副交感神経関連・節遮断薬に関する問題集めました

国家試験の問題や、類題を集めてみました。
電車などで見てもらえたらと思います。
覚え方等あればTwitter凸してもらえると精査して載せます。

今回は、副交感神経関連の薬と、イオンチャネルと節遮断に関する薬の問題です。
数が増えてきたら有料化します。

問 151 受容体と細胞内情報伝達に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 イオンチャネル内蔵型受容体には、陽イオンを細胞内に流入させるグリシン受 容体が含まれる。
2 G タンパク質共役型受容体(GPCR)には、アデニル酸シクラーゼ活性化能を 持つものがあり、ドパミン D2 受容体が含まれる。
3 GPCR には、ホスホリパーゼ C 活性化能を持つものがあり、アドレナリン a1 受容体が含まれる。
4 酵素共役内蔵型受容体には、細胞膜を 1 回貫通し細胞内に酵素活性を持つか、 酵素に直接結合するものがあり、インスリン受容体が含まれる。
5 核内受容体には、細胞質においてリガンドと結合したのち核内に移行し、遺伝 子の転写を調節するものがあり、バソプレシン V1 受容体が含まれる。


おおまかなまとめを記載します。(要望等あれば必要に応じて増やします)

正解3 4

類題
正解を選ぶ(完答)

1細胞膜受容体は主としてタンパク質、一部糖鎖から構成されている
2イオンチャネル内蔵型受容体は5量体からなる事が多い
3Gタンパク共役型受容体は細胞膜7回貫通型である
4酵素活性内蔵型受容体には、グアニル酸シクラーゼ活性を有するものがある


注意点
イオンチャネル内蔵型受容体は、(膜貫通ペプチド鎖のサブユニット構造として)5量体を形成しているが、細胞膜貫通回数は3~5回であることに注意。
酵素内蔵型受容体は1~4量体(細胞膜貫通回数は1回)
Gタンパク共役型受容体は単量体で7回細胞膜貫通

回答
 すべて正解

類題2
Ca²⁺に対して透過性の高いイオンチャネル内蔵型受容体はどれか。
1 5−HT2受容体
2 グルタミン酸NMDA受容体
3 アセチルコリンNm受容体
4 グリシン受容体(ストリキニーネ感受性)
5 グリシン受容体(ストリキニーネ非感受性)
6 GABA(A)受容体

解説
消去法として、ニコチンNm受容体は削除できるようにしておいてください。(Nm受容体チャネルが特に通すイオンはNa⁺です)
ニコチン受容体がNn受容体であれば正解になる可能性があります(基本的に多く流入するのはNaなので廃問だと思います)Nn受容体は陽イオン流入の(一応教科書的にはNa⁺イオン)を透過するという理解で概ねOK 
5−HT2RはGqタンパク共役です。グルタミン酸NMDA受容体は陽イオン透過性、Ca²⁺やNa⁺、K⁺も通します。
GABAA受容体が通すのはClイオンです。ストリキニーネ感受性グリシン受容体が通すのはClイオン。ストリキニーネ非感受性グリシン受容体についてはCa²⁺イオンを透過させます。

正解
 グルタミン酸NMDA受容体
 ストリキニーネ非感受性グリシン受容体

類題3
Gqタンパク共役型受容体(IP3/DG)を活性化させる受容体はどれか
1 β1受容体
2 D2受容体
3 オピオイドμ受容体
4 アセチルコリンM2受容体
5 ヒスタミンH1受容体

 難しめの選択肢もいれてますが、ヒスタミンの選択肢を選べていればOKです。μ受容体はGiと共役しています。β受容体はGsタンパク共役型、D2はGi、M2もGiです。基本的に2がつくものはGiが多いですが、Giじゃないものは(5−HT2、TXA2)→Gq、(H2,V2,PGI2)→Gsです


問 152 副交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選 べ。
1 ピロカルピンは、アセチルコリン M3 受容体を刺激して瞳孔散大筋を収縮させ る。
2 アンベノニウムは、コリンエステラーゼを不可逆的に阻害して重症筋無力症を 改善する。
3 チオトロピウムは、アセチルコリン M3 受容体を遮断して気管支平滑筋を弛緩 させる。
4 トロピカミドは、アセチルコリン M3 受容体を刺激して毛様体筋を収縮させる。
5 オキシブチニンは、アセチルコリン M3 受容体を遮断して排尿筋を弛緩させる。


ピロカルピンのM3刺激によって瞳孔括約筋を収縮させる
 瞳孔散大筋はα1受容体 
不可逆的に阻害するのはサリンや〜チオンの話。それ以外は可逆的
 気管支平滑筋の受容体を問われている。トロピウムは抗コリンということから回答を導く。 
 コリン作動薬→瞳孔括約筋収縮→毛様体筋突出→レンズが厚くなる→近視性調節麻痺+隅角が惹かれて開く→房水流出→眼圧低下
 抗コリン薬→毛様体後退→レンズ薄くなる→遠視性調節麻痺+シュレム管閉じる→房水溜まる→眼圧上昇
 わかりにくかったら、縮瞳したらレンズの密度が高まるから近視性っていうイメージでいきましょう
 排尿筋と括約筋の覚え方 
まず、排尿筋(M3,β2、β3)はひょうたんを逆さまにして上のふくらみだと考えます。括約筋(M3)は出口を締める輪ゴムをイメージします。
 このとき、排尿するためには輪ゴム(括約筋)は緩まないといけません。また、圧力をかけるためにひょうたんのふくらみは圧力をかけるために締める(手でにぎるイメージ)必要があります。
 ということで、排尿を促進するためには排尿筋は収縮しないといけないし、膀胱括約筋は緩まないといけないわけです。
 オキシブチニンは抗コリン薬なので、排尿筋は弛緩、膀胱括約筋は収縮というわけです。

 

類題
副交感神経系
1アセチルコリンはムスカリン性アセチルコリンM3受容体を刺激して血管内皮細胞におけるNOの産生により血管を弛緩させる
2ベタネコールの作用は一過性である
3カルバコールは副腎髄質からアドレナリンを遊離させる
4ピレンゼピンは、壁細胞のM3受容体を選択的に遮断して胃酸分泌を抑制する
5ピペリドレートはニコチン性アセチルコリン受容体を遮断して作用を発現する
6アセチルコリンは、M3受容体を刺激し、腸管平滑筋を弛緩させる
7ピペリドレートは、ムスカリン性アセチルコリンM3受容体を選択的に遮断する。
8オキシブチニンは、アセチルコリンM3受容体を遮断して、膀胱平滑筋収縮を抑制する
9トロピカミドは、アセチルコリンM3受容体を刺激して、瞳孔括約筋を収縮させる
10 シクロペントラートはアセチルコリンM3受容体を遮断して、瞳孔括約筋と毛様体筋を弛緩させる
11 ジスチグミンは、シュレム管を開放して眼房水を流出させる
12

1○
2コリンエステラーゼの作用を受けにくいため、ベタネコールの作用は持続性
3○ 節後線維に存在するニコチン性アセチルコリン受容体(副腎髄質が節後線維として直接つながっているような状態となっている)はアセチルコリンの刺激を受けると、アドレナリン・ノルアドレナリンを放出する。
(交感神経の節前線維はアセチルコリンを放出する)節後線維については直接つながっている副腎髄質(アドレナリン・ノルアドレナリンを放出)、汗腺の節後線維は例外で、節後線維もアセチルコリンを放出、末梢の節後線維はアドレナリン作動性で、ノルアドレナリンを放出します。(このノルアドレナリンが抹消のαやβで効果発現)
4○
5ピペリドレートはムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断し、切迫流産の防止などに使用される
6☓ アセチルコリンはM3刺激により腸管平滑筋を収縮させる
7☓ピペリドレートはムスカリン受容体を非選択的に遮断する。
8○
9☓ トロピカミドは抗コリン薬。瞳孔括約筋のM3受容体を遮断して、瞳孔括約筋を弛緩させて散瞳させる。
10○
11○ (あとで色々と紛らわしいので、コリンエステラーゼ阻害薬は房水流出促進と暗記してください。後悔はしないです。)

正誤問題
1自律神経節前線維は、すべてコリン作動性でありアセチルコリンを遊離する。
2自律神経節を遮断すると、頻脈が起こる
3グアネチジンは神経終末へのNAdの再取り込みを阻害する。
4ヘキサメトニウムは自律神経節後神経のニコチン性アセチルコリン受容体に作用して節遮断を起こす。

1○
2○ 節遮断薬については、交感神経が優位支配しているもの→血管と汗腺のみで、その他は副交感神経が優位です。それを覚えていれば解けます。
3✖️ レセルピンの記述。 グアネチジンはアミントランスポーターを介して神経終末に取り込まれることによりアミン顆粒内のNAd枯渇+膜安定化作用によりNAd遊離抑制作用を示す。

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