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2021年度後期授業「日本文化論(映像メディア)/現代文化論B」に、馬場伸彦さん(甲南女子大学 文学部メディア表現学科 教授)をお招きしました!

2021年度後期に開講されていた「日本文化論(映像メディア)/現代文化論B」では、現代日本の映像メディアをテーマに授業を行いました。

テーマのひとつとして写真文化を扱いました。
現代日本の写真のあり方について思索を深めるために、写真文化について興味深い議論を展開されている馬場伸彦(甲南女子大学 文学部メディア表現学科 教授)さんをお招きして、ご講演いただきました。

馬場さんは、モダニズム期の日本文化や現代の日本文化について研究されています。その対象は、ロボット文化や広告デザインからアイドル文化まで本当に幅広く、とても刺激的な研究成果を発表されています。

(馬場さんのご研究の一例です。社会学者の池田太臣さんとの編著書『「女子」の時代』青弓社, 2012です。学術書が色々な媒体で関心を持たれることはなかなかないのですが、しかし本書は注目を集め、多くの書評が書かれています。)

2021年の秋、馬場さんは、米澤泉さんとの共著で『奥行きをなくした顔の時代 イメージ化する身体、コスメ・自撮り・SNS』(晃洋書房、2021)を上梓されています。

このご著書のなかで、馬場さんは「顔」と「デジタル写真」をテーマに実に興味深い論考を発表されています。
今回は、このテーマを中心にお話しいただきました。

馬場さんは、記号論と写真論の接点について具体的な例から解説を行い、その上で、現代の女性写真家の作品の表現を、写真のテクノロジーの変遷と関係付けながら解説されました。

さらに「自撮り写真」や「プリクラ」など、私たちの生活の中に根ざした写真文化にまで議論は及び、受講生のみなさんにとっては、まさに「リアル」な「写真」論になったようで、色々と思考が触発されたようです。

馬場さんのご講演は、抽象的な理論的解説と作品や写真の具体的な分析が組み合わされていて、趣味としての写真ではなく、学問としての写真の捉え方の実践例としても鮮やかでした。

また、馬場さんはご自身でも写真を撮影されていて、中国で写真展を開かれたこともあるだけに、その語りには、創作・制作への確かな眼差しがあり、大変魅力的でした。

ご多忙の中、授業に参加してくださった、馬場さんに深く感謝いたします。
ありがとうございました。

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