あの場所へ還る
先日12年ぶりに暗室でバライタを焼いたのですが、印画紙も引き伸ばし機も違うけど、フォーカススコープでピントを合わせたネガの粒子はちゃんと銀の粒々で、現像液の中で浮かび上がる像は画像じゃなくてちゃんと像で、なんだかもうよく分からないけど泣けてしまった。
8月末にアトリエを閉めてから早や2ヶ月が経とうとしています。
フーの看病に専念するためと思って決めた決断は七夕の朝に訪れたあの子との別れによって宙に浮いてしまいました。
それならばまた新しい場所でと思っていたのですが、そこで何をやりたいのかを考えるうちに少しずつ違和感が広がってくるのを感じ始めました。それは自分の「軸」がズレていたからなのだと思います。
いろいろ試行錯誤を続けてきたここ数年だけれど、答えは決まっていたのかもしれません。誰かの前に自分のため、新しい場所ではなくて私が私らしくいられる場所に還ろうと思います。
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