です。サイズが大きくなるということはそれだけ組み合わせる要素が増えるので、指数関数的に難易度があがっていきます。

ここでひとつ問いです。

「技術については、書籍での学習ではなくWeb記事で調べれば十分では?」

これはまさにかにがGASで経験した学習の過程です。
かにの場合、GASはどんどん情報がアップデートされるので、書籍はすぐに情報が古くなってしまうのではないかとの仮定のもと、ずっとWeb記事で学んでいました。

それである程度プログラムが書けるようにはなったものの、知識が点と点でしかないために応用が効かない状態でした。

次の一手になやんでいた時に手にした、講師タカハシさんのGAS本第1版。

大量の知識をひとつの方針に沿って一貫性を保ちつつ、順序立てて進められることが書籍による学習のメリットだということを、この時にめちゃくちゃ体感しました!

Web学習で苦労したことを、もっと少ないコストで「なるべき姿」にたどり着けるよう、書籍として体系的にまとめることができれば、次に学習する人が短縮できた時間(コスト)の分だけ、価値が生まれます。

書籍を書く意義
1)高い価値を提供できる
2)それでのみ得られる学習機会
3)実績として活用

かにが書籍を出したいなと思うとしたら、そのきっかけは何になるんだろうな~。わくわく(/・ω・)/

書籍の種類とつくり方

書籍と一言でいっても、いくつかの種類があります。

まず、出版社を通して書籍を販売することを「商業出版」といいます。
書籍制作のステップは大きく4つです。

書籍制作のステップ(商業出版)
1)企画:3~6ヶ月程度
2)執筆:4ヶ月~1年程度
3)校正:2ヶ月程度
4)販促:売っている間ずっと

つぎに「同人誌」という形式です。同人誌は、著者自らが制作・販売をする書籍で、書店には流通しません。制作のステップは商業出版から大きくは変わりませんが、必要な期間に違いがあります。

書籍制作のステップ(同人誌)
1)企画:数日~2週間程度 ※企画会議を通す必要がない
2)執筆:1ヶ月~数ヶ月程度
3)校正:1~2週間程度程度 ※デザイン確認、索引作成などがない
4)販促:売っている間ずっと

同人誌をきっかけに、商業出版につながることがあります。
ノンプロ研でも直近で2件、同人誌から商業出版になった方がいらっしゃいますね。

◆4000円とPCだけで始められるマイコン入門(技術の泉シリーズ)

◆Excel VBAユーザーのためのOutlook VBA入門(技術の泉シリーズ)

すごい!

紙書籍 vs 電子書籍

ところでみなさん。学習する際に手に取る書籍は、紙の書籍でしょうか。電子書籍でしょうか。

かにの場合は基本的に紙の書籍を購入し、車の移動中に耳で聴きたい書籍のみ電子書籍としてダブルで購入しています(/・ω・)/

それぞれの媒体のメリットについてみてみましょう。

紙媒体のメリット
・触覚による「このへん」という位置情報、質感
・情報の出会い方に偶然性がある
・本棚に置くという学習管理
電子媒体のメリット
・携帯性、保管の利便性
・検索性
・即時性、更新性

電子媒体には、印刷や在庫管理が不要になるという売る側にとってのメリットもあります。

ノンプロ研技術書制作について

技術ライティング講座では、講座を受講後に講師のタカハシさんによる同人誌出版までのサポートが受けられます。

作成する同人誌は、技術書店にて紙・オンラインで販売がGOALです。技術書店は年に3回程度開催されているそうです。

ノンプロ研技術同人誌の概要
・ノンプログラマー向け技術書
・紙:B5/左綴じ、表示カラー/本文モノクロ
・電子:PDF、表紙/本文ともにカラー
・52-68ページ程度
・1,000円/冊

商業出版の場合、新しい技術や流通している情報量のないテーマだと企画を通すのが大変です。売れるという確度が高くないと出版社は出版に踏み切れないからです。

一方、同人誌ではニッチなネタ大歓迎です。

入門書だけではなく勉強するのがちょっと大変だなという高めのハードルを超えるものや、あまりない特定の分野との組み合わせをテーマに選択するのがいいとのことでした。

現在ノンプロ研では、企画進行中の方が5名程度いらっしゃるそうです。
す、すごい・・!

執筆の準備~企画を考える~

企画書は通常、ドキュメント形式でまとめます。

企画で考えること
・タイトル案
・ターゲットとその背景、前提、ベネフィット
・構成案
・類書の状況、独自性
・販促案

企画は最初の重要なステップです。書籍制作の道のりは長く、苦しい(講師談)ので、書いているうちに内容がどんどんブレていくのだそうです。

企画をしっかり固めて執筆する範囲の選択肢を狭めることで、内容がブレるのを防ぐことができます。また、スポンサーを説得するための材料にもなります。

企画ではまず、この書籍によって"なるべき姿"にたどり着くまでの時間を短縮する、削減できるコスト=価値を言語化することで、ターゲットとその背景や前提、ベネフィットを明らかにします。

ターゲットが定まったら、構成を固めます。

構成を整理するためには、文章を構造的に捉えるのがカギです。

文章の構造化の手順
1)グルーピングする
2)名前をつける
3)順番を決める

ターゲットと構成が決まったら、いよいよ作業環境と計画を整え、執筆開始です!

計画では、技術ライティング講座の第1回の宿題でもあった「時間のロック」「習慣の見直し」「予実の記録」が生きてきます。

この講座を通して固めた決意を、かには有言実行できているでしょうか。


・・・(´⊙ω⊙`)


さてさて、技術書の執筆には50時間以上が必要だそうです。
ここで講師タカハシさんの名言をひとつ。

『書き続けさえすれば、いつかは終わる』(タカハシノリアキ・2021)

やっぱり、このあたりがすごいんだよなぁ。

校正の準備

書き続けて書き続けて書き続けて書き終えたら、校正に入ります。

校正とは、誤字・脱字・間違いなどを修正することです。
通常、校正は2~3回繰り返して行われるそうです。ここで大事なのは、校正で直せばいいやという考えで執筆をせずに、間違いなく書くことを意識することだそうです。

販促の準備

校正が終わったら、後は売るのみです!

ブログ、SNSでの告知など考えうることはすべてやりましょう!
タカハシさんは、書籍の販売が開始されると必ずご自身の足で書店へ出向いてPOPを配っていますね。すてき。

最後の宿題:企画書の提出

演習9-1
「ノンプロ研がスポンサーであると想定して、技術同人誌の企画をつくってみましょう。提出はGitHubで。」

全9回の講座の最後の宿題は、この1つです(/・ω・)/

長いと思っていた3ヶ月も過ぎてみるとあっという間でした。残っている宿題と2週間後の卒業LTの準備もがんばりまっしょい!

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