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「女の子=ピンク」という幼少期の違和感をふりかえる

今日ふりかえりたいのは、小学生のときに使っていた絵の具ケースをめぐる思い出。


先生「じゃあ、今から注文用紙を配りますね。家に帰って、親御さんと絵の具ケースの色を選んで、用紙に書いて持ってきてください。」

注文用紙にカタログなどはついておらず、その絵の具ケースがどんな色で、どんな柄をしているかなどの詳細は分からなかった。
わかっているのは、色の選択肢として「ピンク」と「青」があることのみ。

当時、わたしは「水色」が好きだった。
でも「水色」という選択肢はない。
それならば、「青」にしよう。

至ってシンプルな選択。
自分がピンクを選ばなかったことに対して、特別なにか思うこともなかった。

注文した絵の具セットが届いた日ーー
包装を解いて少し驚いた。
その絵の具ケースは、青色をベースにしており、野球ボールやバスケットボールなどスポーツに関わるイラストがたくさん描かれているものだったからだ。


図工の授業で絵の具を勉強する日の朝ーー
絵の具セットを手に持って登校した。
クラスの女の子たちが持ってきていたものはピンク色をベースとし、虹やハートなどの柄が描かれていた。

わたしが受け取った絵の具ケースとは大きく違う…。
その時にはじめて気づいた。

「もしかしてわたしが注文した絵の具ケースは、男の子用なのでは…」

クラスを見渡すと、わたしの他にもう一人だけ青色をベースとした絵の具ケースを持ってきていた女の子(以下、あかりちゃん(仮称))がいた。
でも、他の女の子たちは見事に全員がピンクのもの、そして男の子たちも全員が青色のものを持っていた。

「ピンク=女の子用」で、「青色=男の子用」だなんて説明書きは、注文用紙にはなかったはず。
それとも、当時の常識だったのだろうか。正直わからない。

当時のわたしは、周りと違うことが少し恥ずかしいと思った。
でも、同時に嬉しい気持ちもあった。
あかりちゃんと「女の子だからってピンクを選ぶ必要はないよね」と、想いを共有することができたのだ。


あかりちゃんがいなければ、もしかしたら恥ずかしい気持ちをずっと持ち続けていたかもしれない。
でも、違和感という学びを得ることができたこの経験は大きかったと思う。

女の子だから、この色じゃなきゃいけない。
男の子だから、あの色じゃなきゃいけない。

そんなことは、決してないと思う。
好きなものを選ぶという自分の選択を誇りに思ったり、他の人の選択を励ましたりできるような人でありたい。

自戒を込めて。


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