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うんこミュージアムに行ってきたレポ

1月某日、SNSなどでずっと話題になっていた「うんこミュージアム」に行ってきました。

気になってはいたものの、「何がなんでも行きたい」という気概があるわけでもなく、いつか行ってみたいなあくらいに思っていました。

しかしひょんなことから、会社の先輩や後輩、そのお子様たち数名で行ってみることに。

事前にチケットを購入したのですが、チケットには入場時間が1時間刻みで指定されていました。たぶん混んでるんだろうなあという予想。われわれは休日の13時〜14時の入場です。

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当日行ってみると、やっぱり結構混んでいました。入り口には100人くらいの入場待ちの列が。

テーマは「日本のカワイイ文化の頂点であるうんこ」らしいです。

そうなのか。カワイイの頂点はうんこだったのか。あらゆるカワイイものヒエラルキーの上に君臨するうんこを思い浮かべました。たしかに頂点に位置するに値するようなフォルムをしているのかもしれません。

20人くらいずつ、ドアの奥に吸い込まれていきます。奥では何やらミュージアムの説明が行われているよう。定期的に「うんこおおおおおおおおおおお」という雄叫びが聞こえます。子どもの無邪気な声であったり、お父さんの図太い声であったり。外で並んでいる面々は、いずれ自分たちもうんこへの愛を叫ばなければいけない運命にある、ということを悟るのであります。

数回「うんこおおおおおおおおおお」の雄叫びを聞いたところで、いよいよ入場です。

一緒に入場したメンバーは、10歳以下のお子様とお母さんやお父さんが多かったでしょうか。あとは、若いカップルがちらほら。

ミュージアムの紹介ムービーを見て、スタッフさんの説明を聞きます。
「ありがとうんこ〜」「おはようんこ〜」というように、語尾に必ずうんこを付けるスタッフの皆様。まるでそういう言語があるかのよう。日々生活をする中で、うんこという言葉を発することはあんまりないし、聞くこともあんまりないのですが、この5分くらいでうんこ1ヶ月分を浴びたような気分でした。

「みなさん、ミュージアムの中に入るには、あの言葉を大きな声で叫んでいただく必要があります。わかりますよね!」

わかりますわかります、散々聞きましたよ。
入場待ちをしている間に「うんこおおおおおおおおお」の声が漏れていることを、ネタバレじゃないか?と若干気にしていましたが、このタイミングで老若男女が恥ずかしがらずに「うんこおおおおおおおおお」と叫ぶためのしかけだったんですね。だって、いきなり「うんこって叫んでくださいね」って言われても、なかなか叫びづらいじゃないですか。「う、う、うんこ…!」くらいのテンションになると思います。入場前の参加者にうんこの雄叫びを散々浴びせておくことで、「こういうテンションなのかあ」と理解してもらう、大事なしかけだったようです。

そうしてまんまと元気に叫んだわけです。

ミュージアムの真髄へ

※ネタバレを含みます。

はじめは、Instagramでよく見かけるカラフルな便器たちのお出迎えです。そう、カラフルなんですよね。決してうんこカラーではなく、ミュージアムはピンクや黄色、水色やオレンジなど、パステルカラーを基調としたうんこにまみれていました。これはカワイイ「うんこ」なのか、うんこ型をした「カワイイ」なのか…。もしうんこカラーのミュージアムだったとしたら、カワイイとはまた違ったものになったかもしれない…。いや、セピアカラーということで、ノスタルジックなかわいさを表現できたのかも…。いや、やはりうんこを日本のカワイイカルチャーに仕立て上げるとするならば、カラフルうんこに落ち着くのだろうな…。

とかなんとか思いつつ、カラフルな便器に誘導されました。ここに座って踏ん張ると、マイうんこをゲットできるのです。

「キラキラキラン」の音楽とともに便器の中にあらわれた、わたしの緑色のうんこ。ほうれん草みたいな緑でした。リアルでごめんなさい。スタッフにうんこに挿す棒を渡され、まるで魔法少女の変身ステッキのようになった緑色うんこ。うんこ棒を振り回しながら会場をまわります。

うんこの魔法にかけられた我々が見たのは、至るところに設置された「カワイイ写真撮影エリア」でした。天井から吊るされたカラフルうんこ、ネオンカラーのうんこウォール、ロココ調のようなうんこスイーツ部屋、覗き込むと目にうんこのキラキラが入り込むミラー。

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こ、これは…。Instagramやる人が来るところや…。と思ってしまいました。絶対妊娠後期の人間が来るところではないのです(このとき8ヶ月)。ちょっとお酒を飲んで、わーい、とほろ酔い気分でテンションを上げて来るところや…。

会場にいたキッズたちは、純粋にうんこボールプールやミニゲームを楽しむ軍団と、お母様たちに写真撮影されている軍団とに分かれているように見えました。うんこステッキを持って「うんこー」と言い続ける(言わされ続ける)子どもたちは、いったいどういう気分なのでしょうか…。家では「うんこ」なんて口にしたら「汚い言葉は言いません!」とかって注意されるのに、ここは言い放題だなんて…!パラダイス!なんて思っていそうなキッズはほとんどいないように見えました。むしろ「なんでみんな堂々とうんこって言っているの…(困惑)」のような表情をしていました。

ちなみに、一緒に行った会社の先輩のお子様方は反応がバラバラ。純粋にボールプールを楽しむ3歳、全く興味を示さずポケGOをし続ける5歳、圧倒されながらも素直に楽しむ11歳。

カップルで来た方々も、女性の方がテンションが高ければよいものの、ミュージアム=博物館や美術館を想定して来ているのではないかと思われる方々(違ったらごめんなさい)は「oh…」みたいな表情を浮かべていました。たぶん私も夫と来たら、「oh…」となるはず。

「クソゲーコーナー」の人気ゲームは、200分待ちというかなりの混雑ぶり。ここはミュージアムではなく、テーマパークなのかもしれません。

わたしが(唯一)心揺さぶられたのは「世界のうんこ」の展示でした。各国のうんこのおもちゃやうんこグッズが展示されているのですが、全部あのフォルムのうんこなんですよね。グルグル巻きの。

実際、そんなフォルムをしたうんこなんて見たことないのですが、あのグルグル巻きが世界共通だなんて…。過去、カートゥーンの世界でうんこ伝道師みたいな方がいて、このグルグル巻きの架空うんこを広めたのだろうか…。いや、もしかしたら、わたしの見たことのあるうんこが特殊な形をしているのであって、一般的なうんこはグルグル巻きなのか…?他の人のうんこなんてそうそうお目にかかれないので、実は人間の9割方はグルグル巻きうんこなのかもしれない…。「わたし実はグルグル巻きうんこだよー」って人はこっそり教えてほしい…。

というどうでもいいことを考えながら、疲れてしまったので会場を後にしました。

結論

そう、うんこミュージアムは私のような美術館や博物館、ギャラリーなどが好きで、世の中的にはどちらかというと陰キャラというかインドア派というか、美術館の入り口の説明文とか全部くまなく読んだり、作者の人生とか背景とかを聞いて楽しんだりするようなソフトオタク向けではなかったのであります。

日頃から自撮りを楽しみ、カワイイショットを求めて日々過ごしている方々向けのテーマパークだったのです。どちらかというと。たぶん。

※自撮りをすることとか、Instagramをやっていることを批判しているように聞こえたらごめんなさい。わたしはやってないっていうだけで、やってる方々にとってはきっとおもしろい施設です!保証はできないけど!

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