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真本音とは何か(4/5)

前回のインタビューでは「素質」についてお話を聞いてきました。今回は「真本音度合い」が高まることによる周りへの影響について詳しく解説していきます。

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7.相手を変えるのではなく自分が変わることで周りが勝手に変わっていくから

岡山:真本音度合いを高める必要がある理由の1つは「相手を変えるのではなく自分が変わることで周りが勝手に変わっていくから」とのことですが、どのようなことでしょうか。

竹内: 「真本音度合い」が高まると、エネルギーがさらに溢れていくため周りへの影響度合いが大きくなります。また、「真本音度合い」が高い人が多くいる「場」は、「場」自体のエネルギーが高まります。

そして、その「場」にいるわずかな刺激で変わりやすい人から優先的に変わります。

「真本音度合い」が高い人が数人でもいれば、まずは数人のチーム単位から最終的には会社全体へ影響力が増していき、結果として変化した組織を今までいくつも見てきました。

一方で、私は相手を直接変えるようなスタンスで組織開発をして、成功した会社をほとんど見たことがありません。

「真本音度合い」が高い人材を中心に、まずは身近な範囲から影響を与えていくことのみが、相手や組織を変える方法であると感じています。

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7-1. 相手を変えることは難しいから

岡山:「相手を直接変えるようなスタンス」とありましたが、どのようなことでしょうか。

竹内: 大前提として相手を変えることは難しいと考えています。ですが、近頃は人事制度や研修、1on1制度の変更など表面的な仕組みを変えれば、相手や組織が劇的に変わると思われる方が非常に多いと感じています。

誰もがそれぞれの「真本音」を持っており、大切にしたい価値観も考え方もそれぞれです。
それを画一的な制度のみでコントロールすることはできないと考えられます。

組織を活性化するには、まず相手をコントロールできるという思い込みを手放すことが重要です。そして、相手ではなく、自分を変えていくことでしか周りは変わらないということをまず頭に入れておくことをお勧めします。

自分が変わっていくと付き合う人が徐々に変化していきます。近しいエネルギーの次元の人だけが自分の周りに集まり、そこから組織や環境のエネルギーが上がっていくイメージでしょうか。

7-2. 自分が変わることで付き合う人が変わるから

岡山:「自分が変わっていくと付き合う人が徐々に変化していきます」とのことですが、これも「真本音」で誰と付き合うべきかが分かるからなのでしょうか。

竹内: おっしゃる通りです。「真本音度合い」が高まり、自分が変化していくと余分なことに力を入れることが無くなります。

さらに言えば、余分なところにエネルギーを注がなくなります。自分自身のエネルギーをダウンさせるケースのほとんどが、エネルギーをダウンさせるような相手に意識が向いてしまい疲弊することが原因だと考えられます。

したがって、「真本音」に基づいて生きれば生きるほど近しいエネルギーを持つ人しか集まらなくなります。

岡山:確かに納得です。ただし、仕事の付き合いなどどうしてもこの人と付き合わざるを得ないという場面があるかと思いますが、いかがですか。

竹内: 私は自分自身のエネルギーの優先順位を付けることをオススメします。真本音度合いが低く「変わろうとしない人」にエネルギーを注いでも結局は疲弊して何も変わらないことが多いです。

ですのでまずは、真本音度合いが高いか、もしくは「変えていこうとする人」との関わりを大切にするのが良いです。そうすると“場”のムードが変わり、そのムードに影響されて「変わろうとしない人」が「変わろうとし始める」という事例はたくさんあります。

しかし「変わろうとしない人」と仕事でどうしても関わる必要があれば、「より良い仕事となる」ための最低限の関わりは丁寧に行ない、「その人を変えよう」とするための時間を割くことをやめた方が良いです。

「変わろうとしない人」のことで悩み続ける時間を極力少なくするのが良いと考えています。

7-3. 周りに影響や刺激を与えることがあるから

ITSUDATSU社顧問•アドバイザー 竹内直人氏

岡山:「真本音」で生きれば生きるほど、周りに「真本音度合い」の高い人が集まってくることは理解できました。どのように周囲に影響や刺激を与えていくかについてはいかがでしょうか。

竹内: 「真本音度合い」とは「腹の据わり度合い」や「覚悟の度合い」とも言い換えることができます。つまりどれだけ真剣であるかということです。

私は真剣な人にしか、真剣な人は集まらないと思います。自分が真剣に生きているからこそ、周囲の人の態度や接し方が変わっていきます。

自分の周囲が変わっていくと、徐々に他のチームや部署から注目されるようになります。そしてチームができてくると、明確なビジョンができ上がって組織全体が変わっていくと考えています。

岡山:具体的に「真本音」が見つかったことによって、個人や組織が変化した事例はありますか。

竹内: 例えば、コーチングでサポートしようとした時、変わったと分かるのは目と空気感、表情です。目は険しさが消えて、つぶらな瞳になります。また、年齢は関係なく、40、50代であっても、そもそもの表情の険しさがなくなります。これによって周囲の反応が変わっていきます。

人間はゆとりができると静かになっていきます。現実をよく見ることができるようになるので、余分なことをやらなくなります。

また、仕事よりも家庭の人間関係が大変良好になる経営者の方は多いです。営業マンの方は提案が落ち着くようになるのですぐに成果が上がりますね。

そういう人が職場に増えるとまず会議が落ち着いていきます。言いたいことが全然言えない会議はたくさんあると思いますが、そのような忖度だらけの会議は無くなっていきます。

自分たちは何を語り合う必要があるのかなど本質的な会話が増えて、組織の雰囲気が変わっていきます。

相手や組織が変わるかどうかは相手や組織次第です。しかし、自分の「真本音度合い」を上げることは確実に周囲に影響や刺激を与えるものだと考えられます。


次回の第5話は、竹内氏から現代社会はどのように見えているのかについて詳しく紹介します。

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