アンチに背中を押してもらった話
なるたか結成
今から10年ほど前、私は仲間と一緒に「なるたか」というよさこいチームを立ち上げました。
・チーム名は何にする?
・コンセプトは?
・作品づくりどうする?
・どうやってメンバー集める?
・なんの祭り出る?
など、仲間と理想や将来を語り合う時間は夢と希望に満ちていて、小さな一歩の前進が嬉しかったものです。
チーム名が決まった時、謎の鳥が誕生した時、楽曲が完成した時、仲間が増えた時…
沢山の想いが積み重なり、ようやくデビューできた時の喜びは一生忘れないと思います。
順風満帆なスタート!…ではなかった
デビューから1ヶ月後に参加した原宿スーパーよさこいで、なるたかは初めて賞をいただきました。当時はその時できる最大限のことはやっていたつもりでしたし、メンバーも頑張ってくれていましたが、今思えばどう考えても実力に見合わない評価だったと思います。
チームの土台が安定していない、組織が確立していない、経験値がないのでイレギュラーに対応できないなど不安要素だらけの状態に、想定していなかった大きなプレッシャーがかかったことで、正直この後2年くらいチーム内はガタガタでした。
メンバーが増えると意気込んでスタッフやインストラクターを大幅に増員したことで、まとまりきらずにチームはコントロールを失い、しかも結果メンバーはそんなに増えないという最悪の事態に。
作品制作も何が正解なのかわからなくなり、昨年と違うことをしなければ!変わったことをして目立たなければ!という変な思考に至り迷走。
例えるなら、全力でペダルを漕いでいるのに、スタンドを外してないために一向に前に進まない自転車みたいな感じだったわけです。疲れるのに進まないし、横からちょっと押されたら転ぶ、、、みたいなまさに「空回り」している状態でした。
※語弊がないようにしたいのですが、当時のスタッフ、インストラクター、メンバーはそんな状態の中本当に頑張ってくれていました。とても感謝しています。未だに飲んだ時に思い出話をすると一番盛り上がる笑い話です。
一発屋と呼ばれていた
案の定空回りしていたなるたかは、しばらく外からの評価がパッとしない時期が続き、終いには某掲示板で「一発屋」と書かれる始末。
他にも「学生チームOBOGの馴れ合い」だとか、「今年も高鳴りませんでした」とか散々な言われようでした。
外からだけでなく、「何がしたいかよくわからない」「練習が辛いだけで楽しくない」とメンバーから言われたこともありました。そして愛想を尽かして他のチームに行ってしまった人も沢山いました。
当時はまだ若かったこともあり正直きつくて、早く辞めたいって思ってたりもしました。「なんでこんなに頑張ってるのにダメなんだろう…」と練習や祭りのたびに悩んでいました。
あきらめたら試合終了
そんな状況も今では懐かしく感じるほどに時間は経過して、今がよさこい人生で一番楽しいかもしれません。
色んな厳しい意見を言われることもありましたが、今では感謝しています。「何クソ!絶対見返してやる!」と、反骨精神でやる気に繋がっていましたし、「それって見方を変えればチームの個性じゃん」と気づきを与えてもらったことも沢山あったからです。叱咤激励とはまさにこのこと!アンチの声に負けないようにと踏ん張った足が弾んで、諦めずにやってくることができました。ありがとうございます!
※とてつもなく嫌味っぽくなってしまいましたが本心です。ご容赦ください…。
そしてそれ以上に、辛い時に温かい励ましや応援も沢山いただきました。それが本当に心の支えでした。ありがとうございます。いただいた恩は絶対に忘れません。
出過ぎた杭は打たれない
野球のイチロー選手が何かの動画で「出る杭は打たれると言うが、打たれないためにはどうすればいいか?」という質問に対してこんな回答をしていました。
「簡単です。突き抜けたらいいんです」
スーパースターならではの言葉かも知れませんが、私はとてつもなく感銘を受けました。
「出てもいいですか…?ちょっと失礼します…!」と控えめに出た杭は打たれてしまう。でも最初から突き抜けてしまえば打ちようがない。本当にその通りだなって思いました。
これから先も新しいチームが続々と誕生していくと思います。沢山の突き抜けた杭が出てくることを想像すると私もとても楽しみです。私は突き抜けた杭を打とうとも、引き抜こうともしません。
「負けないように一緒に突き抜けます」
いつまでも新鋭の気持ちでいましたが、なるたかが出来てもう9年。さすがに新しいチームと呼ぶには無理があるキャリアになってきました。私達が憧れた先輩チームの背中はまだ遠いですが、いつか自分達もそんな背中を見せられるチームになりたいなと思っています。謙虚な気持ち、初心は忘れずにではありますが、先陣を切って突き抜けていきたいなと思います。
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