コスパ、とは?
コスパ、いわゆるコストパフォーマンスは近年お買い物事情において重要視される要素です。同じお金(コスト)を払うのであれば中身のクオリティ(パフォーマンス)が高い方が良いのは当然の事です。クオリティが同じなら、より安いものを選ぶのも当然の事でしょう。その判断の材料がコストパフォーマンス、費用対効果だと思います。
しかし最近思う事もあるのです。コスパが高いものが良いもの、となっていないか?という疑問です。
タイトルの写真は同い年のスーパースター、ステフィンカリー。彼はNBAの最高年俸額で契約しています。つまり高額な存在です。しかし彼を取り巻く事情でニュースやファンの声から『年俸が高過ぎ!』といった批判を聞く事は少ないです。おそらくここ数年で何度も優勝してるいること、欠場の試合数、そして彼を見たいとファンを集められること。つまりチームやファンが彼の契約に満足しているからこそ不満の声は少ないのでしょう。
彼の場合はコスパは良いのでしょうか?
安かろう悪くはなかろう、は良いのか?
そう、コストパフォーマンスが高いとは費用に対して効果が高いという話であり、効果の高さを判断しているわけではありません。効果が高くとも費用も比例して高ければコストパフォーマンスは妥当になるわけです。
コレを読んでいる皆様はアスリートやその関係者と思いますが、我々の求めるパフォーマンスは費用対効果の高さなのでしょうか?
求めるパフォーマンスはパフォーマンスそのもの
アスリートが求められるのはパフォーマンスそのものの高さです。例えば2021年のNBAにルカ・ドンチッチという選手が居ます。東京五輪で日本を叩きのめしたあのスロベニアの男です。
彼はドラフト3年目ながらMVP候補に上がる程のスーパースターです。しかしドラフト3年目ゆえにルーキー契約下にあるためリーグ全体で100番目付近の契約額、とてもパフォーマンスと釣り合っていません。ゆえに『コストパフォーマンスが高い』選手となっていました。なお五輪中に契約更新して5年228億円と契約額ランキングでも上位に入るであろうMVP候補に相応しい契約額になりました。値段に合わせたプレーではなく、プレーに合った値段を払うのがプロ契約です。競技の世界での判断基準はパフォーマンスの絶対的な高さです。
高い?安い?それは求めるもの次第
今や競技用シューズはテクノロジーの進化により値段は高騰しつつあります。私も40000円のニューテクノロジーのスパイクを買った時は『おぉ…』と思ったものでしたが、結局そのスパイクが2度の自己ベストに全日本実業団優勝など多くの結果をもたらしてくれました。そこには満足感と感謝しかありません。いくらお金を積んでも結果が出るとは限らない、だからこそ結果が出たならどんな値段であろうとも安いものなんです。
逆に投資に対して求めているものに対してのリターンが少なければ、安くても満足度は低いでしょう。競技シーンで言えば選手は結局パフォーマンスやトレーニング継続に繋がる要素を求めるはずです。コスパを重視した結果、値段以外の要素で不満を感じる事はそれを使えば使うほど小さな不満を溜め込んでいく事になると思います。
この文章の中での良い意味でコストパフォーマンスが良いとは、十分に満足できるリターンに対して投資額が少なく感じる事だと思います。それはギアかもしれませんし、コーチングフィーかもしれませんし、トレーニング環境への投資かもしれません。
値段は売り手がつけた価値を表したもの。買い手の思う価値はまた異なります。満足する買い物をしていきましょう。
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