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街灯という生き方

夜に明かりを灯した街灯が好きなんですよね。静かにボーッと照らすべきところを照らし、道行く人々が歩きやすいようにする。そういう生き様というか佇まいっていうんですかね、そう在りたいなと思うのです、自分自身がね。

店をやってるといろんな人が訪れます。一回だけ通る人、毎週通る人、半年に一回だけ現れる人。たぶん何かしかの目的があってその道を通る。中には五年も通い続ける人もいるし、十年なんて猛者もいる。逆に三ヶ月くらいでもう来なくなっちゃったなぁということもある。と思わせておいて五年後にまた来るとか。

時には人間模様を垣間見る時もありますよね。子供が産まれてね、とか、もっと日常的な、朝は必ず公園を散歩するんですよ、とか。そういう話をするのは楽しいものです。大袈裟ですけど、お互いが人間であるということを意識し合う、その空気感。

やっぱり来てた人が来なくなるのは寂しいですね。営業面は当然あるけど、もっと髄の部分での人との関わりという意味で寂しく感じるのです。とはいえ、それは僕の一方的な都合だと思うし、そういうところで自分は「街灯」であるべきなんだろうと思うのです。前を通る人を静かに照らす。また通るかもしれないし通らないかもしれない。自分のやるべきことは、目の前を通る人をしっかり照らすこと。突き詰めればただそれだけ。

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