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アライバルノーティス(Arrival Notice)受け取りの電子化と用語の解説

ブログを開設してこのかた、デマレージとアライバルノーティスが人気記事の上位に入っている。


自分自身、輸入の案件の扱い量が少ないので、Arrival Notice にはなじみが薄い。しかし、貿易実務、という観点でいうと、輸入は本当に油断ならない。

特に、普段、取引していない輸出者、初めての輸出者のときは要注意だ。

ただ、「要注意」といっても、具体的な案がないのでは「落石注意」と一緒で説得力に乏しい。

「じゃあ、どうすればいいんだ」という話だが、一つの答えがある。

電子メール経由で入手できる ARRIVAL NOTICE を活用したい

何はともあれ、今の時代は電子メール経由で入手できる ARRIVAL NOTICE を活用したい。可能であれば。

ライバルノーティスは FAX が使われるイメージを持たれているかも知れない。

しかし、近年、大手のコンテナ輸送会社は「 ARRIVAL NOTICE 」の電子化に取り組んでいる。

専用のシステムを持つ会社もあるし、自動化、あるいは人力(じんりき)で電子メール対応してくれているところもある。

船会社が毎回変わるようなケースはいずれにしても管理が面倒だが、もし、ある程度、使用する船会社(ふながいしゃ、運送者)が決まっているのであれば、それらのシステムに使用者登録するなどして依頼したいところだ。

たとえば、日本の大手船会社 ONE( OCEAN NETWORK EXPRESS )は、このようなページを用意してくれている。

つまり、「 NOTIFY PARTY 」欄に e-mail アドレスを記載しておれば、メールで連絡してくれるのだ。

これなら、次に発行される B/L から手軽に始められる。

輸入に関係するチームで共通のメールアドレスを作り、それを「 NOTIFY PARTY 」に記載しておきさえすれば良い。

これで、「 ARRIVAL NOTICE 」未着の悪夢から、かなり解放されるだろう。

また、極力、船積み直後、「 SHIPPER 」から B/L の写しがメールやFAXで届いたタイミングで、B/L NO. をその船会社のホームページにある「 CARGO TRACKING 」システムを使って、一度、貨物の所在地を検索しておくこともおすすめしたい。

クロネコヤマトの「荷物お問い合わせシステム」のような方法で、貨物の所在をグローバルに追える。

「 ARRIVAL NOTICE 」は、すぐに乙仲業者へ渡そう

輸出の業務に携わっているなら、普段、お世話になっている乙仲業者があると思う。

もし、この「 ARRIVAL NOTICE 」が届き、次にどう動くか迷ったら、すぐにいつも取引している乙仲業者に書類の写し(FAX、PDFなど)を送り、問い合わせ、相談することをおすすめする。

また、万が一、あなたが記載された貨物の輸入担当者でないなら、社内の適切な担当者(資材、海外工場管理部門など)にすぐに渡して欲しい。

実は、これも非常に重要なポイントとなる。

というのも、この「 ARRIVAL NOTICE 」が届くのは、大抵、日本の仕向地にあと数日で到着するタイミングだからだ。

貨物が到着すれば、すぐに輸入申告の作業にかからねばならない。

少なくとも、コンテナから貨物を搬出して、コンテナを船会社に返却する必要がある。

一定の猶予期間(フリータイム、free time )を超えると、デマレージ( Demurrage)というコンテナの延滞料がかかる。

この延滞料は決して小さな金額ではなく、輸入取引自体が無意味になるほど大きな金額になるリスクがある。

そのために、「 ARRIVAL NOTICE 」が届き次第、準備にかかるべきだ。

輸入用の船積み書類が揃ってなければ、このタイミングで SHIPPER に依頼しなければ手遅れになりかねない。

急いだほうがいい。

https://kandaka.work/busitable/

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