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高級ギターを所有することについて

・高級ギターと安いギターの違いとは?
高級ギターを扱う仕事をしていると良く訊かれることがあります。
それは
「高いギターと安いギターは何が違うんですか?」
という質問です。
この質問をされた時、私はこのように答えています。(新品の前提)
「10万円以下のギターはアジアの工場で作り、材料やパーツをある程度割り切ったもの」
「10万円台のギターはアジア製の良材ギターで、材料やパーツを割り切った日本製も含まれる」
「そこそこ良い材料やパーツで国内で作ったギターは20~30万円」
「30万円を超えるギターは付加価値が追加されていると思って下さい。」

・具体的仕様
例えばアコースティックギターの場合、
・トップ:スプルース単板
・サイド&バック:ローズウッド単板
・ネック:マホガニーネック
・指板:エボニー
・パーツ:国産
上記の仕様でドレットノートタイプで日本で組み立てれば、材の産地にこだわらなければだいたい売価は20万円から30万以内で収まりますし、
エレキギターの場合でも
・ボディ:アルダー(又はアッシュ)
・ネック:メイプル
・指板:ローズウッド
・パーツ:国産
上記の仕様でSTタイプを日本で組み立てれば、材の産地にこだわらなければだいたい売価は20万円から30万以内で収まります。

では、30万円を超えるギターは何が違うのでしょうか?
それは材料やパーツにこだわったり、加飾を付けることで原価が高くなります。
また「名の通った人気のビルダーやルシアーが作ったもの」という付加価値が加わることもあります。

・高級材料
材料で言えば、ホンジュラスマホガニーやブラジリアンローズウッド、エボニー、アディロンダック・スプルースといった高級材を使用することで原価は高くなります。
それらをふんだんに使えば付加価値は加算されて行きます。

・高級パーツ
ハンドワイヤードのピックアップ、Waverlyのペグなど、高級パーツを使用することで原価は高くなります。
それらをふんだんに使えば付加価値は加算されて行きます。

・加飾
ボディやアバロンや指板、ヘッドストックなどへの貝の加飾、ZEMAITISで言えば、パールやダニー彫金のようなサウンドに直結しない加飾を施して、見た目を豪華にすることで原価が高くなります。
それらをふんだんに使えば付加価値は加算されて行きます。

・名の通ったビルダーやルシアーが作ったもの
同じブランドやメーカーのものであっても、名の通った人気のビルダーやルシアーが作ったものは更に付加価値となります。

・ビンテージギター
また、50年代後半から60年代に作られたビンテージギターと呼ばれるものは、高級パーツや加飾が無くても、そもそも使用している材料が現代よりも良質であり、材の乾燥が進み、良く鳴り、素晴らしい音を奏でることから付加価値として評価され、価格が上がっており、中には4桁万円台のものもあったりします。

・食わず嫌いなら所有してみるべし
私は欲しいと思うならば是非所有してみるべきだと思います。
もちろん欲しいと思っていない方はその必要はありませんが、興味はあるが、所有したことがなく、食わず嫌いなのであれば、一度是非試奏だけでもしてみてください。
高級ギターはお値段はそれなりにお高いですが、自分で触って、弾いて、音を出してみて、所有してみて初めてその価値が理解できるものです。
かく言う私も元々は高級ギターに対してはアンチな立場でした。
新品の高級ギターへの憧れはありましたが、ビンテージに関しては否定的でした。
しかし、実際に自分で触って、弾いて、音を出してみて、所有してみてその考えは180度変わりました。
やはり素晴らしいと世間で評価されているものは素晴らしいのです。

・リセールバリュー
また、特に人気のある高級ギターやビンテージギターはリセールバリューも高いですから、一度所有してみて、ちょっと違うな?と思ったら手放す時にも価値が下がりにくいのでリスクは少ないです。
「ビンテージギターは実質無料」と表現する人すらいらっしゃいます。

高級ギターの価値をご自身で触って、弾いて、音を出してみて、所有してみて、ご自身の価値観で是非評価してみてください。

Kanda Guitar Baseでは、ZEMAITISのプロトに限らず、これからも高付加価値の高級ギターを中心に情報を発信して参りますので、どうぞご期待ください。


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