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これが世界なのだ

20231223


目がよく見えなくなる夢を見た

書き留めようと思ったけれど、忘れてしまった


見知らぬ街の市場でわたし、見たことない魚の死骸を鷲掴にし、その死んだ目に釘付けだった

ぬめぬめした表皮の感触に、お酒に酔うさまさえ知らないわたしは、狼狽え、恐怖し、吐き気をおぼえた

それからは嘔吐ばかりだ

あのぬめぬめした感触が、うそいつわりのないわたしの原風景をすらあの魚のあの肌の感触へ変容させていく

幼いころに嗅いだ、あの果実、あの生魚の匂いが鼻を突く

わたしは喉を押さえ、こらえる

こらえる、

こらえる。


こらえる。

おさえる。

のぼせる。


すべてに、

すべてを、

世界を。


街も車も人混みも、守られて生きたことしかなかったわたしを飲み込んだ


わたし、自分の若さ幼さに、怖気づくことしかできなかった

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