週一回は出したいシリーズ:「聖王 終わりの移民」10-2
【前書き】
皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。
連載漫画に考えていた企画を、今「小説家になろう」の掲載中です。
面白いと思っていただけたら、そちらも読んで頂けると嬉しいです。
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少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。
【聖王 終わりの移民】10-2
「真月アカネ②」
作:カナモノユウキ
《登場人物》
・高瀬タケル(20)大学に通うヤマトの親友、自分勝手なところもある。
・音來未ケイ(21)ゲーム初参加者、愛知出身。
・真月アカネ(37)クリア経験四回、高知出身。
聖王 終わりの移民
《真月アカネ②》
――学校ではトイレが居場所だった。いじめという状況から逃げるには…最低だったけど。
仕方ない、みんな〝ここに居ろ〟って言うんだから。…担任も副担任の先生だってそう。
平気でアカネのことを〝居なくていいぞ〟って言ってくる…帰宅したら状況はもっと悪い。
ママは〝金食い虫〟ってアカネのことを嫌ってる、新しいパパは…ずっと目線が気持ち悪い。
そんな気分の晴れないアカネの拠り所は、本当のパパが買ってくれたプリティアンジュ7のDVDボックス。
それを毎日見て、この汚い現実を、〝アカネ〟の様に変えられる力が欲しいと…切望してた。
――「そのキャラ、どっかで見たことあると思ったら、プリティアアンジュ7のアカネか。」
「おじさん…知ってるんだ、もしかしてオタク?」
「いいや…娘が居たんだ。そいつが好きだったアニメ…さぁ!」雑談できる余裕の隙はデカい。
一瞬の反応の遅れが命取りとなる場合もあるんだよね!「天!〈イーグルアサルト!〉」
250㎞の速さで突進攻撃、鳥類は軽いが、鋭いくちばしを先頭に相手を刺しに来る。
造化の面で強化されていても、当たり所が悪かろうが致命傷だ…コレで決まらなきゃ…どうするかな。
「ぐううっ!!」「アカネ!!!!」
…片割れが身を挺して守ったか。だが一人これで減ったか。
「アカネ、大丈夫?今回復するからね!」「ありがとう、アカネ。」…は?回復魔法持ち?
こいつら…チーターか何かか?…クソめんどいなマジで。まぁ、こっちもそんなに手数出してないけどな。
「このおじさん、ズルいね。もう口きいたらダメだね。」「うん、絶対悪い奴。」
「お前らだって同類だろう、人殺しだってわかって参加してんだから。」
「分かってるよ、でも…そこは大丈夫なんだから。」
やっぱり、こいつ〝サイドミッションの先〟を知っているか…ならここで必ず始末しないとな。
「次はこっちの番だからね!〈クリムゾンフラム!〉」血液?いや違う!赤い液体状の炎!?
「散開!」アレは恐らくマズい、ヘドロ状の液体が燃えている…アレが引っ付いたら…。
「ぐああああああああああああああああああ!」
ちっ…自分の分身が燃え盛る様ってのも嫌なもんだ…。
分身のリキャストが10分、敵は四体…こっちは小物が五羽に二体のスナイパー…五分五分?
いや、向こうは大技のデパートみたいなもんだしな、こっちが不利か…どうするか。
「どうしたの?おじさん逃げる?逃げても悪者は逃がさないから!」
「如何にも厨二的な発言だな!逃げる訳ないだろうが!ガキから逃げる大人がどこに居るよ!」
「なら!さっさと倒すからね!〈クリムゾンフラム!〉」
「〈ライジングフラッシュ!〉」
マジか、大技同時発射ってか!?「再び散開!」…よし、避けられた…か?
分身も無事…だが、天が二羽やられたか。ジワジワ削りやがって…。こっちも動くか。
「イーグルアサルト〉×3!」
「そんなの!」「効かねーんだろ?知ってるわ!」〈ロビンフッド〉の能力は優秀だ。
何処から撃っても〝認識した敵を貫通しようとする〟、つまり〝ホーミング弾〟と同じ。
今撃ち出した合計六発の銃弾が狙う先は…。
「キエエエエエエエエエエエ!」
「キエエエエエエエエエエエ!」
「グリタン!?」「グリリン!?」
いくら強靭な〈使い魔〉も生物、首元との脳天は弱い。
これで二体の御守りは消えた!次はこの魔法使いちゃんを攻略だ。
「どうする?御守りが居なくなって心細いか?」
「友達を傷付ける何て…おじさん大嫌い!」
「奇遇だな!俺もお前みたいな小娘が嫌いだ!」
――グリタンとグリリンのリキャストは一五分…もう一人のアカネは傷がまだ治り切ってないし。
…許さない、アカネを追い込む人は…誰一人許さない!こんなゲームでまで虐められるなんて!
「これでもくらえ!〈ノイズグランド〉×2!」「〈エアウォーク〉×2」
周囲の空間を全部揺らして…場所を崩す!
「お前!?バカかよぉおおおおおおおおおおあああああああああ!」
…三階建ての建物の半分が倒壊、おじさんは地下に落ちて行った…もうコレでおじさんは死んだはず。
アカネを虐める奴は、絶対に倒す…それで倒されるってことは…〝死ぬ〟ってことでしょ?
――「アカネ、何でここに居るの?」
「…アカネも、ご飯食べたいなって思って…それで。」
「アンタさ、あの人に色目使ってない?」
「…つかわないよ、そんなこと…。」
「何、そんなことって。え?私のことバカにしてるの?ねぇ?」
「ちがうよ!アカネはママが大好きだもん!絶対そんなことしない!」
「何言ってんの、いい子ぶってさ。サトルさんが死んだの…アンタのせいじゃん。」
「……。」「黙んなって!自分がやったことまだ認めないの!?」
「違う!アカネはやってない!やってないもん!」
「嘘ついてんじゃないよ!…アンタなんか、生まなきゃよかった。」
その後の記憶はよく覚えてないけど、ママが死んでいて。
アカネは、大嫌いな人に襲われている真っ最中だった。
続く
【あとがき】
最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。
元々は漫画のネタなので、何だか説明が足りないなと感じつつも。
荒っぽくても楽しんでもらえるようにと。
頭を雑巾のごとく振り絞って書いてますm(__)m
完走まで頑張るので、応援して下さると嬉しいですm(__)m
何卒、宜しくお願い致します。
※面白いと思っていただけたら、こちらから続きが読めます。
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では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。
カナモノユウキ
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