8.Stop Dragging Your Toes!

前回の続きです。多くのスプリンターにはローヒールリカバリーで加速するための特定の力を生み出す能力が不足していることが多く、運動学と運動学(力と運動)の間には直接的な関係がある事を忘れてはならない、という話でした。

マガジン形式でまとめてるので他の章と合わせて読んでもらえると嬉しいです。こんな長くなると思ってなかった、しかし後には引けない。

では本編です。

THE ENVIRONMENT

多くのアスリートが犯している間違いは、環境に関係なく同じように加速しようとすることです。 言うまでもない事かもしれませんが、競技用のブロックスタートと芝での3ポイントスタートでは見た目が大きく異なります。 この2つのタスクは大きく異なるものではありませんが、結果としてのメカニクスは異なります。

シューズと路面の違いは、初期の加速テクニックに影響を与える最も重要な2つの環境的制約となります。簡単に言えば、シューズと路面のグリップ力が高ければ高いほど、より水平方向への自身の投射が可能になります。 アスリートは、グリップ性の低い環境では、相対的に垂直方向に投射する事で調整しなければなりません。たとえば、国際大会でのエリート男子スターターの投射角度は 35 度未満である可能性があります。 しかし、同じスプリンターが濡れた路面や非常に乾いた芝生の路面でフラットランニングをしている時に同じ角度の投影をしようとすると、スリップしたり,つまずいたり,効率的に加速できない可能性が高くなります。

爪先を引きずって(つまり、踵の低いリカバリーをしようとしている)投射角度が低い環境で足を引きずっていると、不適切なメカニクスになり、スイングレッグの「キャスティング動作」や、最初の接地が重心よりも前に出すぎるような接地になる事がよくあります。

「爪先を引きずっている」または、「踵の低いリカバリー」で加速する事を最初の出発点とするのではなく、アスリートは、タスクと環境に最も適した方法で動くべきであることを忘れてはいけません。

踵のリカバリーが低い事は、多くの場合加速が成功した事によるものであり、それは原因ではありません。 クリスチャン・コールマンが世界最速のスターターなのは、ヒールのリカバリーが低いからではありません。世界最速のスターターだからこそ、彼はヒールのリカバリーが低いのです。

この記事のパート2では、バイオメカニクスの第1原理に基づいた初期加速のコーチングのより効果的な手段として、個々のアスリートのユニークな能力を尊重しながら、私たちが感じていることを紹介します。

最後までお読みいただきありがとうございました。

STUART MCMILLAN
ALTIS CEO



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