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感謝と謝罪

恥の多い生涯を送ってきました。
太宰治『人間失格』の冒頭文です。
高校生の頃に読んだ時からずっと私の心に刺さったままの一文です。
思えば、高校生になった頃の私は既に恥を土台に築いてしまっていることに気づいていたのだと思います。
そして、そこにさらに多くの恥を上積みし続けていくことへの確信めいたものがあったのだと思います。
20代終わるまで、数えきれないほどの恥に恥を塗りまくった、残念ながら私の過去の事実です。

悩み、苦しみ、もがき続けた20代をなんとか生き延び、私は現在アラフォーまでやってきました。
20代の最後に大きな痛みを伴って初めて私が知ったことは、謝罪と感謝でした。
それまでの私自身に対して、そして私の周囲にいてくれた人たちに対しての謝罪、これからの私の周囲にいてくれる人たちへの感謝。

たくさんの失敗を犯し、多くの人に多大な迷惑をかけたり、傷つけてきた、無敵で浅はかだった私なのに、それでも支えてくれた人がいることにようやく気付いたのです。
犠牲と時間をたくさん要してみつけたこの事実が、間違いなく30代の私を形成したと断言できるのです。
少なくとも今の私は、日々感謝をして生きていられているし、その事実がさらに私を幸福な気持ちにしています。
すると、なんと穏やかで満ち足りた気持ちをこんなにも継続的に持ち続けることができるものかと驚いています。
これが幸せなのだと思います。

過去への謝罪、現在以降の継続的な感謝。
これが今の私の価値観の中心です。

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