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あなたへの返事

株式会社K K様

結果のご連絡、ありがとうございました。
最後なので、長くなりますが、今の思いだけ書かせてください。


今まで、私一人のためにたくさんの時間を割いていただきありがとうございました。
就職活動を通して、ここまで向き合ってくださる方はKさん一人だけでした。そんな人に出会えた感謝しか、今の私にはありません。


就活を始めて最初に恐かったのは、就活の周りにあるビジネスの大きさでした。人材紹介会社には一人あたり60〜80万が入ることを知った時のショック、学生のことをほとんど考えていないとしか思えないような人材紹介会社のスタッフへのかなしさ、社員のことを考えているのか疑問に思ってしまうような態度の社長への不信感、初めのうちきつくてすぐ足が痛くなってしまっていたパンプスが緩くなっていくに従って、私は自分も周りも疑うようになっていってしまいました。
だからこそ、嘘をつかないことでせめて自分だけは自分を好きでいられるように守りに入ったのだと、今なら理解できます。


「覚悟」の意味を、この10日ほどずっと考えてきました。それを私が持てるのか、そしてそれは何なのか、考えてきました。
私にとって「覚悟」とは瞬間的なものではありません。だから、2回目の説明会で問われた時、すぐにお返事が出来なかったのだと思います。
自分にどれだけ値がつくのか、そんな価値が私にあるか、そこに怯えてしまったからです。これが私の就職活動を始めて感じた2つ目の恐さです。
ただ、最初の説明会から選考が始まっていたことを知っていたとしたら、初めから3人目が存在する可能性があったことを知っていたとしたら、仰っていた「覚悟」が2ヶ月以上前から存在していたことを知っていたとしたら、あのメッセージのやり取りさえ選考の一部だったと知っていたとしたら、おそらく私はイエスを返せていたのではないかと思います。
けれどあの時は、簡単に言いたくなかったです。
他の企業に対して考えていないことを考えたのは、時間を掛けて私と向き合ってくださる人に半端な気持ちで向き合ってはいけないと思ったからです。「覚悟」が釣り合っていないのは、私にとってどうしても許せないことでした。
私にとって「迷い」は簡単に捨てられても、例えば降りてきた瞬間に他のすべてを捨てられても、「覚悟」は自分に根を張って、育つことを待たなくてはならないものでした。


そして、「厳しい内容のメッセージ」と仰っていましたが、一つだけ否定させてください。
私は、厳しさだったり怒りだったりは、愛だと思っています。私はどうでもいい人に対して、厳しくすることも怒ることもありません。エネルギーがいるからです。反対に優しくすることはエネルギーはあまり要らないと思っていて、だからこそ私は厳しさに対して感謝を持つようにしてきました。
その意味で、最近特に怒ることがないのは、どうでもいいと思っている部分が大きいのだと思っています。その分、かなしい、という感情はどこまでも一人で完結できてとても楽です。
そして話を戻すと、あのメッセージは私にとって、3回読んだ時にはラブレターに読めた、そんなものでした。


今回の結果に対して、ショックも後悔もありません。私にとってもより良い結果なのだろうと思います。
私はあの場でも自分を貫けて、やっぱり嘘は口にしませんでした。それ故の結果であれば、私は何だって受け入れるだけの覚悟はできていました。
何よりも、理由もきちんと告げていただいたことに対しては、感謝しかありません。
即断即決を信条としている方が、明日結果を通知する、と言われた時点で結果は分かったと思いました。否、それよりももっと前、選考内容を決めていないと言われた時に、ここに落とされに来たのだと思えました。
でも、それで良いと思えたのです。そうでなければ私は諦めきれなかったと思います。そこまで好きと思える会社に出会ったことだけで私はとても幸運で、やっぱり幸せとしか思えません。


末筆ながら、貴社のますますのご発展と、皆様のご健康ご多幸をお祈りしております。
今まで、本当にありがとうございました。



ちゅるゆーか