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週一回は出したいシリーズ:「聖王 終わりの移民」8-4

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

連載漫画に考えていた企画を、今「小説家になろう」の掲載中です。
面白いと思っていただけたら、そちらも読んで頂けると嬉しいです。
https://ncode.syosetu.com/n2644iw/

少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。


【聖王 終わりの移民】8-4
「橘マコト④」

作:カナモノユウキ


《登場人物》
・高瀬タケル(20)大学に通うヤマトの親友、自分勝手なところもある。
・大継ヤマト(20)タケルの親友、大学では友達も多い。タケルとは真逆な性格。
・町村ツカサ(32)聖王のプレイヤー、クリア回数5回。
・音來未ケイ(21)ゲーム初参加者、愛知出身。
・原嶋アキオ(37)クリア経験一回、大阪出身。
・橘マコト(39)聖王のプレイヤー、クリア回数7回。

聖王 終わりの移民

《橘マコト④》

――『オメデトウゴザイマス、レベル23→26ニUPシマシタ。』

やっぱりだ!こいつら〝経験値が高い〟…コレを逆手にとって僕のレベルを上げる!

そして今僕の所持してるスキルが超優秀だ、(数秒の思考加速)はつまり周囲が遅く感じる。

逆を言えば、周囲には僕の動きは高速に近いと言う事だろう。

じゃないと、二体即撃破は出来ない…。

次は奥の〝弓〟だ…ってそう簡単には行かないよね…。

〝刀〟と〝鎧〟だ…素人でも威圧感が伝わるって、バケモンだな。

でも僕の思考加速状態の中で…ポイントを脚力に付与、スピードを更に上げる!そうすれば…。


「さっきの様にはいかないからな、〝刀〟野郎。」


〝刀〟の間合いはステージ全体だろうけど、主人の近くは手を出せまい!その間を縫って…突撃!

にしても…〝鎧〟がとろいのは仕様か?…ハズレの〈使い魔〉か?

どの道…コイツは後回しで、〝鎧〟〝橘マコト〟〝刀〟を同時に抜けば…見えた!

〝弓〟がこっちに構えを向けているけど、問題にはならない!

自分でも驚く程のスピードで、弓矢が放たれると同時に懐に入れた…「〝弓〟も撃破です。」

右の剣で腕を切り落とし、左の剣で胸を一突き…そして下に振り落とす!…一気に三体撃破完了。


『オメデトウゴザイマス、レベル26→27ニUPシマシタ。』

よし、作戦通りだ。




――凄いなタケちゃん…、映画館の構造を把握してこの階から異常なスピードで売店まで移動。

そっから更に売店横の、このシアターの入り口へ突撃…瞬く間に三体撃破!

サッカーの神様、ペレみたいな三人抜きやったわ…。


――〘タケルが投げ飛ばされた直後〙


「(アッくんさん、作戦があります。)」

「(なんや?)」

「(僕の【勇者】を、あの〈使い魔〉を利用してレベルを上げます。)」

「(え?そんなん出来るん?)」

「(はい、さっきの戦いで僕のレベルが上がったんです…それを今利用して、橘議員を倒す力を着けます。)」

「(おう、でも…そない簡単な話か?もしも上がらんかったらタケちゃんボッコボコやで?)」

「(今の話でも、あの〈使い魔〉はかなり強いって分かりました、レベルの上がり方も凄かったし。まだ力の差がある。ってことは、僕はまだあいつらの強さに届いていないってことですから…なら勝算はあるかと。)」

「(ほうほうほう。かなりムズイかもしれんけど、どうせ死ぬかもしれんし…やってみるか…。)」


――って有言実行するって、どんだけ土壇場に強いねんタケちゃん!

これはマジで…勝てるかもしれへん!

正直、こういう場面はある意味想定内やったし…最悪タケちゃんをと思ったけどな。

こりゃ、アカン。

確かにタケちゃんは〝勇者〟かもしれへん。

少なくとも…俺には間違いなく〝勇者〟やな。




――ほう、小賢しいな飾り羽。

俺の〈使い魔〉を三体ほぼ同時撃破か。

しかも、途中から更に〝動きが良くなった〟か…熟練度が上がった…いや話にあった〝レベルアップ〟か。

面白いな、経験値を積むことで難局を乗り越える力か。

とても魅力的な人材だが…ここでは厄介だな。

「〝弓〟を倒してすかさず距離をとったか…また〈使い魔〉を狙うつもりかね?」

「…まぁ、貴方をかわして〈使い魔〉先に倒したんだから…分かりますよね。」

「私を誰だと思っている?君たちとの策の読み合いなど…簡単な問題でしかない。」

「流石やな!こりゃ一本取られたわ!でも大丈夫か?うちには〝もう一匹〟おるんやで?」


頭上、高く飛びあがった猫娘が見えたが…何か投げた?…アレは…ブーメランか?


「一回やってみたかったんや、〝スクリーンをバッサリ落とす〟ってヤツ!」

投げられたブーメランが…猫娘の手に戻った瞬間、上から大きな音が聞こえ…視界が!


「今です!!…!?」

落とされたスクリーンが邪魔で現状把握が出来ないな。

クソ、詐欺師の誘導と飾り羽の突撃までがブラフ。

そして…猫娘にこのスクリーンを下ろさせ私の足止めするか。


「くらえや〝バカ議員〟!能ある詐欺師の隠し玉パート3〈雷霆バズーカ〉や!」


やはり飛び道具…ご丁寧に武器の名前を叫ぶとは、勝ちが決まった人間の余裕ほど…笑えるものはない。



――俺の〝レア武器〟の中で最高火力の武器〈雷霆バズーカ〉…その効果は高確率での感電状態。

攻撃力は恐らくこのゲーム随一やろう、そして特質すべき点はバズーカと言っときながらのほぼレーザー!

こんなん食らったら…〝普通は絶対に死ぬ〟やろう、あの橘でもただではすまんやろうしな。

…てかスクリーンが燃えて、もう火事みたいになってきたな。

コレは一旦引いて…って、なんやあれ。

〝鎧だけ〟が焼けたスクリーンから出てきよった…え?

〝鎧だけ〟って…本体どこ行った?


「逃げて!!」


タケちゃん叫んでこっちに向かって走ってきよる…おい、今何が起きてるん?

不味い…何かが不味い。

俺今…もしかして隙だらけちゃうの?

アカン、勝った余裕に浸り過ぎて…客席のど真ん中に仁王立ちや。

こんなん…〝倒して下さい!〟ってゆーてるようなもんやん。

あ…ケイちゃんが〝獣〟にやられそうに!

「〝ケイちゃん避けて!身を守るんや!〟」

…なんで俺、他人の心配しとんねん。

って何やねん、次からつ次へと…なんであの〝鎧〟あんな動きできんねん!さっきの〝刀〟みたいな…。

え?おい待てよ?〝鎧〟って本来…〝身に着けるもん〟やんな?


…ってことは、アレって。


あぁ、なるほどな。

だからタケちゃんこっちに走って来てるんや…俺を助けようと、優しいな。

でも、〝あの鎧〟状態異常無効にすんのかい!

しかもの…〝バカ議員〟の方が先に辿り着くなこれは。

…今から逃げても、アカンやろうからな。


「詐欺師がそう簡単にくたばってたまるかい!〝バカ議員〟の首は俺が頂くわ!」





続く


【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

元々は漫画のネタなので、何だか説明が足りないなと感じつつも。
荒っぽくても楽しんでもらえるようにと。

頭を雑巾のごとく振り絞って書いてますm(__)m

完走まで頑張るので、応援して下さると嬉しいですm(__)m
何卒、宜しくお願い致します。

※面白いと思っていただけたら、こちらから続きが読めます。
https://ncode.syosetu.com/n2644iw/

では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


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