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22'チャンピオンズC/各馬考察③ジュンライトボルト

★基本データ+血統★

★ラップ&バイアス★

★脚質★

★総合評価★

ダートに転向して順調に好成績を収めていくことに成功。
前走はダート3戦目にして重賞のシリウスSをも制した。勢いそのままにGⅠの舞台でも弾けるか。

まずは前走のシリウスSについて。
馬場コンディションは、良表記の標準馬場。パサパサダートではなく若干時計の出やすい高速寄りの馬場ではあった。
前半は「7.1-11.3-11.3-13.1-12.3」。スタートはやや下り坂なので序盤は勢いがつきやすい。勢いをつけたまま坂を上り切っていて1角でもかなり速いペースで入っている。スピードロスが大きく生まれやすいペースなので外を回した馬、特に先行外回しの馬にとっては大きなロスがあっただろう。ジュンライトボルトは前半の立ち回りがかなり上手くいっている。というのもスタートしてからすぐに内に切り込まずに内ラチから少し離れたところを走っている。そして1角に入ると同時にインを突いた形。こうすることでコーナリング性能にパワーを割かなくて良くなるので非常にスムーズにコーナーを回ることが出来る。距離ロスに加えて、コーナリングによるスピードロスも最小限に抑えることが出来る好騎乗と言って良い。最初から内に切り込んでしまうと内を立ち回れる確率は高くなるが、コーナリング性能にパワーを分散しなければいけないからね。
後半は「11.9-12.5-12.6-12.2-13.3」。3角地点が結構速いのでここでも内外のポジショニング差は結構響いてくる。ここでもジュンライトボルトはしっかりと内を立ち回っているし、前半後半ともに完璧な立ち回りだったと思う。4角~直線に入るところは外を回しているが、ここではすでにペースが落ち切っているし、4角~直線で外に振られるのはそこまでスピードロスにならないからね。
このレースは序盤がかなり速いペースで基礎スピードが高く求められているし、後半の最速地点がL5地点と仕掛けも厳しい。先行馬にとってはかなり厳しいレースと言えるし、1角と3角地点での立ち回りが重要だったことを考えると外を回した馬にとっては全体的に厳しいレースだったということになる。レースタイプとしては基礎スピード型の有酸素運動がキツく求められた一戦と見るべきだろう。

2走前のBSN賞について。
馬場コンディションは、稍重表記の標準馬場。水分の含んだダートではあったが時計は出にくい馬場だった。
前半は「12.7-10.6-12.1-12.8」。序盤は大外枠のアメリカンシードがハナを主張する形になってペースはかなり速く、基礎スピード特化戦というレベルになった。1角地点(3F地点)ではペースが落ち着いたので、前半のコーナー部分によるスピードロスは内外でそこまで影響はなかっただろう。ジュンライトボルトは内から2頭目を回しており距離ロスに関しては小さめで立ち回りとしては悪くない。
後半は「12.5-13.0-12.9-12.5」。序盤のハイペースにより後半は消耗戦に近い。ゆえに3角~4角地点のペースも遅く、コーナーのスピードロスも内外による影響は小さい。ジュンライトボルトは3角に入る前に大外をぶん回す用意をしているが、コーナーでペースが遅くなるのがわかればこの手は全然悪くない。むしろ内を取って下がって来た馬に対して詰まってブレーキを掛ける方が悪手になりやすいからね。
レースタイプとしては基礎スピード特化型の有酸素運動がキツく求められた一戦と見るべきだろう。
ちなみに前述しているシリウスSと今回のBSN賞の立ち回りは全く違うが、展開にフィットさせている石川騎手の好騎乗は素晴らしいの一言に尽きる。

今回のチャンピオンズCについて。
考察したレースはいずれも「基礎スピードが高く求められ、有酸素運動がキツく求められている」展開の中で好位から抜け出す競馬。チャンピオンズCでこのレースタイプになっていくかどうか、というのがポイントになってくるわけだが。チャンピオンズCはどちらかと言えばスローからのロングスパート戦になりやすい。上りに35秒台~36秒台前半の脚が求められるような後半型の競馬になってきた時に、ジュンライトボルトの良さが出るかどうかは未知数。上位人気を背負うことを考えると強気で重い印を打てる馬ではないかな…というのが第一感。
ただし1角での立ち回りが重要な中京ダート1800mコースなので、1角で内を立ち回れる枠順になれば怖さは出てくるだろう。好位のポジションを取ってくるタイプというのも、脚質的にはフィットしそうだしね。


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