2023年シーズン使用シューズ
アイツは幾つ靴を持っているんだ?とよく言われるアクセルトラッククラブの草野です。家の靴棚は満杯気味ですね…
とはいえ私はコレクターではなくて使って楽しみたい派。
色々持ってるのは確かですが、それぞれ色々な用途で使ったり乗り換えたりしてきました。
練習によって、体の状態によって、時として気分によって靴は履き分けていきたい。
そんな趣味の世界を少しご紹介します。
○シューズ
1.gt2000 10
こちらは2022年シーズンにアキレス腱周囲炎が悪化してきた時期に回内動作を抑制した方が良いかもとトレーナーからアドバイスがあり使い始めたモデル。
痛みが強かった時期は足指にまつわる筋肉や足底のアーチなど様々なエラーがあり…リハビリを行うはもちろんの事、靴のサポートもある方が助かるだろうと選んだ。アキレス腱の調子が上向いてからもウォームアップシューズとして使っていた。アイツに出会うまでは…
靴の特徴はクッションがあり、安定感があり、回内動作を抑えるサポートがあり、履き心地も良い。と比較的使いやすいモデル。
ミッドソールはFF、現行は12となりミッドソールはFFブラスト+に内足側の硬い素材ライトトラスが無くなり(形状によるサポートはあるらしい)かなり柔らかいチューニングに。
硬めのサポートが良い方にとっては10が良かったという声もあるので気になる方は型落ちの型落ちモデルなので探し当てれば安く手に入るかも?
2.メタスピードスカイ
冬季練習の初期ではテンポ走のようなボリュームを重視したメニューの際使っていた。性能は言うまでもなく、他のメーカーの厚底レーシングに対してアッパーのホールド感が良かったので優先的に使用していた。
構造として前足部が硬く変形しにくいので前傾姿勢の際に違和感があるものの、逆にいえば上体が起きた中間走ではその硬さによってサポートを受けられるのも実感していた。
後述する+シリーズも発売する中で継続販売しているのでアシックスの中でも1つの完成系なのかもしれない。
3.メタスピードスカイ+
厚底スパイクの多くはカーボンプレートを高反発材の上に配置している。厚底レーシングはそのスプーン形状ゆえに前足部はプレートが地面に近く、踵部は足に近いと構造が少し異なるのかも?と考えて売り文句としては足の下に一枚プレートがあり、尚且つ前足部に重心が偏っていそうに思えたので試してみた。
プレートの形状がかなり平らに近い為か若干誘導性が低くコントロールが難しいと感じる反面、反発をプレートで受ける感覚は初代メタスピードよりわかりやすく厚底スパイクへのイメージも湧きやすかった。
前足部がプレートの配置場所の影響か曲がりやすい(と感じてるだけかもしれない)ので他の厚底レーシングに比べるとダッシュや高速域でのスプリントでは明らかに扱いやすかった。
反面テンポ走では誘導性の低さゆえか持て余している感が強く、自走式トレッドミルでのスプリントやオフシーズンの稀にある最大努力に迫るスプリントを行う際に使うなどニッチな使い方をしていた。しかしその時は満足のいく走り心地であった。
4.SCエリートv2
ニューバランスの厚底スパイクを手に入れて2023年はコレでいくと決めた際に、おそらく同じ反発材を使ったシューズの方が慣れるのも早いのでは?と考えて試してみた。
結果としては靴自体の性能も良く、厚底スパイクとのチューニングも良かったように思う。
特徴としてはアッパーがレーシングモデルのは中では厚めでホールド感がありスピードを上げても不安がないというのが強みに感じた(ランナーにとってはオーバースペックだったかもしれない)。自分にとってはありがたい事だが…
厚底レーシングの特徴で前足部が硬い分ダッシュが少し難しかったが…わりと対応できる範囲でもありテンポから高速域の練習まで幅広く使えた。
特に同社のスパイクと荷重位置が似ていて、このシューズに厚底スパイクの使い方を教えてもらったような印象がある。
かなり良かったが廃盤となりSCトレーナーv3とフルモデルチェンジをしてしまった。残念。
5.SCエリートv3
vs2が良かったからv3はどうなんだ、で試した。同じような感覚もありながらも、少し中足部や踵部のクッションのボリュームが多くスプリントで使うと少し噛み合わないように感じた。
しかしクッション性能で言えば紹介する全てのシューズの中では最も良く、練習後のダメージも非常に少なかった。ロングジョグや低速でのテンポ走で使えるだろうと考えたものの入手時期と噛み合わずあまり使えなかった。2024年に向けた冬季の初期では使いたいモデル。
6.ズームペガサス39フライイース
個別に記事を作るほど良かった。アイツと出会うまでは…
やはりベルトで着脱できる点がトレーニングでは厚底レーシングと、試合ではスパイクと履き分けられる際の手軽さは素晴らしかった。試合用のウォームアップシューズとしても重宝していた。
今でも販売、ナイキbyYouにも対応している。
手堅いシューズが欲しい人には自信を持って勧められる一品。
7.フューエルセルプロペルv3
トレーニングモデルとして高反発剤にプラスチックプレートというありそうでなかった組み合わせ。個別に記事を作るほどには気に入っていた。
チーム内でも好評ではあったが、実はソールの耐久力よりアッパーが弱いという事が判明した。どうやら縫い目の縦のラインに沿って破れてしまう事が多いようで…自分が使用したものは使用頻度の影響か特に問題はないが少し気にしても良いかもしれない。
それでも値段の安さから言えばコストパフォーマンスは凄く高いので学生さんにはオススメできる。壊れても財布が痛くないという思いからロード、坂ダッシュなどで頻繁に使っている。
8.スーパーブラスト
パーティを組むゲームなどでは所謂『結論パーティ』、これで完成でしょという組み合わせをそう表現したりするが…
結論、1〜7のシューズはスーパーブラスト以降次点扱いになった。
これは本当に履いて驚かされた。存在は知っていたものの、値段の高さと厚さ制限を超えるニッチなシューズという事から実験的なモデルかな?と思っていた。それは良い意味で当たっていた。
購入動機はアシックスと契約したカーリーが来日イベントをした際に見学する事ができて、そのお礼とばかりにカーリーが履いてたからと買ってみたに過ぎなかった。しかし…
抜群のクッションと反発
抜群の安定感
抜群のフィット感
抜群のホールド感
グリップはほどほど…
抜群の耐久性
ほんのりと、しかし明らかに良い素材を使ってると感じさせる履き心地全般
もはや全部コイツで良いんじゃないかなというレベルで満足のいくモデルだった。
クッションは当然良く、それに伴い自覚できるレベルで強い反発がある。プレートがないので誘導性が低いと思いきや、ミッドソールの形状のおかげか『走らされる』感覚もある。しかしプレートがないからこそ『どう走らされるか』を自分でチューニングできるところが凄く良かった。
安定感もあるので色んな動作を無理なく行えるのでジョグからストレッチ、ドリル、ジャンプトレーニングとウォームアップ動作全てに対応できてしまった。更には前足部にプレートがないからこそ厚みと変形具合のバランスが良くダッシュも気持ち良く走る事ができてしまった。
当然、テンポ走も余裕があるどころか若干のペースアップまでできてしまった。メタスピード+に任せていた最大努力に迫るスピードこそ流石に対応できない感覚があったが、90%の領域までは難なく対応して更にはクオリティを上げてしまった。しかもプレートがない事で足底への負担も少なかった。
もう他の靴を履く理由が失われてしまった。
トラックでもロードでも、どんな練習にも対応できて感覚も良い。その上で耐久性も抜群だった。
私でいうと通常3ヶ月ほど使うとミッドソールに横の皺が出てき始めてソールの厚みが失われ機能性が失われていく。メーカーや靴の販売員からもそうなると買い替えですねと言われていたが…
スーパーブラストは3ヶ月使い倒して尚シワが入っていない
これは形状によるのか材質によるのか不明だが、明らかに他の靴より酷使しているのに性能を保ち続けている。これまではミッドソールの寿命が靴の寿命であったがスーパーブラストに至っては1番ダメージを抱えているのが紐を通すシューレースホール…
高いと思って渋る人も居るだろうが興味があるなら是非買って欲しい、それがスーパーブラスト。
9.ウィンドスプリント3
やはりウェイトトレーニングはコレ。ランでの使い心地は前モデルとは異なるので意見が分かれそう。ウェイトトレーニングでは厚みが増えた事は走る時以上に実感した。しかし靴底の変形を感じない、足との一体感は上回っているという観点で3を採用していた。今年はレース前の刺激でウェイトトレーニングをする事もあり遠征にも持っていった。薄いゆえに持ち運びしやすいのは相変わらず。
○スパイク
1.SD-X
今季序盤に使用していた。このスパイクによって厚底スパイクの走り方がかなり見えてきたので助けられたモデルでもある。
やはりSCエリートv2とも荷重場所の感覚が似ていて『こうすればこうなるだろう』が予想しやすかった。
マックスフライとプライムSP2を2022年に使用したが、どちらも個人的には踵のホールド感に違和感があり自分にとってはそれがアキレス腱に良くない影響を与えるとも実感していた。
アッパーの重さは増えるかもしれないが上記の二つに比べると足へのホールド感は高かったので安心して履けたのも大きかった。
かなり細いニードル形状のグリップ感は何処となくメタスプリントとも似ていたので、そこも好きなところではあった。
耐久性に関してはミッドソールの潰れとカーボンプレートが浮いてきてしまうという印象であった。
これは個人の意見だがどのメーカーも3〜4つの大会を耐えれれば充分、くらいの耐久性のようにも思う。
2.メタスピードSP
満を持して発売したアシックスの厚底スパイク。複数メーカーを試してきた中で選んだ理由は『踵が抜けない』この安心感に尽きる。
結局各メーカーそれぞれに特徴があるが、厚底スパイクというカテゴリーとして充分な機能性があり後は不安なく気持ち良く走れるかが決め手だろうと個人的には考えている。
その点1番踵が抜けずアキレス腱への不安なく練習から試合まで使えるのがメタスピードSPだった。
荷重場所など独特の癖があり、少し意識を変えるだけで30mの加速走で0.2秒近い差が出たりするなど扱う難しさは存在していたが厚底スパイクで起きる助力感と実際のパフォーマンスが噛み合うように感じたのもメタスピードSPだった。
まだもう少し上手く使えそうな気がする、慣れるのが先か靴自体のアップデートが先か…
2024年に向けて
おそらくアップデートがない限りはスパイクはメタスピードSPだと思うので、トレーニングシューズもアシックスを中心に組んでいくと思う。
スーパーブラストは気に入りすぎて2足目をシーズン中に用意していたくらいなので使用シーンはかなり多い。というか現状私が行なっているメニューの多くではスーパーブラストで事足りてしまうので本当に選択肢がなくなってしまった。
とはいえカーボンプレート内蔵モデルはやはりボリュームをこなす際にメリットを感じるのも事実なので靴の特性とトレーニングを上手くマッチさせて良いトレーニングを積んでいきたい。
スーパーブラスト、SCエリートv2、ウェイトでウィンドスプリント3。冬季の初期はこの組み合わせが多いような気がする。
備忘録にお付き合いいただき、ありがとうございました。
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