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体の関係から発展した恋人との関係は、彼の三股で終わりました 3-完-

怒涛の月曜日を過ごし、眠い目をこすりながら出社。比較的余裕ある週のはずでしたが、突然仕事が舞い込んできて忙しい火・水曜を過ごしていました。

火曜の夜、帰り道にInstagramを見ていたら、彼がストーリーズをあげていました。

King & Princeの広告看板を写して、シンデレラガールの音楽設定。ネタにしてる?

翌日にも、看板が剥がされている工事の様子を映像でアップしていました。ネタに昇華するスピードとその神経よ。


水曜夜は、会社の仲良い人たちで飲みにいったので、月曜に別れた話をネタに盛り上がりました。さすがTinder、三股はえぐい、推しって何さ、とか。私だけが一応、LINEのトーク画面でピン留めされていたという話をすると「本当に一番推しだったんじゃんww よかったねw」と爆笑で慰められました。


そんなこんなで過ごしていると、木曜の朝、彼から会いたいとメッセージが。まあ確かに、即日即決で突き放してしまったし、ちゃんと考えたり謝るチャンスを与えなかったのは可哀想だったかな、と教師か牧師のような気持ちが溢れてきたので、1度だけ会って話すことにしました。


そしてその日の夜。公園で会いました。
結構、風が吹いていて肌寒い。

しょんぼり風の彼は、すっかり声が小さくて、最初は何ってるのかほぼ聞こえませんでした。野菜ジュースをちゅーちゅー飲みながら彼の話に耳を傾けてました。

『謝って許されることはないと思うんだけど、本当にごめん』
「うん別に怒ってないしいいよ」
『傷つけてごめんなさい』
「だからいいって」

『ご飯だけでもまたいけない?だめ?』
「メリットないしなあ」
『一緒に行きたいところたくさんまだある』
「うーん、微妙なところ」
『ご飯友達にはなれない?また話すチャンスが欲しい』
「もう付き合うようなことは絶対ないよ?」
『うん』
「本当にフラットな友達として、ってことでいいの?」
『最初はそれでもいい』
「うーん」

と会話をしていて、ご飯友達としての便利な彼の存在にまた少し心が揺れてしまう私。ただ不毛な時間であることはわかり切っているので今後継続的にご飯友達になるのはなしだな、と思いつつ、いったんどんだけ遊んでたのかとか、私がこれまで思っていたこととかゆっくり話したいとは思いました。あと、あまりに公園だと肌寒かったのでそのまま話すのも辛かったので「じゃあ、今からならいいよ」と、そのままご飯に行くことを提案しました。

ご飯屋にて、根掘り葉掘りききました。会話のダイジェストとしてはこんな感じ。

「ほんで詳しく教えてもらおうじゃないか」
『傷つけちゃうから言えないよ』
「傷つかんから大丈夫。いつから遊んでたんや」
『お花見しようとして喧嘩した日に帰ってから、Tinder入れた』
「ほうほうほんで?」
『うん…それでマッチした子と遊んでた』
「アルファベットの名前の女ね、iyoやっけ?」
『いや、yuki』
「その子が吉祥寺の女?」
『いや三宿』
「ほー、近所やから家に行ったり来たりしていたと」
『行ってはない』
「呼んでたと」
『いや…むりだよ、傷つけちゃうから話せない』
「大丈夫、猫のアイコンの女は最近よね、蒲田なん?」
『いやごめん、日曜、蒲田で飲んだっていうのは嘘。吉祥寺で飲んでた』
「あーなるほど、猫が吉祥寺か。てか先週も明らかに1日じゃ回れない量の吉祥寺・三鷹の店をインスタにあげてたよね。三鷹の誰かの家に泊まってるやろって思ってた。ほんで昨日も泊まったと」
『日曜、ネトフリ見よーよって言われた時、猫の子の約束断ろうかと思ったんだよ、でももうそのとき吉祥寺にいて。罪悪感あった』
「罪悪感あるのに、家に泊まって女とヤってたら何も言われへんやろ」
『ヤッてないもん!』
「泊まったのに?」
『できなかったの!』
「あー、だから月曜は、私の家に行きたいって連絡してきたのね」
『違う!それは関係ない!ヤりたいから行ったんじゃない…!会いたかったからだよ』
「どうだか」
『これだけは言っとくけど、本当にむちゃんが一番だったんだよ』
「ふーん」

みたいな感じ。まあ、だいたいは想定内。彼にも伝えましたが、やっぱり人間って想定外のことが起きないと心は動かないんですね。例えば、絶対に浮気しないと思ってた人が浮気したらショックで動揺するし、浮気しそうだと疑ってた人が本当はすごく一途だったら好きになるし、自分の期待をいい意味でも悪い意味でも裏切らないと心は動かないんだと思いました。彼の行動は想定内でしかなくて、悲しい気持ちにもあまり襲われませんでした。



まあただ、私の過去の恋愛について初めて話したり、彼の過去の暗黒時代の話を聞いたり、最後のご飯の時間は、彼と付き合ってたときよりもお互いのことを話し、なんだかんだいい時間だったと思います。


彼は、割とありきたりなセリフを無表情で言う特性があるのですが、今回も何個かありきたり名言を言っていました。

『この2日間は本当に生きた心地がしなかった』
『大切なものって失ってから気づくんだね』

とか、どこの安いドラマだよというセリフを発していました。そういう単純で素直でちょっとバカっぽいところは好きだったな。


振り返ると、デートらしいデートは皆無だったけど、4月から新しい部署に移って忙しい日々を過ごしている中、呼べば会いにきてくれた彼の存在はなんだかんだありがたかったと思います。恋人感はなかったけど、すぐそばに誰かがいるというその事実が、心の安定剤にはなってたかも。


ということで、彼との最後のエピソードは、私の中でいい感じにエンディングを迎えそうでしたが、次の日、彼は、Instagramに吉祥寺のラーメン屋の写真を平気であげていたので、最後の最後まで相手のことを考えられないくそ野郎でした!!!


おわり。



ちなみにキンプリのInstagramの投稿は、ネタにしていたわけではなく、私への反省のメッセージだったそうです🙄

ほんとうのおわり。

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