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SWEET PAIN

今回のトップ画像は 「のだめカンタービレ 第15巻 限定版」に付いていたマングース人形です。つーか、二ノ宮知子先生、「のだめカンタービレ」の暴力&セクハラシーンを反省したりとか、非常に信用できる方ですよね…ってのは、この後の内容とは一切関係ないし、いわゆる「ウチの子」話が苦手な人はここからは読まない方が良いザンス。

娘のマナ子(仮名/9歳)は現在小学3年生でしてね。近頃、ションボリしていると思ったお義母さんが話を聞いてみたところ、「みんなが『鬼滅の刃』の話をしているんだけど、マナ子は観てないから話に入れない…」「でも鬼の話だから怖くて観たくない…」なんてことを言ったそうで。お義母さんから奥さん経由でそれを聞いた僕は「じゃあ、パパが一緒に観てあげるよ」とNETFLIXで視聴してみれば、僕や奥さんの膝の上で怖々ながらも最終話まで楽しんで、「映画も観に行きたい!」なんて言い出したから、良かった良かった。

ただ、「鬼滅の刃」って、とにかく人が死にまくったりと、結構ハードな内容じゃないですか(ゴア描写も普通にあるし)。今までアニメは「おさるのジョージ」とか「スポンジ・ボブ」とか「クレヨンしんちゃん」とか呑気なものばかり好んできた彼女なだけに(「プリキュア」シリーズすら怖くて観られなかった)、これを機に“よりハードでシリアスな物語”を好むようになるのではないか。これまで彼女とは毎週末、ぬいぐるみを使って、のほほんと「お人形さん遊び」をしてきたけれど、「もうこんなのバカらしい(嘲笑)」と卒業することになるのでは…と心配していたんですが、しかし。とりあえずまだ「パパ、今週は『お人形さん遊び』、できる?」と目を輝かせながら聞いてくるから、ありがたい話でございます。

とはいえ、僕なりにも悩みがあって。正直なところ、娘との「お人形さん遊び」がキツくなってきたのです。最近のマナ子が好む「お人形さん遊び」のシナリオは「ポヨンポヨンちゃんとピンクのクマちゃん(娘が操る双子のクマの姉妹で小学3年生設定)が学校で活躍しまくる」という、なんて言うんですかね、「自分の願望を投影しているのかな…」と親的にはちょっとセンチな気持ちになる内容でして。で、1ヵ月前くらいに、そこに「ポヨンポヨンちゃんとお友だちになりたいんだけど、つい意地悪をしちゃうマングースくん」という、非常にクリシェまみれの「意地悪な小3男子」キャラを投入してみたところ、これが大ウケ(微笑)。マナ子ったらスゲー楽しんでくれて良かったな…と思っていたんですが、しかし。

僕もそりゃあいろいろなフィクション作品を観てますから、意地悪なマングースくんも「まだ子ども」ということで、「成長と和解の機会」を与えてあげたくなってきて。毎回、「ピンクのクマちゃん、今まで意地悪してごめんね」といった「反省する展開」を入れるんですけど、娘ったら「分かったけど、大嫌いだから近寄らないで!」と超塩対応で絶対許さないんですよ。しかも、せっかくマングースくんが改心したのに「パパ、もっとマングースくんに悪いことをさせて!」と闇堕ち展開を要求してくるから、「マジか!」と。

いや、別に娘を楽しませるためにやっているんだし、所詮は「ごっこ遊び」なのだから、そんなのどうでも良かったハズなんですけど…。なんかね、ちょっとマングースくんとシンクロしすぎて、「僕はいつまで彼女たちに意地悪をして、いつまで成長できないんだろう…」と精神的なダメージを食らうようになってきた。「もうマングースくんとは一緒の教室にいるのも嫌なんだよね!」という娘の台詞は、決して父である僕に言っているワケではないにも関わらず、心が痛みを感じるようになってきたのです。昔、テーブルトークRPGをやっていた時はこんなことなかったのだから、我ながら役に入り込み過ぎているのかもしれませんな…たかが「お人形さん遊び」なのに!

まぁ、もちろん父としては、娘が大喜びしてくれるのだから(そしてそんな時期はあっという間に過ぎてしまうのだから)、これはむしろ「甘い痛み」としてしっかりと味わうものだと思うのです。ただ、煉獄にいるかのように、悪事を繰り返しては成長も反省も許されないマングースくんを思うと少し涙が出てくるし、メソッド演技で役に入り込みすぎて心を病む役者さんの気持ちがなんとなく分かった気がした47歳の秋なのでした。おしまい。



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