時代おくれ
ああん、毎週日曜更新の予定が月曜になっちゃいましたけど(汗)、今週のnoteをそそくさとアップしておきますよ。今回は、ちょっと思うところがあったので、「女性の性被害」の現状の方がハード…というのは大前提として、とりあえず「男性の性被害」について思ったことを適当に書いておこうと思います(トップ画像は内容に関係ないです、すみません)。
最近、読みやすいフェミニズム関連の本を読んだり、家父長制の問題などを取り上げた映画を観たりすることが増えているせいか、過去は「アリ」だと思っていたことが、受け入れられなくなってきているというか。例えば、先日観た映画「異端の鳥」の中で「少年が年上の女性と性行為をおこなうシーン」がありまして。昔の僕だったら「おやおや、うらやましい限りですな(微笑)」なんて思うところだったんですが、正直なところ、この時は「子どもへの性加害」にしか見えなくて、結構不快に感じたのだから不思議な話。
ただ、こういうのって「社会的な地位」や「腕力」といったパワーバランスが大きな要素になるワケだから、現代社会において、男性が女性から性的に搾取されたり、暴行されたりするってのは、全体数から考えると超レアケースであって。基本的に「男性が性的に嫌な目に遭う」場合って、「男性が男性にやる or やらせる」ケースが多いんじゃないかなと。そして、被害を訴えようとしても「男のくせに」「ラッキーだったじゃないか」といった感じで、周囲から相手にされないことが多かったと思うんですよね、松江哲明監督の「童貞をプロデュース。」での性行為強要事件のように。
男の性被害って、2パターンあると思っていて。1つ目は、男性社会の儀式的に発生するケース。要は、「チンコを出す」といった性的な宴会芸をやらされたりとか、風俗関連に行かざるを得なくなったりとか。どちらも人によってまったく抵抗がなかったりするだけに(別に犯罪ではないワケだし)、嫌がると「なにコイツ、空気読めないのかよ」扱いされることが多くて、なかなか面倒くさいんですよね…。僕が前にいた職場の話ですが、性的な宴会芸をやらされた先輩が、その場では明るく振る舞っていたものの、後で泣いていたのを今も覚えております(僕はそれを見て「バカじゃねぇか」と思っていた…という暗黒の時代)。まぁ、そういう「男らしさ」が必要なんだと思い込んで、僕も若い時は付き合って頑張りましたよ、いろいろと。
2つ目は、ストレートな性被害に遭うケースですよね。男の場合だってレイプされることはあるし、それ以外の性被害もあるワケで。例えば、僕はマンションの1Fで独り暮らししていた時、干していたパンツを盗まれたことがありまして。そりゃあ気味が悪いから交番に行ってみたものの、警官の応対が予想通りの半笑いで、まったく親身になってくれなかったし、まぁ、僕も「男なのにこんなことで警察を頼る」というのが、何か恥ずかしくて。結局、被害届を出さなかったというね。
あと、高校を卒業してすぐの頃、JR大船駅の男子トイレで用を足していたら、隣りに立っているオッサンが僕のチンコをジロジロと見ていて。嫌だな〜と思っていたら、ソイツが全力で己のチンコをシゴいていたから、ドン引きしたことがあります。もうね、その時は怒りよりもむしろ「性的に搾取された気持ち悪さ」が上回ってしまって、その場から立ち去るしかできなかったし、そんな「男らしくない自分」が恥ずかしくて、警察に届けるも何もなかったんですよね…(その後、数年間は少しホモフォビア気味になってたと思う)。何年か前、同じような経験をした人のツイートを見て、「他にもああいう被害を受けた人がいたんだ」なんて思ったりしましたよ。
とはいえ、最近はそんな状況も少しずつ変わってきているんじゃないかなと。飲み会の強制参加が根絶されないまでも問題視されるようになってきた現在、さすがに性的な宴会芸を強要するバカは減ってきているでしょうし、社会的に男性の性被害にも目が向けられるようになってきているし(前出の「童貞をプロデュース。」の性行為強要事件が問題になったのも、その流れと言えますよね)。若い人と接していると、マチズモ的な思考に染まらず、自分の弱さを開示できる男性が多い気がするし、確実に時代は変化しているのではないでしょうか。
今回のタイトルにした、河島英五さんの「時代おくれ」は好きな歌ではあるけど、たぶんあの手の「耐える男像」によって男性たちが自己開示できずに苦しめられてきたところって確実にあって。それこそ「時代おくれ」な部分はちゃんと自覚してアップデートしていく時代なんじゃないかな…なんてね(いや、良い歌だとは思うんですがー)。僕的に「男女平等な社会」は、男性側が変わらないと実現不可能だと思っているので、今でも無駄に「男らしさ」云々を主張しがちな、僕を含む「40代から上のオッサン&ジジイども」が寿命で死に絶えた頃、世界は今よりも良くなっている気がするし、逆に世界が良くなるのはそのぐらいの時間が掛かる気もします。おしまい。
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