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THE ART of the SPRINT : For Coach Tom Tellez and the Santa Monica Track Club Speed Demons, the Point Is Not Just Winning the Race, but Perfecting the Run. 訳⑩

 どうもアクセルトラッククラブの草野です。前回に続き、敬称は記事に合わせて略させて頂きます、ご容赦ください。
原文は以下から↓ 

 デローチは最初に落選した。彼の足はインディアナポリスのレースまでには治らず、不適格とされた。
『今、彼はどれだけ競技に献身的になるかを決めなければならないだろう』
『もし彼が十分に献身的であれば、夏の終わりにはヨーロッパに戻ってくるだろう。そして来年には世界選手権がある』
そうテレツは話していた。

 熱心な陸上ファンでない人達に向けて伝えるなら、6月19日から28日にニューオーリンズでの全米選手権での結果はにわかに信じがたいものであった。
バレルは100mの予選を順当に通過した。しかしスタートブロックで不快感をおぼえ、決勝では不正スタートの申告を受けてしまった。なんとか代表権は手にしたものの、記録や順位は予想を裏切る結果となった。そして、世間では未知の存在であった2人、ウィザースプーンとマーシュが主役となった。ウィザースプーンは人生最高のレースをして100mで二位に入り、代表権を手にした。マーシュもシーズン序盤の前評判通り200mでバルセロナへの切符を手にした。ウィザースプーンとマーシュは共に、バレルと一緒に4x100mリレーチームの代表に選ばれた。

 一方、ハードは100と200の両レースで決勝に進めず、ルイスも200mでは4位、100mでは6位と絶望的な結果となった。これはリレーチームの補欠出場のためなら十分な成績だったが、彼はそれを辞退した。ルイスは100mのレース後、体調が良くないことをほのめかしていた。実際、副鼻腔炎にかかっていることが判明した。彼が15歳だった1976年以来、ルイスがアメリカのリレーチームに入れなかったことはなかった。
『誰のせいでもない、自分のせいだ。今週はずっとフラットな感じだった』
と彼は言って、
『今度は私が傍観者としてチームメイトを応援する番だと思うよ』
と、気さくに付け加えた。

 今年のトライアルの結果を評価するには二つの方法があるように思われる。一つは、バルセロナでウィザースプーンとマーシュがメダル獲得に向けて好位置につけたことで、テレツの哲学が見事に証明されたということ。
もう一つは、ルイスがこの一週間で聞いてきた事と逆のことをしてしまったということ。

 第三の視点はテレツに任せたいと思う。彼は勝負の価値を下げたくない、オリンピックの価値を低下させたくないと彼は言うが、彼はより大きな明確にしたいヴィジョンがある。
『君が負けた時、君はただレースに負けただけにすぎない。君は失敗していない。君の哲学は失敗していない』
と彼は言う。哲学そのものは、浮き沈みを乗り越えていくために必要な不屈の精神ほど重要ではないと彼は考えている。
『真の試練は、再び立ち上がり、懸命に練習し、成功することだ。諦めるな。目標は最高のレースを走ること、最終的には究極のレースを走ることだ。たぶん私はそれを見るために十分に長生きするだろう』

By HOWARD KOHN
JULY 19, 1992 

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