今回のペンネーム騒動について

乱歩賞で、「ペンネームのおふざけ減点」が起きている。
個人的にはそらそうだよなといわざるを得ない。審査員の皆様、ご苦労様。

まあ実際はペンネームがダメで減点、落選ということはないだろう。しかしふざけたペンネームは単純に心証が悪い。中には「江戸川乱歩」も「エドガー・アラン・ポー」のもじりでふざけてんだろと思う人もいるらしいが、ユーモアとおふざけが区別できないのは論外。

そもそもラノベ界は応募時のおふざけペンネームが多い。あるレーベルにおいては「くそたわけ」というペンネームの人が受賞した経歴もあり、半分お祭り感覚の人もいるだろう(当然刊行時には変えている)。

受賞したら変えればいいという人も多いかもしれない。それでもふざけたペンネームは読む側の心証を悪くさせることはあっても、良くすることはない。個人的にはよくそんな名前つけるなあと思っている。だって大学生とかが飲み会で酔って「ノリと勢いでつけましたうぇっへい」って感じじゃん。頭悪そうな匂いがぷんぷんする。

頭悪そうとか思い切り書いちゃったけど(てへぺろ案件)、真剣に全身全霊、思いを込めて書いた作品であれば、ふざけたペンネームはつけようと思わないだろう。

結論からいえば、まあラノベはありなのだ。書いた作品が六十になっても堂々と胸張れるものであれば本名でいけばいいんだけど、そうでない人も多いだろうし。読者層も「ノリと勢い」が通じる世代だろうし。

しかしそうした弊害――というほどのものでもないが、ラノベは「タイトル」は売れるが「作者名」はあまり売れない。というのは個人的な見解なのだが、ラノベの作者って超有名どころ以外は有象無象にしか見えない。ごめんね。これは多分ふざけたペンネームが多いからだろうな(偏見)。
さすがに安里アサトみたいなまともな名前は覚えてるんだけど、それだって二回繰り返してふざけてんじゃんといいたい人もいるだろうし。

少なくともぼくは安里氏はユーモアのほうに分類してる。ちょっと表現が違うか。ちゃんとパッケージングを考えてるといったほうが近い。

パッケージングでいえば、例えば「雨穴」というペンネーム。「変な家」書いた人。ふざけたペンネームに見えるかもしれないが、これが作品の中身と見事にマッチしている。パッケージングとして正解の例。

商品を世に送り出すのは出版社で、客はぼくら一般消費者になるのだが、小説応募は、送り出すのは作者で、出版社が客となる。そんなお客様にふざけた名刺渡してる時点で減点だし、自分を売りたいんならタイトルやペンネーム、つまり商品名はしっかり考えたほうがいい。というのがぼくの考え。

じゃあどういうペンネームがいいのかというと、別にこだわる必要はないだろうが(どんなペンネームだろうと選考時に心証が良くなることはない)、検索かけたときにヒットしやすい名前がいいんじゃないかな。

乱歩賞のような歴史ある賞で、ふざけたペンネームはさすがにアウトだと思う。しかしタイトルやペンネームで落とされることはまずない。だってこれは商売なんだから、売れる匂いがすれば受賞するだろう。
要は中身が強ければペンネームなんて関係ないわけで、けれど、同レベルの作品がふたつ並んだときには、やはりふざけたペンネームは分が悪い。舐めた姿勢と思われるのがオチだ。

まあ今回の選評についてはさもありなん。本人も後悔、反省してると思う。ほかの人の選評にもあったが、「あの作品に似ている」という評価は面白いね。具体的に作品名出してくれるのは個人的にツボ。わかりやすいし、審査員のスタンスもわかる。

最後に。

受賞時にペンネームを変えたことで刊行時の売り上げがどう変わるのか、もしくは影響ないのか、その辺の数字は興味ある。ほんとにただの興味なんだけど、どの段階で一般消費者は作品を認知するのか。タイトルもペンネームも受賞時と変わってたら、よほど頻繁に検索してないともうわかんないよね笑

ではでは。

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