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THE ART of the SPRINT : For Coach Tom Tellez and the Santa Monica Track Club Speed Demons, the Point Is Not Just Winning the Race, but Perfecting the Run. 訳⑤

どうもアクセルトラッククラブの草野です。前回に続き、敬称は記事に合わせて略させて頂きます、ご容赦ください。
原文は以下から↓ 

 物静かな男、フロイド・ハードはセメントの壁に寄りかかり、精神的な疲労に悩まされていた。 「この疲労感は、100%精神的なものだ」とハードは語った。
『コーチTがいつも言っているように』
彼は思い出すように復唱した。
体は完璧に動きたいと思っている。集中しなければならないのは自分の心なんだ
昨日テレツはハードがピストルへの反応に気を取られすぎてしまい、彼のクリアランスが慌ただしいのを見て彼を窘めた。そして今日ハードはその一点の改善に何度も取り組んでいた。テレツは週に最低でも4回、午後の1時半から3時半まで練習するようにと言っている。練習の半分はスピードに、残りの半分はテクニックを重視していた。前者は舌を出してリラックスした状態で走るが、後者の方がはるかに疲労が大きい。脳が焼けたと感じるような、テクニックを磨く作業が続く。

 全ての欠点に1秒の何分の1秒の価値があり、ルイス、バレル、マーシュとハードを分けるのはその百分の1秒、千分の1秒である。彼は魅惑的な100m9秒台の世界から数百分の1秒の距離に居て、今年は4x200mリレーで世界記録を更新したサンタモニカ・トラッククラブでルイス、バレル、マーシュとともに4人目のレギュラーだった。この4月に行われたフィラデルフィアのペンリレーでは、バトンパスのやり取りが不十分だったにも関わらず世界記録を更新した。

 童顔で、陽気でもあり真剣でもあるような目をした26歳のハードは、1988年からテレツのもとでに指導を受けている。ミルウォーキーの高校を卒業したばかりの彼は、ヒューストンのトラック奨学金を受けようとしていたが、大学が彼の枠を用意できず、テキサスA&Mの奨学金を受けることにした。
2年後、彼は学校を去りサンタモニカ・トラッククラブに参加し、テレツの指導を受けるようになった。
『テキサスA&Mに居た頃は常に緊張して走っていた。私の顔は強張り、肩がすくめられていた。コーチTはリラックスして走ることを教えてくれた』と彼は言います。
 『リラックスすることが私の成功の秘訣です

 マーク・ウィザースプーンはブロックに行き、テレツから厳しい技術の見直しを受けることになる。ウィザースプーンは28歳で、足が長く、無駄がなく、波打つように走るスプリンターとリレーマンで、アビリーン・クリスチャン大に在学中にテレツの話を聞き、1986年からテレツの指導を受け始めた。ウィザースプーンはまだ大きな国際大会に出場していないが、彼は今年いくつかの良いタイムを出していた。彼は常に良い能力を持っていたが、それを上手に利用しなければならなかったとテレツは語った。

パート⑥に続く

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