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2024(令和6)年4月11日(水曜日)

2024(令和6)年4月11日(水曜日)『カネちゃんの人生日記:第11問 みんなで考えよう!本当の意味での「道徳」って何だと思う?』

 今日から教職大学院は授業が開始です!さて,本日はとても印象深い講義がありました!それは「道徳化授業デザイン論」です。

 これから皆さまに以下の事例をお出しします。これは実際にイギリスであった事件です。皆さまだったらどうしますか?少々エグイ事例なので,ご注意ください。

【事 例】

 あるところにA,B,C,Dの4人の男がいました。4人は一艘の船に現在乗っています。

 ここでメンバーを紹介しましょう。A,Bは50代で航海の大ベテランです。今回は2人のとある仕事により,遠い異国にこの船を使って移動をしています。Dもまた50代で,今回は,A,Bの手伝いをするためにこの船に乗っています。Cは20代でまだまだ若手です。今はお金を稼ぐために,この船に乗船し,ゆくゆくは「税理士」を目指している若き青年です。

 ところが,航海の途中,急激に天気が急変し,船は転覆してしまいました。そのまま4人は海へ放り出されましたが,運よく救命ボートをつかみ,3日間海をさまよいました。3日間飲まず食わずの状態です。そのうちに我慢の限界が来たのか,Cは,A,B,Dの忠告を無視して海水を飲んでしまいました。Cは強いのどの渇きを覚えながら瀕死の状態です。そのうちにA,Bに恐ろしい考えを口に出しました。

A・B:「あいつはもう助からない。であれば,3人であいつの肉を食べ,血を飲めばもしかしたら俺たちだけでも助かるんじゃあないか?」

 これをDが偶然聞いてしました!Dは強く抗議しましたが,A,Bは「いいけど,お前には一切あげない。お前も死を待つだけだ。」と言われ,結局DもA,Bと同じくCを食べるという決断をしました。そしてCは3人の糧になりました。

 こうして3人は,生き延び,数日後,偶然別の船に拾われ事なきを得ました。しかし,黙っていればよかったものの,Dが「俺たちはCを殺した。」とこれまでの残虐非道な行いを警察に自白しました。

(1)あなたはこの事件の「裁判」を担当する「裁判官」とします。あなたは,この事例を読んで,「有罪」と判決しますか。「無罪」と判決しますか。それともそれ以外の判決を下しますか。

(2)あなたは加害者の家族とします。家族には「船が転覆して大変な状況で帰ってきた」ことは伝わっていますが,「Cを残虐非道に死なせてしまった」情報はまだ伝わっていません。しかし,家族と再会した瞬間,泣きながら家族にこれまでの内容を伝えてきました。あなたならどのように対応するでしょうか。

 どうだったでしょう?問題によってはそれぞれ一貫した内容の回答にならなかった方もいるかもしれません。実は,「道徳」は2015(平成27)年から「特別の教科」化がされています。ところが,急ピッチで改訂が進められたおかげで,それ以前の道徳で行われていた指導方法や評価方法とごちゃ混ぜになったのが,今回の道徳の内容なんだそうです。

 しかし,「特別の教科」になったので,「学習指導要領」のとおりに教えなければなりません。また,評価方法は次のURLを見ていただきたいのですが,「学習活動において児童生徒がより多面的・多角的な見方へと発展しているか,道徳的価値の理解を自分自身との関わりの中で深めているかといった点を重視」することが指導者が評価を行う1つの観点として持ち合わさなくてはなりました。

 本来,ヒトの考えは色々あるはずなのですが,「色々な考えがあるにもかかわらず,国が絶対的な思想を押し付けている」というなんとも恐ろしい現状になっているそうです。私が学部時代に感じた矛盾点はこの内容だったんですね!次期改訂に期待したいと思います。

【出 典】
 文部科学省(2016): 「特別の教科 道徳」の指導方法・評価等について(報告)【概要】https://www.mext.go.jp/.../afiel.../2016/08/08/1375482_1.pdf

【今日のキーワード】
#道徳科授業デザイン論
#特別の教科道徳

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