4.Stop Dragging Your Toes!

前回の続きです。スプリンターは短い接地時間の中で十分な垂直支持力と最大の水平推進力をかけること及び適切な投射角度が課題である、という話でした。

マガジン形式でまとめてるので他の章と合わせて読んでもらえると嬉しいです。では本編です。

THE ATHLETE
タスクの力学を理解したところで、アスリートの解釈を考えてみましょう。

動きのコントロールや調整は、タスク、アスリート、環境の相互作用の結果であることはすでに簡単に説明しました。しかし、特に若いコーチの場合はアスリートのテクニックのトレーニングに一律のアプローチを適用する傾向があり、アスリートの個性を評価するのではなく、いくつかの「理想的な」生体力学的モデルにアスリートをはめ込もうとします。

多くの場合、この理想は、グループの平均に基づいており、時折それはそのスポーツにおける最高のパフォーマーに基づいています
例えばスプリントでは常にこのような光景が見られます。

以下は典型的な一連の流れです

1.世界で最も優れた選手を観察する
2.外れた機械的収差(その選手に特有のもの)をピックアップ
3.この収差が彼らの成功の鍵を握っていると仮定する
4.コピーして全員に適用

ベンジョンソンを振り返ってみてください。「セット」した状態で手を伸ばし、できるだけ早くブロックから飛び出し、直立位置にジャンプします。この「ジャンプ」のスタートが全ての人に当てはまるわけではないことを理解する前に、おそらく何世代もの若いスプリンターが顔から地面に落ちました。
マイケル・ジョンソンの特徴的な腕振りだけでなく、ジョン・スミスの1990年代後半のグループの誇張された『ドライブフェーズ』に反応して、多くの人が同じようなプロセスを経てきました。最高のアスリートは例外であり、定義上他のアスリートの大多数ができないことができるということを覚えておくことが重要です。 さらに平均値に基づいてモデルを作成すると、一人のアスリートにも当てはまらないバイオメカニクスモデルになってしまう傾向があります。

続く


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