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SV企画裏話・番外編

Op.3からだいぶ日が空いてしまいました…
音源編集や動画編集の話もしたいのですが、今回は番外編として、動画内でピックアップされなかったフレーズや楽器を紹介していきたいと思います!!
私が語って楽しいだけなので、おそらく読んでくださっている方を置いてけぼりにします!
何言ってるのかよく分からん、自語りすな、と思われるかもしれませんが、これを機にメロディー以外のパートにも耳を傾けていただき、皆様の推しが演奏する姿など思い浮かべていただければこんなに幸せなことはありません!!!

冒頭ピアノ~クラリネットソロ~トランペットソロ

動画内に出てくる楽器を「PU(ピックアップ)」、PU以外で是非聴いていただきたい楽器を「裏PU」(雑すぎ)として語っていきます。

【PU】ピアノ・クラリネット・コントラバス・トランペット
この1小節だけで聴く人の耳を引きつける、冒頭のピアノの旋律……
神曲が始まる予感しかしない……音の粒が立っていてキラキラしています……
優しい和音の後に続くクラリネットソロ、フレーズが長かったり音の跳躍があったり、難しい譜面だったかと思うのですが、とても丁寧に吹いてくださいました…ありがとうございます…
そしてコントラバス…この1音だけ、5弦ベースの音を採用させていただきました…Op.3で語ったので割愛いたしますが、ほんとかっこいい…
もっと使いたかったけど、有難みがなくなると思ったのでこの1音だけ特別です。ちなみにピアノも限りなく低い音でハーモニーの土台を作ってくださっています。
続くトランペットソロもなんて柔らかな音色…それでいて芯がありこの安定感…高らかなファンファーレだけがトランペットの魅力じゃないんです…(こっそり書きますが、このフレーズは参加者である芽海さんの音をイメージしてトランペットに割り振りました。ご本人様登場で私は歓喜に溢れていました)

【裏PU】①弦五部(特にヴィオラ以下)・②チェロ・③トロンボーン以下の金管 +ベース

冒頭部のスコア

裏をメインで語りたいので、スコア付きで暑苦しく書いていきます。
①弦五部の3小節目以降をヴィオラ以下(ファゴット・チューバ・ピアノも音がありますが)にしてみたんですけど、チャイコフスキー交響曲第5番(以下チャイ5)っぽいな~と思いました。
チャイ5の第1楽章の冒頭は、クラリネットソロ(a2だから厳密にはソロではないか…)+ヴィオラ以下の弦(たまに2ndヴァイオリン)の伴奏で演奏されています。その後ファゴットも入ってきます。短調なので雰囲気は全然違いますが。
そして第2楽章の冒頭もヴィオラ以下の弦(たまに2ndヴァイオリン)で曲が始まります。
個人的に、特に第2楽章の始まりが大好きで、本当に美しいハーモニーで泣ける…なるほど重音があるからこんなに厚みが出るのか…(気づき)(スコア見ながら書いてます)
個人的にはチャイ5っぽくできて、とても満足しています(異論は認めます。。。)
ちなみに第2楽章では、弦楽器の重厚なハーモニーの上でホルンソロが始まります!!!!!!!大好き!!!!!!オケのホルンはメロディー楽器です!!!!!!!機会があれば聴いてください!!!!!!!

続いてウラ②のチェロですが、Op.3で楽器間の受け継ぎが私のヘキだとお話をしておりました。
この!受け継ぎを支えているのが!チェロの四分音符なんです!!!!

拍頭は重要なんです…!

四分音符と二分音符の音価の分、ビブラートを聞かせたっぷりと歌ってくださっています…木管と足並みをそろえて、最後の二分音符に向かって階段を上っていくようなイメージがあります。

そしてウラ③の金管+ベース

バリバリ吹くだけが金管じゃないのよ…

ホルンは途中から動きが変わってしまうのですが、トロンボーン・チューバのこの安定感…コラール(讃美歌)をイメージして金管低音に吹いていただきました。そこにベースをプラスして、音の輪郭をよりはっきりさせたつもりです。
PUのトランペットのところでも書きましたが、金管楽器の音ってすごく温かみがないですか?音割ってなんぼ(?)みたいな曲もありますが、こういう優しい金管も大好きです。それとトロンボーンとベースが、一旦音が上がってからの下降音型となっているところ、チューバはひたすら下降音型にしており、より音の奥行きというか、スケール感が大きく聴こえるのではないでしょうか。チェロ・コントラバスの手助けもありますが、ここは金管セクションを核にしてまとめてみました。

ホルンが途中から動きが変わるところ、金管だけど木管五重奏に参加してるホルンならでは、っていう感じの動きですね(?)
ファゴットと一緒に、次のフレーズへ向かう推進力となっています。

オーボエソロ~2回目の管楽器受け継ぎまで

【PU】オーボエ・チェロ・クラリネット・ヴァイオリン
オーボエの独壇場~~~~~~!!!!!!!!!
オケアレンジするにあたって、ここは絶対オーボエだ、って思いました。オーボエさん参加してくれて本当に感謝…………
ちなみにオーボエさんがいらっしゃらなかったらピッコロにするつもりでした。いや、でも、ここはオーボエでしょう…!!!!!!!!
短い音は歯切れよく、長めの音は抑揚をつけて歌ってくださっています…
独特の音色がとても素敵ですよね…あとホールで吹いているイメージのミキシングも最高…めちゃめちゃ響いてる…

この可愛らしくも郷愁を感じさせるフレーズの締めくくりはチェロとファゴットの16分音符です。懐かしい思い出をそっと抱くような音…
それを胸に秘めつつに新たなフレーズへと入っていきますね。

次のフレーズでは、1stヴァイオリンと2ndヴァイオリンがオクターブで主旋律を奏で、フルートがそれに寄り添います。対してオーボエとクラリネットがその対旋律、原曲でいうとチェレスタ?グロッケン?の音でなぞられているフレーズです。ここで初めて複数のメロディーが同時に絡み、音楽が進み始めたなーと感じます。個人的には両方を同じバランスで聴かせたかったので、こんなアレンジにしました。
それでまたフレーズの締めに木管+ヴァイオリンの受け継ぎを持ってきています。難しいのにすみませんでした。自分が演奏しないから何でもありです。(ひどい)

【裏PU】弦のピチカート・解決しない和音
話をオーボエソロの所まで戻しますが、一緒に動くピチカートがすごく素敵ですよね(管も同じような音型をやっていますが)。
果たしてピチカートが聴こえるのか…?というのが不安だったので、楽譜を配布する前に、フォロワー様に頼んでピチカートを録音した音源を聴かせてもらいました。
そしたら意外と聴こえるもので、多少音量調整はしたものの、少人数でもきちんとハーモニーとして聴こえることに驚きました。
この…響きというか余韻?残響?で作るハーモニーが大好きなんですよね…これもミキシングのお陰でしょうか、和音が空間に浮遊しているような感覚でした。

さて次の「解決しない和音」ですが、下記をご覧ください↓

フルートとクラの「シ(H)」がたまらん

黄色部分は、↑のPUでも触れた、ファゴットのフレーズ締めくくり16分音符です。
楽典とか音楽理論を通ってないのであまり自信がありませんが、だいたいフレーズの終わりの音というと、その曲の調性の主となる和音で締めくくられ、キレイさっぱり「解決する」と言われます。
ですが、ここでは「解決」してないんです(コード名とか分からないので雑にしか言えてない)……
私の主観ですが、この和音を聴いた感じ、何か物言いたげな、不安や迷いがあるような感じに聴こえました。
この心の揺らぎみたいなのを表現したくて、↑の楽譜で青くなっている音(ピアノでいう「シ」)をとても大切にしました。

フルートのところ その1~

見出しの言葉がだんだん雑になってきました。語彙力ないのがバレる

【PU】フルート・ヴィオラ・トロンボーン・ピッコロ
自分がフルート吹きなのもあり、ついフルートにメロディー持って行ってしまいました………
フルート2本で吹いていただいているのですが、透き通るような美しい音色で、語り掛けるように演奏していただいています。ああ綺麗…自分ではきっと無理だった…吹いていただけて本当に良かった………
伴奏は、クラ・ホルン+ヴィオラ。弦ではヴィオラだけに音があります。
なんかヴィオラってこういう使われ方多くないですか…?ヴァイオリンはメロディー、チェロバスはベースライン、ヴィオラはヴィオラだけで独自の動きをしているような…しかも3連符とかのうねうねした動き…みたいな……
そんな謎の動き(失礼)をさせられたかと思えば、急にヴィオラだけ取り出されておいしいフレーズ任されるんだよなあ……
ヴァイオリンとはまた違う、深みのある渋い音が素敵ですよね。もし自分が弦楽器をやるならヴィオラをやりたいです。でもハ音記号は一生読めないと思うので一生弾けませんね……………
しかし、ここらあたりの雰囲気とっても好きだー、sotto voce感出てると思います。

sotto=~以下で voce=声 「声以下で」→「ささやくように」

この柔らかな雰囲気に浸っていたいところですが、だんだん曲は盛り上がり始めます。
いろんな種類の楽器が合奏に加わり始め、音楽に重みや厚みが出てきますね。トロンボーンの四分音符、とても存在感があります。トロンボーンのこういう音型好きなんですよ…やっぱりそれぞれの楽器にあった役割ってあるんやな~と思います(正解なのかどうかは分かりませんが)。
このまま1回目のサビへっ突入って感じですね。

この「1回目のサビ」、ピッコロ・クラリネット・1stヴァイオリンがメロディーです。
ピッコロいいなあ…ある意味「ピッコロらしくない」音域…というかフルートでも吹ける音域にはなっているんですけど、やはりフルートとは音質?が違うのでよく聴こえます。決して浮いているという意味ではなく、メロディーの輪郭をハッキリさせてくれているなあ、と思います。

【裏PU】トランペット・ピアノ・チェロ
sotto voceが終わった後の「1回目のサビ」、ピッコロ・クラリネット・1stヴァイオリンがメロディーと申し上げましたが、ピッコロ・クラリネットは2小節間しか音を割り振っておらず、メロディーを弾き続けているのは1stヴァイオリン(+ハモリで2ndヴァイオリン)だけです。
しかしよく聴いてください………ピッコロとクラリネットのメロディーと入れ替わりに、トランペットがハイトーンで音楽の祝福(※個人のイメージ)を奏でてくださっています!!!!!

急に現れるハイトーン(次の小節との高低差よ)

パート譜だけ見ても意味不明、急に現れるハイトーン
こういうのがあるからスコア見るのは面白いなー、と思います。楽譜作るのはめちゃくちゃ楽しかったです。
すごく自然に、ヴァイオリンに溶け込んだ音で演奏してくださり感動しました!!!

そしてピアノとチェロですよ
もう…本当に謝罪の言葉しか出ないほど怒涛のアルペジオを弾いてくださっています………

最後のほうまでずっとこれ(鬼畜すぎる)

本当頭が上がりません……
しかし音源編集でピアノとチェロを合わせた時、音の流れ方や、合うべき場所で音が合う感覚(黄色の拍頭とか)に感動しっぱなしでした…
このアルペジオがあるのと無いのとでは、曲の盛り上がりが全然違うと思うんですよ…今回のオケアレンジの壮大さや感情の揺さぶりは、このアルペジオなくして語れません!!!!!!
ピアノだけでなくチェロで弦楽器の響きを纏うことができ、よりドラマチックなものになったんではないかと思っています。
本当…大変な譜面を弾いていただきありがとうございました………

フルートのところ その2~最後

さてラストです!
クライマックスなので裏PUも併せて書いていきます。

【PU】フルート・ファゴット・コントラバス・ヴァイオリン・カホン・ホルン・エレキベース・チューバ(多)
1回目のサビがあり、そのままクライマックスまで持っていくのか…と思いきや、一瞬の静けさ…緩急がすごい…………
楽譜ではフルートソロで「sub.p」と表記しました。「急に小さく」という意味です。
サビの盛り上がりが一瞬収束し、少し思い出を振り返るような…立ち止まるような…というイメージを持ちました。
それもつかの間、ファゴットとヴィオラの下降音型に引き寄せられ、トロンボーン・チェロ・コントラバスの8分音符や、ホルンとトランペットの急速なクレッシェンドで再び現実に引き戻されますね。ここめちゃくちゃかっこいい。
加えてこっからのコントラバスの低音もめちゃくちゃかっこいいんですよ……すごい迫力と存在感…内側から感情を掻き立てられますね……こんなん泣くに決まってる…
ヴァイオリンの細かい連符から最高潮までのテンションの持っていきかたが素敵ですね…すごく感情が乗ってる…ここのピッコロもすごく効果的…ピッコロからコントラバスまで、このクライマックスで初めて全部の楽器が一緒に演奏しています。(意図的にそうした部分もありますが…)

そう、ようやくカホンさんの出番なんですよ…(わずか数音…本当にすみませんでした…)
クライマックスの盛り上がりを、ひな壇の最後列最上段から後押ししてくださっています。
当初、パーカッションの楽譜は作成していなかったのですが、有難いことに参加のご表明をいただき、無い知恵を絞って楽譜を作成…しようとしたのですが…なんせ経験値が足りず奏者様に一任するという暴挙に………
それでも楽譜を尊重して演奏してくださり、本当にありがとうございました…

テンション最高潮で音を響かせている中で現れるホルンですよ……………
ここ、オケアレンジ始めた当初から絶対ホルンだって決めてた、というかホルンが吹いているようにしか聴こえなかった………いやこれオケの楽譜があったら絶対ホルンっちゃう!?!?!?!?!?(公式さん楽譜ください)
ホルンさんがいらっしゃらなかった場合も想定して他の楽器でも試したんですけど…正直全然しっくりこなくて、本当この企画のモチベーションに関わるぐらいセンシティブな箇所でもありました。
それがまあ、有難くもホルン奏者さんにこの企画を見つけていただいて、当初思い描いていた形でピースをはめることができました。
あと全然伝わらないと思うんですけど、ホルンが入る小節の1拍目、ホルンが休符の裏でアルペジオが聴こえるのめっっっっっちゃ良くないですか…?この小節は私のヘキが詰まってる………

ここ

このホルンが大サビの締めくくりで、そこからは急速にエンディングへ向かいます。エレキベースを核にして、たくさんの楽器でユニゾンの下降音型、そしてピアノに受け継ぎ冒頭のメロディーの回帰です。

最後の最後、ピアノの和音と弦楽器の和音の中にそっとチューバの音を入れています。最後は怜様の音に抱かれて終わるんですよ…
偏見…というか気分を害されたら申し訳ないのですが、チューバ、見た目のいかつさ(?)と音の優しさのギャップが半端ないと思うんですよね…録音を聴かせていただいたとき、こんなに優しい音が出るんだ…と驚きました。
まだまだ知らないことばかりだ~~

ということで、何とか最後まで語り切りました!
楽器によって熱量が違うよう感じられたらすみません。私の勉強不足です。
ここまで読んでくださった方がいらっしゃるか分かりませんが、お付き合いありがとうございました!次回こそ本編に戻りたい!

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