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スクールカウンセリングモデル100例

読み取る。支える。現場の工夫。
かしま えりこ
神田橋 條治

“投げやり”とは目的のない感情の爆発であり
もはや内的葛藤も続けられずに投げ出したの意である。
その点で非行と異なる。
悲鳴に似た叫びを聞き取ることが必要。

相手が不安になっていることを察し対応する。
相手が安心する言葉を繰り返し伝える。

学校教育では話さない子には話をさせるように指導する傾向がある
緘黙(かんもく)の子供には話さないことを認めてあげることが指導の第一歩

子供とは土の中で芽を出そうとしている種のようなもの。どれだけ芽を出したかと確かめたくなって土を掘ると枯らしてしまう。親にできることは温かい光と水を注ぎながら信じて待つことだけ。

同じ方向見ながら伴奏する関係ができると安心感が生じ意欲が引き出されてくる。
向き合う姿勢は意欲を引き出しにくい

言葉は明確に
口調は穏やかに

話すと主張が伝わりやすい

あらかじめ電話で予告
できそうなところから一歩ずつ進めていくこと
3歩進んだら必ず2歩下がること

自分の判断で行ったことの一つ一つに認める言葉を添える

役割ではなく自分のために生きるとき人は自信の内側からエネルギーを得る

子供達のいわゆる問題行動は不登校や非行だけでなくいじめでさえもそのほとんどに家族という背景が関与している特に親面接をしていると親自身の人生のテーマや家族の問題が話題になることが多い

べしよりもしたいのたいが能力を引き出す

現代社会は言語優位文化である。
問題解決にもまず言葉を使うのが正しい道とされている。しかし動物である人にとって問題解決の本道は行為である。

多くの人々は酷い心的外傷体験があってもカウンセリングを求めることもなく日常生活を送っている。
家族や友人などとの交流や趣味、ときによっては仕事などが心を癒してくれるからである。
カウンセリングも人生を共有する人にとって傾聴をされ理解されると心の深いレベルに到達することができ最も有効だろう。

人見知りの子は自分にぴったりの相手や場を求めているのでありそれが得られると途端に元気になる。
本質としては人好きであり人に対して好み相性があるのである。
人嫌いの子は対人関係という錯綜し、曖昧な情報の行き交う場を処理できない素質の脳である。明確な情報だけやり取りする場が安全かつ快適な場となる。

人が生きる事態は様々な場面で我慢や頑張りを必要とする。
我慢と頑張りが成果を挙げ人生の主張となるとピーンと張ったいわゆるいっぱいいっぱいの人生となる。父母共にそうである家庭は息の詰まる雰囲気となり子供の命を圧迫する。
なんとか楽に呼吸したいと子供はコースを外れようとする有名人や成功者の子弟が引き起こしたスキャンダルの報道にしばしばその雰囲気がある目標の定かでない動きがガス抜きとして役立つことがある遊びの効用とはそれである。

与えられるだけの愛情は貧しい。愛情を上手に受け止め与え返すことが大切。

困難に直面したとき人は納得できる理由を探し安心しようとする。それぞれの不安を投影しやすい理由が見出されて周囲の人々と共有された時それぞれの内心にあるかすかな違和感は否認されその理由は事実として一人歩きを始める。

大人に囲まれて言わなくても通じる環境が子供の練習の機会を奪うことになってその結果友人関係でも誤解が誤解を生んでわがままと受け取られてしまうことがある。

愛されて育った人は愛され上手になる
愛される能力の有無は人生の質を決める

障害から目をそらしタブーとする姿勢が人を消極的にするという心的メカニズム
事実から目を逸らさないことが人の心に秘められていた力を開発する

両親の対応がお金を渡すなどのその場限りのご機嫌取りかそれが通用しない時にはお父さんの暴力という悪循環

安心は外か家の中のみであり自信自尊心は自分自身への安心体験
ソーシャルスキルトレーニングは自分への安心を育てる方策

内省も反省も求めないと安心する

躁鬱体質者は相手の言わんとすることを察知して合わせる能力に長けている。
求められていると察知した行動進んで約束するが約束は窮屈なことが多いので心身の負担に直結し多くは体調の悪化という結果になってすぐに破られる約束を破った後ろめたさはさらに躁鬱体質者の精神状況を窮屈にしてなんとか挽回しようというあがきが次の安直な約束を引き出すその悪循環によって躁鬱体質の言動はお調子者口先だけと受け取られることになる

躁鬱の体質はおそらく遺伝に由来するものであり努力によって抑制することはできない。
他からのあるいは自らの努力によって枠にはめようとすると不安定と自己嫌悪が増大する。
このような体質を持つ人は、社会という外部環境への適応をしばらく棚上げして自己への体質との無理のない適用の工夫をするのが良い。

躁鬱体質の本質は勝手気まま自主独立志向

現実の円滑な人間関係からエネルギーを得る躁鬱体質者は現実の生活場面で認められる場合を必要とする

無理に相手に合わせようとすると疲れるので何をやっても長続きせずかえって横着わがままと誤解される
頑張っているのに途中でなぜか突然ダメになってしまうから自分でがっかりしてしまう
感謝される状況がエネルギー源になる

甲状腺機能の異常は亢進するとイライラが激しくなり低下すると抑うつ的になるなど精神面に影響が大きいがその因果関係は双方向であるらしい。
甲状腺機能の異常は精神的不調を招き精神的負担は甲状腺の機能に影響する。
身体的治療と共に心理的ストレスの少ない環境の整備が必要

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