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初めての衝撃。あまりにも鮮烈な『一歩』を魅せたSideM 8th STAGEの話

SideMというコンテンツに触れたことはあるだろうか。この記事を読んでいる方は、きっとSideMのファンか、プロデューサーだとは思うが、かくいう筆者はFRAME担当Pである。P歴は6年目。各種ゲームは勿論、3rd〜8thまでの周年ライブや、プロミ、PRSや山梨視察など様々な形でSideMに触れてきた、Mくん大好き一般男性オタクである。

そんな自分のプロデュース活動のなかで、脳天をブチ抜かれた経験が2回ほどある。1度目は、3rd仙台2日目で握野英雄のパフォーマンスを観た時。そして2度目は、先日行われたばかりの8th STAGE Day1の『リトルマイシューズ』を浴びた瞬間だ。

繰り返すが、筆者はFRAME担当である。もふもふえんについては、「Compass Gripper!!!」でFRAMEと合同曲をやっているなどの接点はあれど、正直彼らの解像度は高くないところがあり、リトルマイシューズに関しても事前の予習でAメロとサビをちらっと、聴いた程度。志狼くん可愛いね〜ぐらいの感想しか正直抱いていなかった。

そのため、8thを迎えるにあたっても、担当のこと以外は特段頭になかった。

FRAMEに早く会いたいな〜で迎えた8th当日。すんごい人の数。いや多い!!!!!!フォロワー見つけるのですら何十分も費やしてしまい、挨拶もまばらに開場時間となる。フラスタを見る余裕もなく、Level5の座席につくと、いよいよ開演の時刻となった。

楽しい手拍子の全体曲「Hands & Claps!」から始まる勢いのあるオープニング。声援もコールも心地よい。曲が終わり、着席しかけたところで、熱望していた木村龍ソロ「SPARKLE SIGN」のイントロが流れる。あっという間に煌めきで包まれるKアリーナ。その熱量はLevel7まで一瞬に包み込み、俺Pの脳は言うまでもなく焼き切れた。意識が朦朧とするなかで目にしたのは、握野英雄の「アトモスフィア」。FRAMEの中でも、とりわけ彼のことを強く熱心にプロデュースしてきたこともあり、その歌声に、姿に情緒をぐっっちゃぐちゃになった。おしまいBABYである。さらにはトドメのみんなで歌おうSideMメドレーとかいう『ぼくのかんがえたさいきょうのさいどえむ』をブチ込まれたお陰で、Pの脆弱な肉体が保てるわけもなく、蕩けたその身にはいよいよ感情という概念すらなくなり、悟りに至る寸前となった。阿頼耶識に覚醒するかと思った。そんな気持ちでステージをぼんやりと見つめていると、激しいライティングと共にダンサーズのパフォーマンスが始まった。これが、運命の出逢いのイントロであることを、まだ俺Pは知らない。

ダンサーさん凄いなあ。すげー、かっこいいー。
お、誰かでてきたぞ…あれは志狼くんか。いや、えっダンス凄 ダンス凄い凄い さすがDa値 かっこいいな………などと思っていた、刹那。
軽快な歌声がアリーナに響いた。

【               】

思わず息を呑んだ。なんだこの歌声は。
サウンドが流れる。ライトに照らし出されたのは、橘志狼と古畑恵介氏(以下敬称略)が溶け合った1人のポップスター。ヘッドマイク?いや踊りすぎでは?自信に溢れた表情で、バックダンサーを率いる姿。たったの数秒ライトを浴びただけなのに、まるで閃光で支配されたように、空間が『持っていかれた』。視線を外せない。声を出すことができない。一挙手一投足から、一目で分かった、「圧倒的な努力の結晶たる究極」を、初手から全力でぶつけられた。

何を見せられているんだ、 が当時最初に頭に湧いてきた言葉であった。未だにそう思っている。

大前提、SideMのキャストはプロのダンサーで構成されているわけでもない。何なら、舞台でのパフォーマンス専業ではなく、声優や役者としての活動がメインのキャストが殆どである。それなのに、だ。眼前に広がる光景は何なのだ。ダンサーたちの中心で、とびきり光るキレキレのブレイクを決める、伸びやかに歌いながらダンスを見せる彼は何なんだ?

やっぱり彼が?

と思う。最強1番、とは決して背伸びではなかったのだ。橘志狼がステージに立つ時、SideMライブではお決まりのコールがある。志狼くんのやっぱりオレが?に対してさいきょーいっちばーん!と返す恒例のコーレスだ。ただ、ある意味形式的なコーレスに、今まで深くその意味や想いを推し量ろうとしてきたことはなかった。担当アイドルのことばかりで、橘志狼や古畑恵介が放つその言葉に込められた真意を、考えようとしたこともなかった。

誰よりも、本当に最強のアイドルになろうとしてるんだ。「真」に迫るステージを、本気で魅せようとしているんだ。これが、彼が見せたかったものなんだ、と。

目頭が熱くなっていることに気づく。でも、楽しくてしょうがない。ずっと観ていたいと思う、そんなステージ。ライトと音が収束し、橘志狼が吠える。湧き上がる歓声。

『『 どうだーッ!!』』

ピースサインが暗闇に溶ける。鳴り止まない歓声と拍手。ペンライトの光が揺れる。涙が溢れる。リスペクトが止まらない。こんなのが観れるなんて思わないじゃないか。これがSideMの到達点か、と感慨に耽りそうになる。

だが。
公演が終わった後の彼のポストには、こんな言葉が綴られていた。

そう、これは『一歩』に過ぎないのだと。
いつかこの感動的なパフォーマンスを披露したこのステージが、小さなステップの一つだったと言える日が訪れるのだと。

凄すぎるだろ。何者なんだ、あなたたちは。

あれからもう4日が立つ。
しかし、この胸に焼き付けられた熱が冷めることはない。リトルマイシューズ。橘志狼と古畑恵介が歩んでいくこれからの道を、ずっとずっと、見届けていきたいと思う、そんな忘れられないSTAGEとなった。

さぁ、君も彼らの一歩を見届けよう。
志狼くん、ふーくん、最高の時間をありがとう。


文: 神威ゴクウ



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