2015夏ドラマ:「ナポレオンの村」

もちろんドラマなんてーのは、ご都合主義で話が展開していって、偶然に主人公は会いたい人に会えるし、困ったときには誰かがなぜか助けてくれる、どんなにひどい目に遭っても、なんとか切り抜けて、応援してくれる人がいたり、ラッキーな出来事が起きたりする。
いや、いいんですよ。話が展開する上で、必要であればいいんです。フィクションなんですから。

しかしだ、今回のこの「ナポレオンの村」、ちょっとこれはあまりにもずさんじゃないの? 「ドラマだから」と片付けていられない部分が多々見られて、なんだかなあ……って感じが残る。
まず、赴任してきた浅井が村に家を借りて住もうとする。リフォームに村の青年団がかり出されていたようだが、はじめ見た家は外観からしてぼろぼろであったのに、あんな短期間で美しくリフォームされている。室内には立派なシステムキッチンがあったりして……そんな短期間でできるもんなの? どういう魔法? 浅井は魔法使いだったの?
さらには、つくったランタンを倉庫にしまっておく、その倉庫はいかにも青年団が使っていそうな簡素な建物、周りは田んぼ。なのに倉庫にはスプリンクラーが設置されている。えええええ? そんなに大事なものがしまわれる場所なの? しかも火の気がなさそうな場所なのに、スプリンクラー??? 村の消防団はよっぽど神経質に火事が怖いのかしら?
そして、ぬれたランタンを一同総出で乾かす……うーん……そんなに簡単なものなのかね。千個だよ? あんな扇風機程度で乾くもんなの?

まあね、こうやってあら探しをしてはイケナイとは思う。何も考えずに楽しめばいいんじゃないって…………思うかいっ! 
不自然に不自然を重ねると、どうしても入り込めないものじゃないの。いくらご都合主義とはいえ、現実からあまりにもかけ離れると、もう茶の間の世界との地続き感はなくなり、一線を引いたものとして眺めてしまうんじゃないかしらん。

せっかくのスカイランタンのシーンも、どうせなら頑張ってもっとウツクシク見せればよかったんじゃない。CGで処理するのが悪いとは言わないけれど、せっかくの初回の見せ所なんだから、もうちょっと本物をばんばん飛ばして、カメラワーク駆使して見せてくれたらよかったんじゃないかなあ。予算なかったの? うーん……それは残念。

と、まあ残念感がてんこ盛りの初回でありましたが、お話の内容は日曜の夜に家族で見る話にふさわしい内容だと思う。熱血公務員のサクセスストーリー、いいじゃないですか。行政に不信感だけがあるこの時代にそういうファンタジーをどんどん見せてほしいですよ。
唐沢さんのぎょろ目も、山本耕史のハレーション起こしそうな色白も、麻生久美子のスクリーム顔も、小ぎれいな村の住人、農業なんてやったことないだろう君たちのその手は……ってな感じの俳優さんたちも、どんどん「田舎」ってこんなものという間違ったイメージを茶の間に届けていただきたいと思っております。

いや、好きですよ。こういうドラマ。

悪口? 違いますよぅ。楽しみにしてるんですからー!


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