第15夜 楊逸さんと新潟のハルビン餐庁 環日本海ブームから30年
中国生まれの芥川賞作家、楊逸(ヤン・イー)さんにお目にかかったことがある。「新潟県の新聞社に勤務しています」。そう自己紹介すると、楊さんの大きな目がぱっと輝いた。「新潟には、遊びに行ったことがあります。ハルビン料理のお店がありますよね」
ロシアに近い黒竜江省ハルビン市は、楊さんの出身地だ。日本に留学後、中国語教師などを経て、2008年に『時が滲(にじ)む朝』で芥川賞を受賞した。日本海に面する地方都市、新潟市は故郷と交流が深いと聞き、小旅行をしたのだとか。新潟駅近くの店でハ