橋倉家住宅にふれる

松本キャンパスからほど近い安原地区にある近世末期の武家住宅、県宝橋倉家住宅を訪ねました。市文化財課の小林さんにご案内いただきました。2001年まで住宅として使われていたとのことで、内外装は部分的に改修・補修されています。

城下の北東端に位置する下級武士の住居で、かつては建物の東に耕作地が広がっていたとのこと。半農半士的な生活が営まれていたのでしょう。庭に下り、往時を偲びます。

脇の小路には共同井戸の跡が。鉄の大きな蓋を開けてみます。自噴するエリアではありませんので、かなり深そうです。

安原地区歴史研究会会長の金岩さんによれば、かつてはこの住宅と同じような建物(一見平屋のような二階建て構造)が地区内に複数残っており、武家地の雰囲気も感じられたとのことですが、いまや遺存するのはこの橋倉家住宅のみ。増改築が繰り返されており、建築史的な評価は簡単ではありませんが、いずれにしても近世以来の時代の層を重ねてきたこの建物のあり方自体、松本の歴史の証でもあり、適切な保存利活用が期待されます。大学の活動ともどうつなぐことができるか、アイディアを出し合い、試行を重ねていきたいと思います。


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