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コント:異名



【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

今後出す予定のコント台本です。

楽しんで頂けると幸いです。


【コント:異名】

作:カナモノユウキ


コント『ヒーローの前口上』

登場人物
 
家主:多分若い
〝ベットの下のワタナベ〟:おっさん
〝流し下のヨコスカ〟:残念な美人
〝押し入れのコミヤ〟:可愛い
〝便所掃除のオノデラ〟:グラサン
〝カーテン裏のヨシコ〟:メガネ
〝ストーカーのカナエ〟:姫カット黒髪ロング

帰宅する青年。

家主「ふわ~…疲れた。…飯作のめんどいな、何か頼むかなぁ~。」

荷物を置いてスマホを弄り始めようとした拍子に落としてしまう。

家主「あぁ!やっべ…うわァ…ベッドの下にスマホ落ちた…最悪だよ割れてないよ…ね?…え?…これ、手?うわ!」

ベットの下を覗く、やはり人が居る。

家主「…あ……あの、どちら様ですか?」

ワタナベ「誰だと思います?」

家主「は?…いや、聞いてるの僕なんです…あの、誰ですか?」

ワタナベ「おや?俺の異名を知らないのかい?」

家主「犯罪者?」

ワタナベ「そんな下劣ではない!」

ベットの下から出てくる男性。

家主「おわ…え?おっさん?」
ワタナベ「違う、知らないのなら覚えて置け…俺は、〝ベットの下のワタナベ〟だ!」

家主「誰?」

ワタナベ「知らないのか!?毎晩人の家のベット下で生活して早十年!」

家主「十年!?は?ここに?」

ワタナベ「いや、そんな訳ないでしょ。とっかえひっかえですよ?」

家主「いやどの道ダメでしょ、何してんすか?」

ワタナベ「俺は…ベットの下でしか寝れない特異体質でね。仕方ないんだよ。」

家主「自分の家でやれよ!」

ワタナベ「人の温もりが無いと眠れないんだが…、こんな体質だから彼女も出来なくて…。」

家主「そりゃねぇ…ていやいや、だからって…。」

ヨコスカ「彼を責めないであげて!」

家主「え?声?誰!?」

流しの下の扉が開き女性が出てくる。

ワタナベ「お、お前は!?」

家主「は!?え!?どっから出て来てんの!?」

ワタナベ「お前は!〝流し下のヨコスカ〟!」

家主「誰だよ。」

ヨコスカ「アナタ、私を知らないなんて潜りよ?」

家主「何のだよ、え?そもそも流し下にあった台所用品は?」

ヨコスカ「あ~、邪魔だから捨てたわ。」

家主「何してんだよ〝流し下のヨコスカ〟!」

ワタナベ「お前!何でヨコスカは呼んで私を呼ばないんだ!」

家主「うるせえ!今そう言う事じゃない!」

ヨコスカ「私は、流しの下に住む妖精なの。ここで貴方の生活を見守ろうと思って。」

家主「一言一句分からないんだけど、あの…出て行かないと警察呼びますよ?」

コミヤ「そんなことはさせない!」

家主「また声?え、まだ居るの!?」

押し入れから女性が出てくる。

ヨコスカ「あ、アナタは!」

コミヤ「アタシは、〝押し入れのコミヤ〟!」

家主「さっきからその場所と苗字組み合わせただけのヤツ何、つか何でいるの。」

コミヤ「ん?たままた…あ、ここに部屋があったから。」
家主「理由薄いな!てかもう無いなそれ!」

コミヤ「なくは無いよ?…うん。」

家主「ない時のリアクションだよそれは。」

ワタナベ「〝押し入れのコミヤ〟が居るってことは、まさかアイツも?」

コミヤ「フフフ、流石は〝ベットの下のワタナベ〟だな。ただのキモイおっさんじゃなかったようだな。」

泣き始めるワタナベ。

ワタナベ「…うぅ…そこまで言わなくてもさ。(泣く)」

家主「ハート弱いな!…てか事実では?ん?え?てかまだ誰か居るの?」

オノデラ「どうやら出番の様だな!」

トイレから男性が出てくる。

ヨコスカ「やっぱり居たのね…〝便所掃除のオノデラ〟!」

家主「新しいの来たな。」

オノデラ「俺様は人ん家の便所を無断で掃除するだけの、ナイスガイさ。」

家主「…感謝と何故の割合がおかしくなるぐらい謎なんだけど。」

オノデラ「そしてそこに居る〝押し入れのコミヤ〟は何を隠そう…俺の親戚の友達だ。」

家主「ごめん、隠しててもいいや。」

オノデラ「は?お前、俺たち〝謎の二人組〟を舐めてんのか?」

家主「今日一番しっくりくる異名来たな…いや、舐めてないですけど、どの道みなさん不法侵入って犯罪な訳で。」

ヨシコ「我々の何処が犯罪だというの?」

カーテンの裏から女性が出てくる。

家主「どんだけ居るの、てかこの部屋そんなに人入れたのか。」

ヨシコ「私は〝カーテン裏のヨシコ〟よ。」

家主「…そう。」

ヨシコ「リアクション薄くない!?」

家主「いや、流石に…もう大分〝便所掃除〟で満足し始めてたし。」

ヨシコ「酷い!私たちは貴方の傍に寄り添っているだけじゃない!」

家主「頼んでないんだよ!寄り添い方独特過ぎるし!」

ヨシコ「そんなこと言ってたら残りの一人はどうするの!?」

家主「は?あんた最後じゃないの?」

ベッドの中から女性が出てくる。

カナエ「最後は私、〝ストーカーのカナエ〟です。」

家主「シンプルな犯罪者来たな。」

カナエ「はい、ここ五年付きまとってました。ここに来るのは七日連続です。」

家主「それが今一番怖いわ…あの、もう居ないんですよね?」

コミヤ「うん、居ない。」

家主「よし、警察呼ぶんで。動かないでくださいね?」

ワタナベ「何故だ!」

家主「当たり前だろ!?犯罪だって何べん言わすんだよ!」

オノデラ「便所掃除してやったろ!?」

家主「ありがとうだけどね!?頼まれてからやって!?」

コミヤ「押し入れのエロ本、黙っといてやるから見逃せ。」

家主「先ず誰に言うんだよ!どうでもいいだろ!?独身男のそれ!」

ワタナベ「あ!なら俺も!ベッド下のティッシュとDVD、秘密にするから!な!」

家主「だから誰にだよ!」

ヨコスカ「流しの下、掃除したじゃない!」

家主「勝手に捨てただけでしょ!?」

ヨシコ「あの!カーテンレールのシャーが一つ壊れてたんでシャーしときました!」

家主「なんだよシャーって!直したの!?何したの!?」

カナエ「警察呼んだら殺す。」

家主「シンプルに怖いんだが!?」

ワタナベ「そんなこと言って、もう俺たち〝仲間〟だろ?」

家主「〝ベッドの下のワタナベ〟、調子乗んなよ。」

ワタナベ「初めて名前呼んでくれたね!」

家主「あ~もうめんどくさい!警察は呼ばないどいてあげるから…もう、出てけ犯罪者ども!」

ヨコスカ「本当にいいの?」

家主「は?何でだよ〝流し下のヨコスカ〟。」

ヨコスカ「私たちは帰ったとしても…ねぇ。」

家主「え?」

コミヤ「アタシたちは今日来たけど、アンタこの部屋に居れる?」

家主「どういう意味だよ、〝押し入れのコミヤ〟。」

オノデラ「俺様は嫌だぞ?」

家主「何でだよ〝便所掃除のオノデラ〟。」

ヨシコ「だって、その人…〝ストーカーのカナエ〟さんは絶対帰りませんし、また来ますよ?」

カナエ「はい、帰りません。」

家主「〝カーテン裏のヨシコ〟…確信ついてきたな。」

ヨシコ「エへヘ!」

家主「褒めてない!てか怖い!」

オノデラ「どうする家主、俺たち帰るか?」

コミヤ「帰っても、別にいいけど。」

ヨコスカ「その時は。」

ヨシコ「ストーカーと二人きり。」

ワタナベ「だぞ♪」

カナエ「大事にしてくださいね。」

少しの間。

家主「……とりあえず、ピザ頼むから。…ちょっと、考えさせて。」

ワタナベ「あ、一枚ハーフアンドハーフで片方マルゲリータのプルコギで。あと、クリスピーで。」

家主「おっさん、お前だけは許さないからな。」

また泣く〝ベッド下のワタナベ〟。

ワタナベ「ううううううううううう!」

家主「ハート弱いな!」














【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

もう、勢いだけだね。

では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


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