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ダニー・オブライエン(Danny O'brien )氏について

ZEMAITISのギターについてお詳しい方であっても、彫金師ダニー・オブライエン氏についてはご存知でない方も多いようですね。
ZEMAITISのギターは元々家具職人であったトニーゼマイティスが製作した木部と、ダニーオブライエン氏の彫金が合わさって出来ており、いわば二人の合作のような楽器です。
ここではダニーオブライエン氏について少し解説してみたいと思います。

・1960年にライフルメーカーに入社
ダニー氏は 1960 年に学校を卒業し、彫刻家ケン・ハント氏指導の下、ロンドンの「ジェームス・パーディー・アンド・サンズ」という銃器・ライフルメーカーで彫刻家としての見習い生活をスタートしました。
その成長はめざましく、21歳の誕生日には見習い期間を終えました。

・トニーゼマイティスとの出会い
ちょうどその頃、友人を通じてトニー・ゼマイティスを紹介され、固い友情と仕事上の関係を築き始めました。
当時、トニーはアコースティックギターしか作っておりませんでしたので、ダニー氏はヘッドストックのバッジだけを作っていました。

・メタル・フロントの誕生
1971 年にトニー氏はエレクトリックをメタルプレートでシールドするというアイデアを思いつき、ダニー氏が施した彫金入りのメタルプレートをギターのトップに貼り付けました。
こうしてゼマイティス・メタル・フロントが誕生したのです。
メタルフロントのギターは、そのデザインの煌びやかさ、美しさのみならず、低域の締まりや伸びやかな中高域、ノイズの低減、耐フィードバック性能の向上などサウンド面でも大きく寄与しました。
ダニー氏はショットガンの彫金の仕事も続けながら、並行してメタルトップの彫刻を施す仕事を続けました。

・神田商会との繋がり
2002年にトニー氏が亡くなり、ZEMAITISのブランドが神田商会に継承されたた後も、ダニー・オブライエン氏は彫刻の仕事を続けてくれました。
現在は80歳を超え、現役で彫金の仕事を請けることもだいぶ減ってきているようです。
ZEMAITISのもう一人の立役者であるダニー氏にはいつまでもお元気で居ていただきたいですね。

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