【ポケットモンスターORAS】ガルーラ、ガブリアス、ゲンガーで見る6世代環境変遷

かみやんです。

今回はポケモンORAS(6世代)における環境変遷をガルーラ、ガブリアス、ゲンガーを中心に見ていきたいと思います。(XY環境は自分がそこまで詳しくないため割愛)

前こういうブログがあったんですけど消えてて悲しくなったので懐かしむために書いてます。

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まず、第6世代において特徴的な点は「メガシンカ」でしょう。現在のポケットモンスター剣盾においてこのシステムは存在しないので簡単に説明します。

メガシンカとは

メガシンカというシステムは現在存在するダイマックスシステムと少し似たシステムであるため比較しながら説明していきます。

共通点
・1バトル中に一度しかメガシンカできない

これは大きな共通点です。メガシンカ、ダイマックス共に1バトルで1度だけ行うことができます。

相違点
・ダイマックスはHPが倍になるが、メガシンカはHP以外の能力が強化される。
・技は本来覚えている技のまま戦う。
・1度メガシンカしたポケモンは交代してもメガシンカ状態が継続される。
・メガシンカできるポケモンは限られている。
・ポケモンの特性が変わる。

これらがダイマックスと比べた相違点です。
ダイマックスと比べるとどのポケモンがメガシンカしてくるかは選出時点でも予測可能ではありますが、単純に数値が伸びる(大体合計種族値が+100される)ことや特性が変わることで対処が難しいポケモンが多く存在しました。

その代表格が今回の記事のメインポケモンである、ガルーラ、ゲンガーです。(メガガブリアスはいますけどお世辞にも強いとは言えません。)

ではこの2体の強みを解説していきます。

メガガルーラ

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第6世代をプレイしたことがない方でも1度は名前を聞いたことはあると思います。
はっきりと申し上げると第6世代はメガガルーラ1強でした。
全てのプレイヤーはメガガルーラを採用するしないはさておき「いかにメガガルーラに場を荒らされずに処理するか」を念頭に置いて構築を組む必要がありました。
ではまず種族値と特性を見ていきましょう。

種族値:105-95-80-40-80-90(メガ前)
      105-125-100-60-100-100(メガ後)

特性:精神力、肝っ玉(メガ前)
    親子愛(メガ後)

種族値は平たいですが、メガ後特性の親子愛はガルーラ本体が技を繰り出した直後に子供が約半分の威力で繰り出すというもので、技のダメージが約1.5倍、さらには追加効果率、急所率が約2倍となるものでした。

これを加味した攻撃の実質種族値は197となり、現在、最大攻撃種族値を誇るカミツルギが181であるためその異常さがわかるかと思います。(なんなら覚える技がカミツルギの技より遥かに威力が高いため比べ物にならないぐらい違う)

次は技についてです。

メインウェポン:捨て身タックル.秘密の力.空元気.恩返し

サブウェポン:猫騙し.グロウパンチ.不意打ち.冷凍パンチ
炎のパンチ.噛み砕く.ドレインパンチ.地震.冷凍ビーム.火炎放射

初代ポケモン特有の圧倒的な技範囲+強力なメインウェポンによってほとんど受けは成立しませんでした。(当時純粋な耐久値で後投げで対応できたポケモンはカバルドン、クレセリアのみ)
最大威力を誇る捨て身タックルは意地っ張りA252振りでCSサザンドラやHAマリルリをワンパンするほどであり本当に並のポケモンは全て弱点をつかずとも処理することができました。

これを対策するためにガルーラの2回行動を逆手に取り、ゴツゴツメットによる削りを行うことが主流となっていました。

しかしそういった受けポケモンにはグロウパンチのAアップによる超火力や秘密の力のような非接触技による強引な処理。カバルドンに至っては冷凍ビームで一切触れずに2パンといった具合に対策は非常に困難でした。

しかしながらポケモンは技が4つしか覚えられないという決まりがあるため、相手のガルーラの素早さ、耐久などを対戦中に把握して型を予測、それに対する対策をぶつけることで上位プレイヤーは勝利をもぎ取りました。

大まかに当時の型は
1.猫騙しの有無
2.最速なのか準速以下なのか
3.物理耐久はどれぐらいか
4.パーティの並び

によって判別されていました。
これに加え、その時々の流行の型を最も意識し、対策が練られていました。

詳しい型などについては後の項で解説します。


メガゲンガー

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メガゲンガーはメガ後性能だけでなく、メガ前の性能の高さも評価され、多くの構築に採用されていました。
メガガルーラのような単純な火力の押し付けではなく、補助技を駆使した搦手によって多くの構築をに圧力をかけていました。
では種族値と特性を見ていきます。

種族値:60-65-60-130-75-110(メガ前)
      60-65-80-170-95-130(メガ後)
特性:浮遊(メガ前)
    影踏み(メガ後)

典型的な紙耐久高速アタッカーのような種族値です。
当時はメガ前特性が現在の呪われボディではなく、浮遊だったため地面タイプに鬼火などを駆使して非常に強く出られました。
メガ後は特性が影踏みとなるため、一度ゲンガーに不利なポケモンを対面させてしまうと確実に処理されてしまう上に2体目のポケモンも素早さがゲンガーよりも遅ければ道連れによって処理されてしまうため非常に厄介なポケモンでした。

次に技を見ていきます。

メインウェポン:シャドーボール.祟り目.ヘドロ爆弾
サブウェポン:凍える風.気合玉
補助技:道連れ.鬼火.催眠術.身代わり.滅びの歌.守る.金縛り

このように攻撃技の種類があまり多くないですが、ゴースト技に一貫性があることや影踏みと相性の良い補助技を高い素早さから放てる点が非常に強力でした。
このポケモンがガルーラよりも長けている点は影踏み+道連れのコンボにあります。

選出の段階で
こちらの構築において苦手なポケモンを影踏みでキャッチし、道連れで処理→こちらの裏のポケモンのストッパーがいないためそのまま勝利
といった流れを描きやすく非常にゲームプランを立てやすいポケモンでした。

さらにノーマル技と地震+不意打ちといった技構成のガルーラにはあえてゲンガーがメガシンカをしないことで鬼火を打って完封できる上にメガシンカをすればほぼ確実にガルーラを処理できるため、ガルーラキラーとして高く評価されていました。

この2体のメガシンカポケモンは第6世代において常に環境を支配し続けました。

そしてこれら2大メガシンカポケモンに対抗しうる代表的なポケモンがガブリアスでした。


ガブリアス

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第6世代の計17シーズンで常に使用率1位を維持し続けたのがガブリアスでした。フェアリータイプの追加などの逆風もありましたが、それを押しのけての大活躍はさすがといわざるを得ません。
言わずと知れた600族でありその中でも群を抜いて無駄のない種族値を有しています。
では種族値と特性を見ていきます。

種族値:108-130-95-80-85-102
特性:砂隠れ 鮫肌

種族値に関してはもう何も言うことはないですが、特筆する点はS102です。第6世代においてはメタの中心であったガルーラよりも早いという点が非常に評価されていました。
これに加え特性の鮫肌によってガルーラに接触ダメージを入れることができるためアタッカーポケモンの中ではガルーラに比較的強く出ることができました。
さらにこだわりスカーフを持たせることでメガゲンガーも一方的に地震で縛ることができ、環境に多かったボルトロスの電磁波を無効にするなど元のスペックに加えて環境的に強い要素が非常に多いポケモンでした。

次に技を見ていきます。

メインウェポン:逆鱗.地震
サブウェポン:岩石封じ.いわなだれ.ストーンエッジ.炎の牙.ダブルチョップ
補助技:ステルスロック.剣の舞.毒々.吠える

メインウェポンの2つでほとんどのポケモンに等倍以上で通すことができ、苦手気味の飛行タイプには岩技で対処できるため非常に広い範囲に打ち合うことができました。
特にこの世代から目覚めるパワーや冷凍ビームの火力が落ちたため、半端な氷技では落ちなくなり、対面性能はさらに上がりました。
ドラゴン対策で追加されたフェアリータイプはほとんどがガブリアスより遅い上に物理耐久が低かったため、後出しが成立しないパターンがほとんどでした。

以上のようにガブリアスにとって追い風となる要素が非常に多かったため、上位の構築ではメガシンカを要求しないというメリットを生かし攻める構築にはほぼ確実に採用されていました。

これら3体は多くの構築に同時に採用されることが多かったため、合わせてガルガブゲンと人々に呼ばれるようになります。

そしてこの3体は型や周囲のポケモンを変えながらお互いを対策し、メタを構築していくこととなります。その変遷をここから述べていきます。

XY環境(かなり大まかに)

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あまりやっていませんので詳しくは語れませんが、こういった構築がXY環境の結論に近いものであると認識しています。
ガルーラはクレセリアを突破してくる積みポケモンのストッパーとなるために猫捨て身型が多く、ガブリアスは襷orスカーフ、ゲンガーはガルーラでは突破できない受けループに勝つために滅びの歌採用が多かったように思います。ゲンガーの枠がキノガッサになったりスイクンの枠がマリルリになる等の変化もありました。

ORAS初期~中期(ガルクレセの衰退、対面構築の登場)

まず大まかな環境の流れとして、ガルクレセへの対策としてグロウパンチを搭載したガルーラが大幅に増加します。それに伴ってガルクレセが衰退し、ガルーラを可能な限り交代をせずに処理するという思考に移ります。
ガルクレセをメタるグロウガルーラを主軸に据え、格闘タイプの中でもゲンガーにも打点を持てるバシャーモ、悪戯心電磁波で運勝ちを量産するボルトロス、熱湯による負荷や最低限の物理受け性能を持つスイクンなどを採用し、1つの結論と呼ばれた構築が誕生します。

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所謂「厨パ」です。すべてのポケモンが単体として非常に強く、型が豊富で読みづらい、努力値振りも千差万別。同じ6体でも使う人によって全く違う姿を見せる構築でした。

代表的な厨パの構築を二つ用意しました。
同じ並びですが、1体も同じ型は存在していません。すべてのポケモンが違う型で採用されていながらも双方ともに結果を残していました。それほどまでにこの6体は性能が高かったのです。
第6世代はよくこの構築で環境が固定されているかのような表記を見かけますが、その実とても多様性に満ちた環境でした。

この当時のガブリアスはスカーフが多く、それも火力を維持するために意地っ張りの個体が多く見られました。
ゲンガーに関してはこの時期が最も最悪の時代で催眠術を採用したゲンガーが大量に沸いていました。
処理できる範囲が無限となりうる型ではあるため当然といえば当然ですが、当時の環境に生きていたものとしては本当に地獄でした。

第6世代を象徴するこの構築ですが、少しずつ環境から淘汰されていきます。
当時メジャーであった、グロウパンチ+秘密の力では突破し得ない物理受けが環境を支配し始めました。

ORAS中期(厨パの衰退、ガルカバの台頭)

グロウパンチ+秘密の力でクレセリアを破壊したガルーラでしたが、それのメタとしてカバルドンが台頭し始めます。カバルドンはグロウパンチに後出しすることであくびを撒き、ガルーラを退場させることが可能なため、有利にサイクルを回すことができるという点でこの時期に高く評価されました。

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カバルドンを採用するうえでネックとなる水タイプに強く出るためにボルトロスやキノガッサといったポケモンが採用されていますが熱湯に対する耐性がないため、ガルーラに空元気を採用する構築もちらほらと見受けられました。

カバルドンと同じ地面枠であるためガブリアスは少し姿を消します(カバがいない構築にはほぼ入ってます)がゲンガーはこのときが最も強い時代でした。
カバルドンの欠伸とゲンガーの影踏みの相性がよく、カバルドンの苦手なポケモンをゲンガーでキャッチし、詰ませる動きは単純明快に強かったです。

このあたりからガルーラはカバルドンに勝つために冷凍ビームを搭載した両刀型が流行り始めますが、両刀型はクレセリアを突破できないという欠点が目立ちクレセリアも流行り始めます。
ここでガルーラはクレセリアとカバルドン両方を対策しきることができないことが理解され始め、ガルーラに攻めを依存した対面構築はほとんど姿を消すこととなります。

ORAS終期(ガルーラ+受け+崩しの概念の成立、ガルゲンキャッチボール、ドレインパンチガルーラ)

環境終盤、上位の構築のほとんどがガルーラ+受け+崩しのような構成となっていきます。
当時メジャーであった崩しポケモンとしては
ヒードラン、サザンドラ、剣の舞キノガッサ、瞑想スイクン、ゲンガー、ボルトロス、ウルガモス

あたりが挙げられます。

当時を象徴する崩しについて詳しく解説します。
この当時はヒードラン、サザンドラ、ウルガモスの3体が崩しの代表格として名を馳せていました。
そしてこの3体は、ヒードラン→ウルガモス→サザンドラ→ヒードラン→ウルガモス…
といったように3竦みを形成しており、この崩し枠の3竦みをいかに打破するかはガルクレセ、カバガルを使うプレイヤーにとって大きな壁でもありました。

さらにガルーラ+受け+崩しに追加して採用されることが最も多かったポケモンがガブリアスなのですが、型は大きく変わっていました。
当時もっともメジャーであったのは陽気最速でこだわりスカーフを持たせ、
技が逆鱗、地震、岩石封じ、ステルスロックという構成のものでした。
崩しとして採用されていたウルガモスを強く意識し、命中安定技で固めつつステロを採用する構成が流行したのです。

そして最終シーズン直前のシーズン16に新しい概念が登場します。

それがガルゲンキャッチボールです。

本来メガガルーラとメガゲンガーの相性関係はメガゲンガーに分があり、メガゲンガーはメガガルーラの対策としてここまで活躍してきました。
ここに新しい発想としてガルーラでメガゲンガーと1:1交換で処理するというものが現れます。
この文章ではわかりづらいため、もう一度分かりやすく言うと、
非メガの通常ガルーラメガゲンガを処理するという発想が生まれます。

http://bavelpoke.blog.jp/archives/63735905.html

本来ガルーラにメガシンカ枠を使わされ、そこにゲンガーを投げられて処理されていたものだったのが、ゲンガーミラーにおいて、Dに厚く振ったガルーラを交代で繰り出し、特性肝っ玉を生かしたノーマル技で相手のメガゲンガーを処理するという光景が繰り広げられました。そしてガルーラでメガゲンガーを処理したプレイヤーはメガゲンガーをその状態から使う権利が得られるのです。

そしてこの思考が普及したころ、ORASではありえなかった行動がとられるようになります。
初手のガルーラミラーでお互いにゲンガーに引き、そのゲンガーミラーでお互いにガルーラに交代、そしてまたゲンガーに交代とひたすら交換が繰り返され、その様子をガルゲンキャッチボールと当時話題になりました。

この構築に採用されるゲンガーも当然メガシンカをせずとも活躍できるように調整されていたため、ガルーラとゲンガーで自由にメガシンカを選択できるというとても大きなメリットがありました。

ちょっと面白い話のようになっていますがこれは本当に逆転の発想によって生まれた思考で第6世代を象徴する一つの答えだと思っています。

そしてここまで長きにわたり繰り広げられていた対面構築による初手ガルーラミラーにも一つ終止符が打たれることとなります。
それがドレインパンチガルーラの登場です。メガ前特性の精神力を生かして相手の猫騙しの怯みを無効化しながらドレインパンチで回復するというものでした。この行動はメガシンカをしていないため、ゴツメポケモンに交代されても接触が1回で済むなどのメリットもあり、本当の最終盤に姿を現すこととなります。

そして様々なガルーラ、ゲンガー、ガブリアスが開発され、回りに回った環境で最後の最後生き残ったのは最初に環境を支配していたガルクレセでした。

これが最終シーズンのランキングとプレイヤーが使用していた構築の一覧です。

この他にもThe bossとか革命雨とかそういう話もしたかったけど力尽きので終わり

長々と付き合ってくださってありがとうございました。

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