全身を使って新たな冒険の旅へ リングフィットアドベンチャー

2020年は、リングフィットアドベンチャーがヒットしたと考える。なぜヒットしたか分析していく。まずヒットした背景を考える。

1.運動不足

近年、運動不足が社会問題となっている。新型コロナウイルス感染症の影響で、外出自粛を要請された結果外出が制限され、テレワークやオンライン講義等が普及した。その結果、自宅から出ることが減少し。運動不足が進んでいる。

外出自粛による運動不足は、血流を悪くし疲労物質が溜まるため、すぐに疲れを感じ、消極的になって気分も落ち込んでしまう。それが不眠を引き起こす。運動は体力低下を抑制するだけでなく、脳が活性化することで気持ちの面でリフレッシュさせ、前向きな気持ちを促す効果があるのである。

2.リングフィットアドベンチャーとは

リングフィットアドベンチャー (以下、リングフィット) とは、リングと呼ばれるコントローラーと脚にswitchのリモコンをつけて体の動きを認識させながら、ゲーム感覚で運動をするものである。リングフィットは、運動不足改善と筋トレ向きである。フィットネスの全てを専門家が監修しており、筋トレ系・リズム系・ヨガ系などのジャンルや、腕・お腹・足などを鍛える部位も様々であり、本格的にトレーニングが出来る。自分に合った運動を選んで、効果的に体を動かす事ができる。無酸素運動ももちろんできるが、有酸素運動もできる。

ここではまず、CMの分析を行いリングフィットのターゲットを検討する。女優の新垣結衣さんを使って、若い女性に向けてアピールしている。また、家族が背景にいるものもあることから、ファミリー層もターゲットに置いていることがわかる。数か月後によゐこを使った実況プレイを配信していることから、若い人だけでなく40代50代の運動不足の人にもターゲットを広げている。あつまれどうぶつの森 (以下、あつ森)でのプレイ中にリングフィットが壁に立てかけてある場面もあることから、あつ森のプレイヤーもターゲットに入れている。

3.テキストマイニングによる分析

図１ Amazonレビューのテキストマイニングの結果

次に、Amazonのレビュー約5万字をテキストマインニングで分析した (図1)。円が大きいほどそのキーワードの発現頻度が多く、キーワード間の線の太さは2つ以上のキーワードが同時に書かれていることを表している。結果を見ると、運動、アドベンチャー、トレーニング、筋トレ、ボクシング、負荷、設定、楽しい、フィット、ジムなどのキーワードが多く見られた。また、これらのキーワードのつながりを見てみると、筋トレと楽しいというキーワードや負荷と設定というキーワード、フィットとボクシングというキーワードこれらのつながりが見られた。この結果からこのゲームをライバル製品であるフィットボクシングとの比較をして評価していること。また、負荷を自分で設定して、ジムに行くことなく家に居ながら無理せず楽しみながら筋トレができることが評価されていることが分かった。

4.4Pを用いた分析

次に、リングフィットアドベンチャーがヒットした要因を4P分析で分析する。

4P分析にした理由は、リングフィット について知らない人やそもそもゲームをしない人、任天堂スイッチを持っていない人も多い。まず、リングフィットの製品についての情報、ゲームソフトと専門道具の価格、どのように流通して広がっていったのか、どのように販売促進していったのかを知っていくことが、製品の良さを整理し、トレーニングジムやほかの運動型ゲームなどの他の商品との比較につながり、ヒットの要因をつかみやすい。

product:アドベンチャーゲームを通して体を動かす
price:￥8,980
place:Nintendoストア、アマゾンなどのECサイト　家電屋
promotion:TVCM、Youtube、SNSなど

　
5.他の運動手段との比較
　運動不足を解決する手段は他にもある。ここでは、ジムとフィットボクシングを例に比較分析をしてみたい。ジムの場合「外出する為コロナウイルス感染の恐れがある」「時間が合わない」「お金が続かない」「通いづらい場所だった」、という理由で続かないことがわかる (図2)。

(出所) www.dims.ne.jp

一方で、リングフィットであれば、自宅で運動が出来るために感染の可能性がなく、継続的な支払いもないために運動継続に係る金銭的・心理的・肉体的なハードルを下げることができる。

　また同じ運動系ゲームソフトのフィットボクシングは、50種類の豊富なエクササイズコースや、シェイプしたい部位、お気に入りに曲などを、自由に選んでプレイ出来る。しかし、有酸素運動しかできないため、ダイエット向きであることがわかる (図3)。さらに、任天堂が制作したリングフィットと異なり、イマジニアという知名度の決して高くない企業が制作したため、消費者の認知度や期待値に差が生じる。結果、フィットボクシングとの差が生まれたのではないだろうか。

図３ 比較図

6.まとめ

これらのことから、コロナウイルス感染症による外出自粛をしながら自宅で運動不足を解消するために利用するには、ジムのような外出しないといけないものではなく、リングフィットかフィットボクシングが良い。しかし、ボクシング形式でするフィットボクシングと違い、リングフィットはゲーム感覚でできるため、家族と一緒に楽しくプレイすることができる。また、リングフィットはフィットボクシングとは違い、有酸素運動だけではなく、無酸素運動も行えるため、より質の高い運動が期待できる。だから、リングフィットアドベンチャーがヒットした。

参考文献

https://note.com/toshi0110/n/n1cba82dbaa97#uxSqV
https://gamewith.jp/switch/game/article/show/5519/7175
https://youtu.be/pmUS1nXq9RI
https://www.google.co.jp/amp/s/ferret-plus.com/amp/9701
https://note.com/ra0025si/n/n72cdd6fd9150
https://www.nintendo.co.jp/ring/
https://news.yahoo.co.jp/articles/61ca31dcc733637b0e9b9b0e155c81f4227dc461
https://hansokunodaigaku.com/keiei_post/3219/
https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/36713/
https://liginc.co.jp/510229
https://u-ta-life.com/5830/
https://textmining.userlocal.jp/results/kg5bYGHDuEPjaDaAWdTrzXqR4vtwqfWM