シリーズ「霊の中に生きる」 No.12人の霊(12)④

シリーズ「霊の中に生きる」 No.12
人の霊(12)④

●聖書の最高の教えは『霊の中に生きる』ことです。

シリーズ「霊の中に生きる」の第12回目です。

今回も「人の霊」について扱います。
今日はその第4回目です。

プレローマ

満ち満ちたエクレシア(教会)の奥義なるキリスト

人の霊(12) - 牧師の書斎

3.「プレーローマ」としてのキリスト


●パウロも「あなたがたの中におられるキリスト、栄光の望み」のことを「奥義」だと言っています。

【新改訳2017】
コロサイ人への手紙1章25~27節


25

私は神から委ねられた務めにしたがって、エクレシア(教会)に仕える者となりました。あなたがたに神のことばを、
26

すなわち、世々の昔から多くの世代にわたって隠されてきて、今は神の聖徒たちに明らかにされた奥義を、余すところなく伝えるためです。


27

この奥義が異邦人の間でどれほど栄光に富んだものであるか、神は聖徒たちに知らせたいと思われました。

この奥義とは、“あなたがたの中におられるキリスト”、栄光の望みのことです。

●パウロは神から委ねられた務め、つまり「神のことばを完成させる務め」を与えられました。

回復訳は25節を以下のように訳しています。

わたしは、神の執事職にしたがって、その奉仕者になりました。それは、あなたがたのためにわたしに与えられたものであり、神の言を完成するためです。

●下線の「神の言を完成するため」の部分は、原文では「神のことばを満たすため」となっています。

「満たす」は「プレーロー」(πληρόω)です。

新改訳は26節で「(神のことばを)余すところなく伝えるため」と訳しています。

いずれにしても、パウロの神のことば(「ロゴス」λόγος)を「完成させる務め」の中心は「神の奥義としてのキリスト」と「満ち満ちたキリストをかしらとするエクレシア(教会)」を啓示することであったのです。

パウロの祈りは以下において、その頂点を極めます。

【新改訳2017】
エペソ人への手紙1章20~23節


20

この大能の力を神はキリストのうちに働かせて、キリストを死者の中からよみがえらせ、天上でご自分の右の座に着かせて、


21

すべての支配、権威、権力、主権の上に、また、今の世だけでなく、次に来る世においても、となえられるすべての名の上に置かれました。


22

また、神はすべてのものをキリストの足の下に従わせ、キリストを、すべてのものの上に立つかしらとしてエクレシア(教会)に与えられました。


23

エクレシア(教会)はキリストのからだであり、すべてのものをすべてのもので満たす方が満ちておられるところです

●下線の「満たす」と訳された語彙は「満たし続けていること」「満ち満ちている状態」を意味する名詞「プレーローマ」(πλήρωμα)です。

その方こそ「キリスト」です。

「神は、ご自分の満ち満ちたものをすべて御子のうちに宿らせ」(コロサイ1:19)にある「満ち満ちたもの」も同じく「プレーローマ」です。

また「満ちておられるところ」と訳されている語彙は、「満ち溢れる」を意味する動詞の「プレーロー」(πληρόω)の分詞です。

つまり、一杯になって「溢れ流れる状態」を意味します。

このことは霊の中にある直覚によらなければ到底理解することはできないことです。

生来の知性では悟ることができないのです。

エクレシア(教会)の本質を理解することが困難なのはこの所以です。

しかしエクレシア(教会)の本質的な理解こそ、New Creatureとされた者にとってはきわめて重要なのです。

そのために「知恵と啓示の御霊」が不可欠であり、「心の目がはっきり見えること」が必要なのです。

プレローマ

満ち満ちたエクレシア(教会)の奥義なるキリスト

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