週一回は出したいシリーズ:「聖王 終わりの移民」11-1
【前書き】
皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。
連載漫画に考えていた企画を、今「小説家になろう」の掲載中です。
面白いと思っていただけたら、そちらも読んで頂けると嬉しいです。
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少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。
【聖王 終わりの移民】11-1
「町村ツカサ①」
作:カナモノユウキ
《登場人物》
・高瀬タケル(20)大学に通うヤマトの親友、自分勝手なところもある。
・町村ツカサ(32)聖王のプレイヤー、クリア回数5回。
聖王 終わりの移民
《町村ツカサ①》
鳥はいい、人間みたいに傲慢じゃない。ただ必死に生きて居る。
生き物としての信頼と情を育めば、それだけ俺なんか見たいなクズにも親身になる。
〝鷹匠〟の家系に生まれなきゃ、今頃そんな事も思わず…もっとクズになってたんだろうな。
俺が今、這い蹲って生きてんのは、リアルの世界での相棒…〝天〟と…〝アイツ〟のお陰だった。
――「今、変なこと言ってましたよね?」
「…あぁ、そうか?〝リタイアして人生のニューステージ〟って意味だろうが。」
「………ツカサさん、何か隠してませんか?」
「あ?気のせいだろ。」やっぱり、バレたか?いや…これは、そもそもの話か。
「お前、何か言いたいことでもあるのか?」
「僕が聞いているんです…答えてください。」
「俺は〝リタイア希望〟だ、それ以外にある訳ないだろ。」
「……なら、何でケイさんを撃ったんですか?」…そこから居たのか、気配消すの上手くなってんな。
「リスポーン持ちだろ、それに見たろ?あの魔女っ娘…あの猫ちゃんは足手まといだからな。」
「だからって撃たなくても…。」
「言ったろ!…邪魔になるなら容赦はしないと…。」
「僕はリスポーンの話をしていない、つまり知らずに撃ったってことだ…今のツカサさんは、信用できない。」
「フッ…だろうな。はぁ…人間そうなったらな…もう無理なんだよな。」
疑われたら人間の信頼関係はそこで終了、女も男も…そこで言い訳するにしても、疑いを晴らすにしても。
上下が自然と人間関係としてついちまう…つまり、コイツとの関係はおしまいだ。
だが、まだ…分身のリキャストまで時間があるしな。
「じゃあこっちの質問だ、お前は今何が一番気になってるんだ。言ってみろ。」
「……ツカサさんは、〝何を〟知っているんですか?」
「このゲームの本来の役割さ、このゲームは出来損ないだからな。」
「出来損ない?どういうことですか?」
「本当、お前は質問が多いな…答えるのは一つまでだ。それに、お前の目的とは関係ないだろ?」
「……確かにそうですけど。」
「タケル、お前は知らない方がイイ。」
こんな事実、全プレイヤーが知れば…目的が変わっちまう。
「何ですかそれ、利用だけして…この後僕を殺す気ですか?」
「……そうだな。」
何の感傷も無いと言えば…まぁ嘘だ。それに、こいつには不思議と情が湧いた。
それは最初に色々話した時に感じた…俺はコイツに何かを感じている。これは…自分に。
いや、〝アイツ〟に似てるんだった。それは最初に出会った時に感じた。
死んだアイツにそっくりなんだよな…タケルは、俺の親友だった〝松山コウ〟に。
「まだ…分身のリキャストまで時間があるでしょ。まだ話しましょうよ。」
コイツ…そうか、他人のステータスを見れるようになったのか。
「流石勇者だな、【アラヤ】の引きもいいみたいだな。」
「……なんで、僕のことを利用しようと?」
「分かるだろ?このゲームは最初、〝仲間を作る〟ことがカギとなる。交渉材料が偏りがちだがな。」
「…〝リタイア〟はブラフで間違いないんですね?」
「分かるだろ?あんなもん、ブラフもブラフ…目的何てあの場で喋るかよ。お前じゃあるまいし。」
「……くっ。…そしたら、親友への想いは…アレも僕を信用させるためのブラフですか?」
「そうだよ、俺に…〝親友なんて居ない〟からな。」
もう友情に振り回されるくらいなら、居ないことにした方が楽だなこりゃ。
「そうですか…じゃあ最後に、それを踏まえてもう一度聞きます。〝ニューゲーム〟って何ですか?」
「…知ってどうする、目的変わってくるぞ?」
「聞かなきゃわからないし、僕を騙してまでやろうとしたことは…知りたいと思うでしょう。」
「確かにな…。」
分身のリキャスト終了、一気に出すか。俺の分身は四体、残りは〈天〉を。
「リキャスト…一対八の戦力差、どう考えても分が悪いんじゃないのか?」
「……それはもう、〝経験済み〟です。」
…気迫が変わった?こいつ、初見プレイヤーだよな?
もう中堅ぐらいの殺気だしてくるじゃん…若者の成長は恐ろしいね全く。
だが、優位性は変わらんだろうさ…それにこっちは飛び道具だらけだぜ?
「……補助…〈ブースト2〉。」
……おい、え?タケル消えた?
「マズい!〈分身解除〉!」解除すればリキャストは一分で終わる…しかしこれは想像以上だな。
一体、倒されそうになってやがった…いつのまに後ろ取ってやがった?
「…流石、〝クリア経験あり〟の21人倒した人ですね。」
「褒めるにはこっちの方だぜタケル、良く成長したな。」
「今はもう、嬉しくもなんともないです。」
「…じゃあ、ご褒美に俺に勝ったら…何でも教えてやるよ。」
続く
【あとがき】
最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。
元々は漫画のネタなので、何だか説明が足りないなと感じつつも。
荒っぽくても楽しんでもらえるようにと。
頭を雑巾のごとく振り絞って書いてますm(__)m
完走まで頑張るので、応援して下さると嬉しいですm(__)m
何卒、宜しくお願い致します。
※面白いと思っていただけたら、こちらから続きが読めます。
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では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。
カナモノユウキ
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