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【デュエプレ】BATTLE ARENA4th 決勝戦 ゆーた/Nova vs そーすやきそば【カバレージ】

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準決勝、ゆーた/Novaは極めて判断の難しい【青単テクノロジー】のプラン――《インビンシブル・テクノロジー》を唱えるか、並べて《クリスタル・ツヴァイランサー》で行くのか――を見事に使い分け、【白緑ブリザード】に勝利した。

Novaはチーム名で、その正式名称をNova Finasという。ユーザー同士が集まって結成されたチームで、調べたところメンバーは30名ほどいるだろうか。少なくとも私の目には大所帯に映っている。

……デュエプレにはこうした”チーム活動”が多い。ランキングを見ても、「@○○」や「/○○」といった名前をよく見掛ける。また、チーム同士の対抗戦といったものも行われているようで、ここ1年でのユーザーコミュニティの発展は凄まじいものがある。

また、そうしたチーム活動が活発になる背景には数々のユーザー大会が開かれていることも忘れてはならない。

こうした経緯があるからこそ、ゆーた/Novaが魅せた正確なプレイの数々も、納得のいくものがある。2試合ともトリガーが絡む際どいものであったのは間違いないが、それ以前にゲームプランニングや判断の正確性というのは、実に鮮やかなものだった。特に彼はユーザー大会の参加数も非常に高いという。

チームメンバーとの経験の共有、大会参加による練度の向上……これらが彼を決勝に導いたのは間違いないだろう。

対してそーすやきそばは、前回チャンピオン。前回のチャンピオンには非常に強力なシード権が与えられるとはいえど、2大会連続の決勝進出が偉業でないはずがない。

使用しているのは、《ストリーミング・ビジョン》が殿堂後も未だ強力な【青単ツヴァイランサー】だ。

準決勝の相手は【黒緑速攻】を選んだlotasだった。特に第2ゲームは2ターン目をパスというツヴァイとしてはかなり厳しい状況だったものの、《封魔ヴィネス》を巡る駆け引きを読み切り、最後は《アクア・サーファー》の救援もあって見事に勝利を手にしている。

デッキはゆーた/Novaが【青単テクノロジー】で、そーすやきそばが【青t白ツヴァイランサー】。

極めて近くありながら、限りなく遠い両者のデッキ。

あれ、ちょっと肥えたかな? と思しき松さんを解説席に迎え、いよいよ決勝が始まる。


Game1

デュエプレの現環境を追っていない方のために、一旦デッキの説明をしておきたい。

【青単ツヴァイランサー】は、リキッド・ピープルを4体場に並べることでタダ出し可能になる《クリスタル・ツヴァイランサー》を生かした攻撃的なデッキである。

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手札補充である《ストリーミング・ビジョン》が殿堂で1枚制限となったものの、それでも他のドローソースを追加したり、或いは《ホーリー・スパーク》のようなトリガーを追加することで対応している。

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序盤から小型を並べることが必須で、《クリスタル・ツヴァイランサー》を引けばわかりやすいが、毎試合そうとは限らない。上手く引けなかったときにどう攻撃していくかの判断が難しいデッキでもある。

対して【青単テクノロジー】は、マナゾーンが水文明だけのとき7コストで唱えられる《インビンシブル・テクノロジー》を生かしたデッキとなっている。

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このカードは「手札が10枚になるように引いて、任意の水のクリーチャーを場に出す」というものだが、ブロッカー持ちWブレイカーで手札9枚以上のプレイヤーがいるときにタダ出し出来る《ルナ・コスモビュー》を並べたり、引いた手札から小型を並べて《クリスタル・ツヴァイランサー》+《超神星マーキュリー・ギガブリザード》を作って安全に殴り倒すというフィニッシュを想定している。

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こちらも【青単ツヴァイランサー】のような戦い方も場合によっては選択することになる。ただし採用しているリキッド・ピープルの枚数はツヴァイのそれよりは当然少なく、このプランに不要な《ブレイン・チャージャー》のようなカードも採用されている。

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《ブレイン・チャージャー》から《電脳海王ネオングライド》のようなカードで耐えて《インビンシブル・テクノロジー》を目指すか、或いは引いた小型を並べて《クリスタル・ツヴァイランサー》で攻めるか、プランニング力が問われることになる。

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採用カード自体はかなり近しいものの、それぞれ性質の違うデッキなのである。

さて、ゲームは序盤で《アクア・サーファー》を4枚引かされて苦笑いを浮かべるゆーた/Novaに対して、そーすやきそばは2→3と動いたもののツヴァイまではもう1枚不足しているというような手札であった。

互いに盤面にクリーチャーを並べ合い、牽制する。

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4ターン目、引いた《インビンシブル・テクノロジー》を埋めざるを得なかったゆーた/Novaの動きを見てか、そーすやきそばは《アクア・トリックスター》を追加から、パワーに勝る《アクア・ハルカス》が攻撃を敢行。

ところがこの1点が値千金の《アクア・ガード》をゆーた/Novaにもたらし、続くドローで《アクア・ハルカス》を引いたことで盤面に《クリスタル・ツヴァイランサー》が降臨する。

さらに《アクア・スクリュー》から引いたカードは《電脳海王ネオングライド》に《インビンシブル・テクノロジー》という欲張りセット。苦慮していた手札が突然化け、盤面有利を築くまでに至ったのだ。

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《インビンシブル・テクノロジー》が唱えられたら、ゲームは終わる。

こうなるとそーすやきそば側としては、《超神星マーキュリー・ギガブリザード》に全てを託すしかない。

《アクア・ガード》から《超神星マーキュリー・ギガブリザード》を展開し、《電脳海王ネオングライド》をケアするためにタップ状態に……つまり攻撃を仕掛ける。

ゆーた/Novaはこれをブロックしたものの、テクノロジーを封殺されている状況では彼も大きなアクションは取れない。まして、このマーキュリーを退かすことの出来る《アクア・サーファー》は全てマナに置かれてしまっているのである。ここは特に何もない《電脳海王ネオングライド》を出すのみとなった。

そーすやきそばは続くターンで《アクア・ハルフォート》を場に出し、徐々に盛り返していく。やはりネオングライドがキツいため、ここでもあらゆるリスクは承知の上で、攻撃に向かう。

ゆーた/Novaのシールドは残り1枚。以前優勢ではあるものの、「或いは」でひっくり返ってしまう緊迫した状況になってきた。

とはいえ増えた3枚の手札はさすがに大きく、《アクア・ハルカス》の連打から《超神星マーキュリー・ギガブリザード》が降臨。そーすやきそばの唯一の攻め手であるマーキュリーに相討ちを申し込むが、さすがにこれはブロックで拒絶される。

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そーすやきそばは《アクア・サーファー》を召喚し、マーキュリーを戻して最後のシールドを割った。

返しにマーキュリーは間違いなく着地されてしまうので、そーすやきそばの勝ち筋はトリガーの《アクア・サーファー》となる。相手のツヴァイランサーの枚数次第では、要求枚数がさらに増える。

一方でゆーた/Novaとしても、これは最後のターンだ。

マーキュリー、ツヴァイを2体、そしてネオングライドを並べ攻撃に向かう。

上の3点で踏まなければ何も起こらないのだが、決勝の舞台はそうはなってくれない。そーすやきそばの《アクア・サーファー》がトリガーされた。

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しかしここでそーすやきそばも悩むことになった。残り2枚のシールドに《アクア・サーファー》を期待するか、《ホーリー・スパーク》を期待するかでバウンス対象が変わるからだ。

見えている枚数はともに2枚ずつ。ここは《クリスタル・ツヴァイランサー》を戻し、もう1枚の《アクア・サーファー》に期待を掛ける選択をする。

が、残る2枚のシールドには何も眠ってはおらず、ゆーた/Novaは安堵の表情でダイレクトアタックを宣言した。

ゆーた/Nova 1-0 そーすやきそば


Game2

先攻をとったのは後がないそーすやきそば。《クリスタル・ツヴァイランサー》と小型を引けているまずまずの手札。

対してゆーた/Novaは、またもや手札にトリガーを抱えさせられてしまった。冴えない表情で《スパイラル・スライダー》を唱えて、小型をバウンスしていくしかない。

処理を要求し続け、手札を充実させながら並べていくそーすやきそば。《ブレイン・チャージャー》を引ければ事情も変わっていたが、それも許されなかったゆーた/Nova。決死の《スパイラル・チャージャー》を打ったものの、ツヴァイの着地を止めるには至らない。

先攻6ターン目、万全を期して現れたそーすやきそばの2体のツヴァイランサーに対し、ゆーた/Novaはトリガーに期待するのも酷という状況。《アクア・サーファー》はマナに埋めたし、既に《スパイラル・スライダー》は手打ちしているのだ。

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4本の槍に貫かれ、「これはしょうがない」といったようなゆーた/Novaの表情を残して、第2ゲームはわずか4分半でそーすやきそばの勝利となった。

ゆーた/Nova 1-1 そーすやきそば


Game3

最終戦で先攻を取ったのはゆーた/Nova

今度は《アクア・ハルカス》が初手にあり、表情は幾分穏やかだった。何より、《アクア・サーファー》がいないのが嬉しい。

対してそーすやきそばも後手ながら充分な手札をもらっていた。殿堂カードである《ストリーミング・ビジョン》があるため、状況が悪くても最悪にはならないのも大きい。

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ゲームはそーすやきそばの後手2ターン《アクア・スクリュー》に対して、ゆーた/Novaが3ターン目に《アクア・ハルカス》を置く展開。

そーすやきそばも負けじと《アクア・ハルカス》を並べ、続くターンの《クリスタル・ツヴァイランサー》の着地をチラつかせていく。

続くターン、ゆーた/Novaが引いたのは待望の《ブレイン・チャージャー》。

しかし彼はこれに飛びつかない。ノータイムで唱えてしまいそうなこのカードを温存し、唱えたのは《スパイラル・スライダー》。あくまでツヴァイの着地を阻止していく。

そーすやきそばはこれを見て猶予があると判断したのだろう。場を並べるのではなく、《ストリーミング・ビジョン》を唱えることを選択した。

実際のところ、ここで《アクア・ガード》を複数抱え込めていたらまた状況も違っていたのだが、残念ながら1コストを引くことは叶わなかった。

そしてそれは、この2試合辛抱続きだったゆーた/Nova側に主導権が回ったことを意味していた。

続くターン、温存していた《ブレイン・チャージャー》を唱えて次のテクノロジーを予約しつつ、盤面に残った《アクア・スクリュー》を《スパイラル・スライダー》でバウンス。そーすやきそばの盤面は、空になってしまった。

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この柔軟性こそが、まさに【青単テクノロジー】の神髄だ。

前の2ゲームで耐えつつづけたゆーた/Novaは、決勝の最終ゲームでこのデッキの力を見事に披露してみせたのだ。

こうなると、あとは美味しいご褒美が待っている。

6ターン目、待望の《インビンシブル・テクノロジー》が、ゆーた/Novaの手から唱えられた。

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《電脳海王ネオングライド》によって再び盤面は更地にされたことで、そーすやきそばはまだツヴァイに至れない。2コス3体を並べてターンを渡すが、それは当然テクノロジーに対して何も出来ずに返してしまったことを意味していて……。

7ターン目、ゆーた/Novaは2体の《クリスタル・ツヴァイランサー》に《超神星マーキュリー・ギガブリザード》が並び立つ。

【青単テクノロジー】が目指す、理想の盤面。超科学が作り出す、エデン。

もちろん《アクア・サーファー》→《ホーリー・スパーク》の順序で踏めば逆転となるのだが……。

しかしゆーた/Novaは先にスパークを踏み抜き、これをマーキュリーで無効化。その後《アクア・サーファー》を踏むという王者の風格を纏わせ、最後は《電脳海王ネオングライド》がダイレクトアタック。

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歓喜というより、疲労と安堵が入り混じった様子の新王者が誕生したのだった。

ゆーた/Nova 2-1 そーすやきそば


――

「自分にテクノロジーを教えてくれて、本当にありがとうございます」

試合後のコメントで、チームNova Finasのメンバーにそう感謝を示したのが印象的だった。

「Novaが最強です」

彼のその言葉は、決して強がりではない本心だろう。何せそれを証明してみせたのだから。

チームでデッキを決め、そして勝ち残ったチームメイトに全てを託す。

それはとても美しい光景だ。


冒頭にも書いたように、デュエプレにはチームが多い。今後もしばらく、各チーム同士の戦いが行われるだろう。

次回は別な景色が見えるかもしれない。

だが今回に関しては、本人の言葉を借りようと思う。

第4回は「Novaが最強」だったのだ。

おめでとう、ゆーた/Nova。そしてチームNova Finas

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――

おまけ

デュエプレ公式さんへ

紙の方もそうなんですが、大型大会なんかは試合ごとの切り抜き動画を作って欲しいです。試合を振り返りやすくなりますし、何よりみんなが喜ぶと思います。

(決勝開始は3:02:30くらいから)

なお文中の画像は、すべて公式カードリストおよび公式放送より引用しました。

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