シリーズ「霊の中に生きる」 No.4人の霊(4) ④

人の霊(4) - 牧師の書斎

聖書の最高の教えは、
「霊の中で生きる」ことです。

集める

2.

「集める」という語彙の本意

イェシュアが「一つも無駄にならないように、余ったパン切れを集めなさい。」と言って、弟子たちが集めると、「大麦のパン五つを食べて余ったパン切れで、十二のかごがいっぱいになった。」とあります。

それが意味することはこうです。

(1)

かご」と訳された語彙は聖書では二つあります。

一つは「コフィノス」(κόφινος)、もう一つは「スピュリス」(σπυρίς)です。

ここでは前者の「コフィノス」(ヘブル語は「サル」סַל)で、地のすべてを含むキリストを表すメタファーです。


(2)

十二」は「神の惜しみない恵み、いのちを与える神の完全で究極的な豊かさ」を表わす象徴数です。


(3)

いっぱいになる」は「キリストによる豊穣、充溢、盈満、無尽蔵としてのあふれ」を意味します。


(4)

集める」は「スナゴー」(συνάγω)で、「天からのパンを集めて、それを食べることで生きる」ことを意味します。

それはキリストに「とどまる」「住む」ことをも意味します。しかもここでの「集める」はアオリスト命令形で、自覚的に、主体的に「集める」ことが命じられています。

このことを使徒パウロは、以下のように語っています。

「私は、すでに得たのでもなく、すでに完全にされているのでもありません。ただ捕らえようとして追求しているのです。そして、それを得るようにと、キリスト・イエスが私を捕らえてくださったのです。」

(ピリピ3:12)。

このことを【恩寵先行・信仰後続の論理】と言います。パウロはすでにキリストによって与えられたものを無駄にすることなく、それを獲得しようとして追求していると言っているのです。

この話は、ヨシュア記が啓示している「乳と蜜の流れる地」を嗣業とすることと似ています。


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