見出し画像

【随時更新】PODCAST MEETING 2022 から生まれたポッドキャストたち

おかげさまでイベントは大盛況のうちに幕を下ろしました。参加してくださったみなさん、どうもありがとうございます。参加できなかったみなさん、ごめんなさい。次回はもっと大きい会場を用意できるように頑張ります。オンラインのイベントも検討しています!

沖縄タイムスさんも記事にしてくれました。

また、イベントに先立つ9月19日には、「日経MJ」でもスマートニュースフェローの藤村厚夫さんに取り上げていただきました。朝ポキを本当に聞いて下さっていることが伝わってくる記事で、とてもうれしかったです。

さて、このイベントでは読者ホールであったメインステージや交流ブースの他に、リスナーさんを迎えてポッドキャストの収録も行われました。
まとめてご紹介します。

今日のジャクソンさん

ちるえさん・ジャクソンさんのカップルと長澤美津子編集委員(食文化担当)が、ピーナッツバターについて語り合っています。パンに塗る以外にも色々な食べ方ができるんだなあ。

このためにポッドキャスト自体を立ち上げられたとのこと! いきなり完成度が高いのでびっくりです。さらに驚くのは、3人がとても打ち解けた様子で話していること。ちるえさんから見たとき、朝ポキを通じて既に知っている相手だというのが大きいようです。初対面なのに距離が近い、心理的な壁が低いというのは、今回のイベントで何度も感じました。

ちるえさん・ジャクソンさんのことは、instagramのマンガを読むと理解が深まります。オススメです。

朝ポキコミュニティから真田さんへ10の質問

いちばん上に引用したツイッターのリンク先からファイルをダウンロードすると、聞くことができます。なんとイベント終了の2時間後にはアップロード済み。抽選となったイベントに参加できなかった方にも橋渡しをしようという心意気に、深く感動しました。朝ポキがいかにリスナーさんに支えられているかが現れています。

内容は、しきさんが音声チームを8月いっぱいで卒業した真田嶺記者にインタビューするというもの。真田さんが統括するプレイリスト「MEDIA TALK」の名物企画、ポッドキャスターさんをお招きする「クロス」のスタイルを踏襲しているのも心憎い配慮です。私も知らなかった話が満載。

しきさんは、ブログ記事でも朝ポキを取り上げ、オススメ回を紹介されています。

なにせわれわれは配信本数が多く(もう2000本近い)、それでいて検索性に乏しいという欠点を抱えています。目利きによるこうした記事はとても重要で、朝ポキをともに作り上げているという実感が強くあります。これまでの新聞作りではなかったことです。

サイバーセキュリティという未知のテーマを伝えるためにできること(The Perfect Introvert)

ソフトウェアエンジニアのこじまさんが、須藤龍也編集委員と対話をしています。エンジニア同士なので、やはり話の深みが違いますね。COBOLとかPythonとか言ってる。

コンピューターウイルスということばを定着させたのは須藤さんだったのか! 用語の正確さや厳密さよりも、何が社会にとってプラスになるのかを考えているという視点は、記者(つまり私)が相手だとこれまた出てこない話だったかもしれません。立場が同じだと、自明なので。

こじまさんは、イベント参加の感想をブログ記事にもまとめて下さっています。

「僕の業界の一部には勉強会やカンファレンスなどに参加したときに感想をブログなどにまとめて公開し、記録に残すという文化があります」
「狙いは、そもそもイベントの存在を知らなかった人に認知してもらったり、事情があり行けなかった人のために少しでも疑似体験をしてもらうことです」

Diary over Finite Fields

ここでも、体験の共有がキーワードになっています。自然なふるまいとしてできるのはすごい。記者って、まさにこれをする職業のはずですが、自分がよそのイベントに参加したときにブログを書いていない。どうなのよ。

「質問をするってすごくクリエイティブなこと」というこじまさんの感想が刺さります。大事ですよね。

マスなき時代の話し言葉と書き言葉

WiseGuysTimes(安東三)さんによるインタビュー。ポッドキャストという報道の形について真正面から取り上げています。

話し言葉と書き言葉の違いについては、かなり色々と考えています。本来は相互に補い合う関係だと思いますが、なにせ新聞社は活字文化の牙城。後者が圧倒的に強く、話し言葉は低位の存在としてとらえられてきたように思います。それが端的に表れているのが記事の文体。全国紙の地方面でも、あるいは地方紙でも、方言や生活ことばは使われていません。

新聞のまとっている権威性は、書き言葉も一因になっているのではないでしょうか。「国語」という教科名、読み書きには点数が付くこと、新聞が使う漢字は政府が決めていること……。もっと自覚的であるべきです。

あしたの新聞販売店その19

https://open.spotify.com/episode/1AXvO2diM8dzCBJz0iIIDX(この番組はspotifyアプリを使わないと聞けません)

長崎県波佐見町で新聞販売店を経営するタカクラさんによるポッドキャスト。統計的・算術的には朝日新聞の部数がいつゼロになるかはわかっているという話を、私は朝ポキ内でたびたびしています。では、販売店はどうすればいいのか。将来をどう考えるべきなのか。

妙案などあろうはずもないのですが、過疎化と高齢化で都市への集約が全国で進むいま、新聞のみならず「配達網」の維持が困難さを増すことは必定でしょう。ヒトを運ぶ「配達網」である鉄道の状況を見てもそれは明らかです。ところで鉄道やコミュニティバスの維持には、自治体から公金が使われています。では、物流はどうなる?

研修で販売店に行って配達や拡張の体験をしたり、取材のために訪ねたりということはありました。が、ふだん一記者が販売店のみなさんと話す機会はめったにありません。非常に貴重な経験でした。

ポッドキャストをやる意味(からっぽラジオ)

わたしは怖くありません!
このポッドキャストはイベントで収録したものではありませんが、イベントへ参加の経験を手がかりにして、自身の考えについて語っています。

リスナー数が10人というのは、実はよく聞く数字です。朝ポキの初日は再生回数が4だったので、それに比べれば多い。実生活の中で、10人を前に話すのってちょっとしたことです。職場でたとえると「課長の朝礼」。これを週2のペースで続けているんだから凄いじゃないですか。

イベントでKONさんも話していたように、ポッドキャストは大人数に広めるというより、少人数に刺すメディアです。今後もマイペースに連載の終わった漫画の話を続けてください。

からっぽさんは「朝ポキ」という言葉を作った人です。朝日新聞ポッドキャストというのはいかにも長ったらしい。そこで略称を自分たちでも考えたんですが、「朝ポッド」とか「a-pod」とか、どうもピンと来るものがなかった。比べてこの朝ポキという言葉の軽やかさよ。すばらしい。

過去にゲスト出演しています。

めっちゃ兵庫 

サクッと沖縄

今回のイベントは音声事業を手がける新聞7社によるセッション「なぜ新聞が音声を?」から始まりました。そのうちの3社、沖縄タイムス、中国新聞、神戸新聞によるvoicyが配信されています。

イベント後にいただいた感想で多かったのが、どの社も熱意にあふれているというもの。ジャーナリズムを次代につなげていくため、残された時間は多くありません。おそらくはみなさん初対面ではないかと思うのですが、番組を聞くとすっかり打ち解けている様子なのがうれしい。新聞社同士のヨコのつながりを提供できて良かったです。

印象的だったのが、沖タイ照屋さんの「最初はまじめだったが、くだけてくるに連れてリスナーさんが増えた」という話。紙の部数はいちばん少ない沖縄タイムスが、voicyのフォロワー数・再生回数とも一番多いというのは、いろいろと示唆的です。

趣味発見!むしゃむしゃラジオ

https://podcasts.google.com/feed/aHR0cHM6Ly9hbmNob3IuZm0vcy83ZDQxOTk1Yy9wb2RjYXN0L3Jzcw

趣味のウォーキングを支える「ドラクエウォーク」というゲームについてたっぷり話しました。別にこのゲームじゃなくてもいいんです。「ポケモンGO」「ピクミン ブルーム」など、位置情報ゲームと呼ばれるアプリはいろいろあります。見えている世界を一変させ、人生をひっくり返す可能性を秘めています。

それは、面倒ごとがごほうびになるということ。ごみを出す、図書館に本を返す、役所に行く……そのすべてが「やりたい!」に変わるんです。だって、歩けば歩くほどゲームでは有利になるんだもの。健康は増進し、周囲からは感謝されます。

これは、半ば強制的にあなたを社会へと連れ出すツールです。インドア派/アウトドア派などと言いますが、今はやりの一人キャンプと昔はやったカウチポテトに本質的な違いはないのでは。位置ゲーをやると、「犬も歩けば棒に当たる」が起きる。価値観を変えるツールとして、これほど有用なものを私は知りません。

Re:creation Port.|レクリエーションポート

めちゃくちゃ雰囲気のある番組に、場違いな感じで私が登場します。いいのか。「価値観」をテーマにお話ししました。

別のポッドキャストで私は、安倍晋三元首相の国葬を巡って世論調査の賛否が割れている状況を「分断」と表現した朝日新聞に疑義を呈しました。そんな大仰なものがあるとは到底思えず、現に国葬については1週間もたたないうちに記憶の彼方へと消え去っているじゃないですか。

価値観が異なることをことさらに強調し、分断と煽ることはもう終わりにしたい。価値観の違いを超えて対話をすることこそが「平和」です。そのためのツールとして報道があるのだと考えています。

ゲイと女の5点ラジオ

ゲストとしてご登壇いただいた大人気番組「ゲイと女の5点ラジオ」でも、イベントについてレポートがあります。お2人は謙遜されていますが、どっかんどっかん大盛り上がりでした。さすがの話術だと舌を巻いた次第です。おかげさまでたくさんの人気ポッドキャスターさんと知己を得てきましたが、タレントパワーでは群を抜いた存在だと言えます。

参加者の事後アンケートでも、5点ラジオをこれまで知らなかったという方を含めて、とても評価が高かったです。本当の面白さというのは世代や性別を超えて伝わるということをまざまざと感じました。

ちなみに、私こと5点ネーム「泣いた赤鬼」も悩み相談に乗っていただきました。ありがとうございました。様々な処方箋をいただきましたが、その後も悩みは引きずったままでいます……。

若手新聞社員座談会

イベントに来てくれた新聞社の若手社員が、音声事業や新聞の将来について語っています。参加したのは、

・喜田美咲さん(神戸新聞社・3年目)
・猪股修平さん(中国新聞社・3年目)
・藤岡小雪さん(中国新聞社・3年目)
MCは朝日新聞の木下広大(5年目)です。

全員が20代。木下の「こんな時代になぜ新聞社に入ったのって、よく聞かれませんか」という問いかけへの答えが心強かったです。迎える我々がそんなことを聞いていてどうする。彼らに自信をもって示せるような、恥ずかしくない仕事をしなきゃいけません。

今夜、BluePostで

毎日新聞のポッドキャスト/voicyです。日替わりでパーソナリティが固定しているというスタイルで、どの方も自主的に手を上げたうえに「デモテープ」をつくって応募したそうです。「えらいひとに言われてやってます」の朝ポキとだいぶ違う……。

これ、新聞紙面ではやはり考えにくいと思うんです。ライバル紙の記者や社員が出てくるというのは。でも、音声ならできてしまうということは、本当は紙面でもできるはずなんですよ。やっていないだけで。やろうという発想がないだけで。

朝ポキを始めた頃は、新聞社の人間が悩んだり迷ったりしている姿を見せるだけで新鮮と言われました。それが、ついにはライバル社と机を囲んでうんうんうなっているところを世間様に公開するまでに。でも、こういう姿勢って、実はすごく大事だと思うんです。メディアが信頼を取り戻し、高めるために。

新聞記者ラジオ

こちらは東京新聞。ポッドキャストの配信を始めたのはわれわれよりも早く、つまり先輩です。番組にも出演している三輪さんは、コロナ前の2019年には既にラジオ局を訪ねていたそうですが、「なぜ今から音声?」とポカンとされることもあったとか。

あれから状況は変わり、いまやポッドキャストを配信する各プラットフォームのランキング上位は、ラジオ局が制作する番組に占められています。先見の明ですね。有志で運営しているというところも東京新聞らしい。ツイッターアカウントも活発ですからね。

頓所さんのお話しで、技術スタッフを独自に持っている社は乏しいとありましたが、これはその通りですよね。うらやましい。朝ポキもバッキバキにもうかるようになって、エンジニアさんを雇えないかな……。

日経MJ

ポッドキャストではないんですが。スマートニュースフェローの藤村厚夫さんが、イベント前に連載で取り上げてくださいました。

2020年4月に今の仕事を始め、同年8月から本格配信を続けてきました。新聞社の新たな取り組みとして紹介されることは、おかげさまで従来もあったんですが、「背中を押し続けている」という点に注目していただいたのは初めてでした。とても嬉しかったです。

これからも、すべての人の背中を少しずつ押していこうと思います。

あとがき

イベント開催にあたって「対話に参加すれば、誰もがクリエイター」と掲げました。ここに紹介した番組だけでも、かなり実現できたと言えるのではないでしょうか。
当日はこのほかにも、無数の対話が生まれました。

イベント当選者に向けたメールで、私はこんなことを書きました。

我々は、あなたを「お客さま」として迎えることはしません。
対話の創造力に信頼を寄せる、同士として歓迎します。
当日は大いに語らいましょう。

とんだ無茶ぶりだったと思います。
中には、人と話すことが苦手だという方も、きっといたことでしょう。
すべての参加者が、しかし、これに応えてくれました。
深く深く感謝します。

明日も、しゃべろう。

いただいたサポートは世のため人のために使います。