お気に入りの作品—”Cut in half twice P_20”

 お気に入りの作品は”Cut in half twice P_20”です。
 作品全体は濃い青が目を引き、そこに白、グレー、ピンク、紺の直線が走っています。大きさは100×100cmと大きめで、実際の展示風景の写真を見ても大きいことがわかります。

 私はこの作品の直線と全体に広がる青の色の組み合わせとバランスが一目見たときから「かっこいい」という印象を受けました。画面の端で反射しているように見える直線があったり、平行になっていたり、直線しかないことで一見無機質に見えますが、だからこそ寒色が支配する画面のかっこよさを引き立てているように感じます。常田さんのInstagramの投稿によれば、この作品にも入っている展覧会のタイトルであった“Cut in half twice”は作品を作る工程を表しているとのことで、半分に切って、さらに半分に切ることで、この直線たちが初めから意図して引かれていたものではないことがわかります。

 無作為に残された直線たちの見せる模様、かたちは無機質な印象を受けながらも、そこからあらわれるかっこよさがとても魅力的な作品だと思いました。(M.S)

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