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週一回は出したいシリーズ:「聖王 終わりの移民」10-3

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

連載漫画に考えていた企画を、今「小説家になろう」の掲載中です。
面白いと思っていただけたら、そちらも読んで頂けると嬉しいです。
https://ncode.syosetu.com/n2644iw/

少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。


【聖王 終わりの移民】10-3
「真月アカネ③」

作:カナモノユウキ


《登場人物》
・高瀬タケル(20)大学に通うヤマトの親友、自分勝手なところもある。
・音來未ケイ(21)ゲーム初参加者、愛知出身。
・真月アカネ(37)クリア経験四回、高知出身。

聖王 終わりの移民

《真月アカネ③》

――『アカネのために、アカネの敵をやっつけたよ!』

その声…プリティアアンジュ7のアカネだよね?…え?幻聴?『違うよ、アナタの味方〝アカネ〟だよ。』

嘘…だって〝アカネ〟はアニメのキャラクターで…。『アカネの声が私に届いたんだよ!』

そんな事、本当にあるの?『本当だよ、ほら…証拠は目の前にあるじゃない!』

「え?…コイツ…。」『アカネを襲った敵は私が〝倒した〟から。もう心配いらないよ!』

「これ…〝アカネ〟がやったの?」『そうだよ、こんなクソ怪人楽勝だったよ!』

顔が分からない、これ…夕飯で使ったフォーク?…眼球に刺さったまんまだ。…あ、コイツ死んでる。

『ママ怪人もクソ怪人もこれで居なくなったよ!これでアカネは自由なんだから!』

…吐しゃ物が止まらなかった、人の死体を初めて見たからか…〝自分がどうなるか怖かった〟からか。

でも、分かる。今自分は…笑ってるんだ。




――〘三条館半壊直後〙あのおじさん…死んだかな。

「大丈夫、あのおじさんは死んだよ。瓦礫の下敷きになったんだから。」「…そうだよね。」

アカネの中の〝アカネ〟は、〈ドッペルゲンガー〉を使うとそちらの肉体に移る。

この時だけ、〝アカネたち〟は自由になれる。…このゲームの時間だけは。

「念の為、この辺一帯を魔法で焼いちゃう?」「それいいね〝アカネ〟…っ!?」

音もなく…弓矢が…〝アカネ〟が!「あ…ドジっちゃった…か……な。」

「〝アカネえええええええええええええええええ!〟」



――「油断すんなよ。〝ガキども〟。」

レア武器〈ウィリアム・テル〉効果:絶対貫通、但し一度のゲームで三発のみ使用可能。

俺の奥の手…、この場所を倒壊させてくれて助かった。身を隠せて更に、使うとこは見られない。

殺してくださいと言ってるようなもんだ…片足を負傷と分身がやられて〈天〉が二羽残っただけになっちまったが。

あの小娘も、今は一人。リキャストされる前に…殺す。「よくも〝アカネ〟を!」

「その焦り方…リキャストは出来ないみてーだな、もう一人だな。どうする?逃げるか?」

「逃げる訳ない!逃げる訳ない!逃げる訳ない!逃げる訳ない!逃げる訳ない!!」

「ギャーギャーうるせえよガキが。」もう、ガード出来る冷静さも無いだろう。

ロビンフッドの連射、それ即ち…回避不可能の銃弾の雨。

「終いだ、魔法少女もどき。」




――〝アカネ〟は、攻撃よりも、防御に長けていた。

だから、〝アカネ〟の防御魔法〈インビシブルプロテクト〉が無いとアカネは…紙装甲なんだよ。

「があああああああっ!」銃弾が身体を貫く…ああ、これで終わりか。

呆気ないね〝アカネ〟…こんなおじさんに負ける何てさ…。






――「これから、どうしよう…。」

『決まってるじゃん、二人で生きていくんだよ。』

「どうやって?ママも…新しいパパも居なくなっちゃったのに?」

『何言ってるの?アカネは…いつも一人きりだったよ。それは、今も昔も…変わってないじゃん。』

「……。」言葉が出ないよ〝アカネ〟。

『でももう大丈夫、〝アカネ〟がずっと傍に居るから。…あとは任せて。』

…また気付くと、部屋は元通り、ママも新しいパパも、居なくなっていた。

『ママも新しいパパもお金沢山持ってたから、これで二人で逃げよう!』

…〝アカネ〟が現れてから、何だか意識を失うことが多くなった…きっと〝アカネ〟が何かしてくれてるんだ。

「いつもありがとう、〝アカネ〟…本当にありがとう。」『何言ってるの、〝アカネ〟は…アカネ何だから。』

…ゲームで三回勝った、一回目に造ったのは…身代わり。ママたちを殺した罪を被ってくれる身代わり。

二回目は、資金源。アカネたちの、資金源になってくれる人間。三回目は…〝パス〟した。

だって…アカネたちは〝新しいステージ〟に行って…。でももう、無理だ。

折角ここまで頑張ったのに、折角新しい世界が待ってたのに。


…嫌だよ。嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ!

こんなとこで…〝アカネ〟との生活が終わっちゃう!


「ぐうっ…。」あぁ…魔法のステッキ…無い…、というより…手が無いよ…〝アカネ〟。

ああああああああああああああ!…こんなの、あのママたちと同じミンチじゃん。

〝アカネ〟…先に逝かないでよ…。




――「〝アカネ〟…ずっと傍に…………。」

しぶとく何かしてくると思ったが…、終わったな。

「邪魔者は消えた…、〝ニューステージ〟は俺が行かせてもらうぜ。」

「………ツカサさん。」

「…よお、タケルか。」

なんで、独り言何か言っちゃうかな…俺。



続く


【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

元々は漫画のネタなので、何だか説明が足りないなと感じつつも。
荒っぽくても楽しんでもらえるようにと。

頭を雑巾のごとく振り絞って書いてますm(__)m

完走まで頑張るので、応援して下さると嬉しいですm(__)m
何卒、宜しくお願い致します。

※面白いと思っていただけたら、こちらから続きが読めます。
https://ncode.syosetu.com/n2644iw/

では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


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