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くろいかみさまとこども2021#02

「くろいかみさまとこども」シリーズは、イラストレーターとしての活動を始めてから4年目の2014年、初めて開催した個展のために描いた、そのまんまくろいかみさまとこどもをモチーフにした連作です。

地面も世間も不安定だった東日本大震災後、あのころ、日常にうっすらとつきまとっていた不安や恐れ、そこに可愛らしさとノスタルジー、あとエロティシズムをほんのりとひっそりと混ぜて、ふと目に止まって今の自分の気持ちと向き合うきっかけになるような、そんな作品を目指しました…なんていうと大袈裟で、そういうものを私自身が欲しかっただけのような気もします。

当時の私はフレッシュな駆け出しイラストレーター(39歳)、自分の絵に関してはまだまだ雲を掴むような状態で、どれもこれも良いんだか悪いんだかよく分からず。とりあえずたくさん描いたら説得力あるんじゃないかという思惑のもと、「くろいかみさま」を42点、「こども」を14点、そして「くろいかみさまとこども」を14点を制作しました。合計70点、駆け出しパワー炸裂。

その後は、お気に入りの四つ目ちゃんをSNSのアイコンに使ったり、細々と原画が売れたり、くろいかみさまをモチーフにしたイラスト仕事がちらほら入ったりして、程よく日常に溶け込み程よくお金を稼いでくれて、くろいかみさまとは静かに良い関係が続いていました。

そして2020年の年明けに開催したミニ個展のために、突如思い立って?満を辞して?7年ぶりに「くろいかみさまとこども」の新作を6点ほど描きました。あの頃はちょっと人間不信になりそうな出来事があって心がモヤっていたので、くろいかみさまがふつふつ湧いてきたのかも知れません。

そのとき、「このモチーフだったらいくらでも描ける」「これをライフワークにしたいな」という思いが湧いて、これってなにげに特別なことなのかも!と、久しぶりにワクワクするような感覚になりました。それから、激務やらコロナやら目前の日常に流されていたら、あっという間に1年が経過。思い立ってもすぐやらない、7年寝かした後の8年目、やっとまたくろいかみさまたちを描くことができそうです。できるかな?ほんとかな?

くろいかみさま(2012-2013)

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こども(2013-2014)

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くろいかみさまとこども(2013)

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くろいかみさまとこども2013-2020
https://kanaes.com/works/kuroikamisamatokodomo/

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